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【途上の夢】
絵画と向かい合ったとき、一見して受ける印象や、時として身じろぎもできないほど、全身に走る衝撃。
東城 六
はそれこそが、つまりは絵というものだと思っています。
(面白い絵だな……きっと感情のあふれるままに、思い切り描いたんだろうな)
タイトルは、『寝子島三夜湖猫釣之図』。その鮮やかな色使い、斬新で奔放な構図。猫たちの楽しげな様子。
(これに比べたら……自分の絵はどうだろう?)
見入る六もまた、絵を描くこと、見ることが好きで。だからこそ、思うところもありました。
この絵について、彼は何も知りません。作者の名前、その時代背景や予備知識の類……そういったものには興味が無く、あくまで、目に見えているものが全て。
(自分の絵も、そうありたい……そうあるべきだ。でも、最近の僕は、どうだろう?)
このところは、自分の描いた絵に対する評価に、いくらか左右されてしまっている気がするのです。
(評価してもらえることは、嬉しい……でも、それを得るために絵を描くのは、違う)
例えばそう、目の前のこの絵。
知らずとも、伝わってくるのです。作者がどのような気持ちで、これを描いたか。寝子島の雄大な景色やそこに暮らす人々、そして猫たちに、どれほど魅了されていたか。
誰に求められたわけでもなく。誰かに評価されたかったわけでもなく。作者はこれを描きたかったからこそ、描いたのでしょう。
自分も、そうでありたい。誰かに誉めそやされるためではなく、自分が頭に思い描いた光景を、思うがまま。そのままに、キャンバスへ出現させたい。
それこそが六にとっての、絵というものなのです。
(……そのためには、もっと技術を磨かないとな)
思い至って、少し苦笑い。
ふと、絵の下に掲示されたパネルに記されている、作者名に目が止まりました。
浮世絵師、歌川猫麻呂。
六は思います。彼も今の自分のように、思い悩んだりしたのだろうか……?
森繁美術館。館内に満ちる静謐な空気を感じるのは、
ロベルト・エメリヤノフ
にとって、数ヶ月ぶりのことです。
時折聞こえてくる客たちのささやき声を除けば、しんとした静寂。自らも芸術を志す彼にとっては居心地良く、馴染んだ空気。
けれど。今のロベルトにとって、それは複雑な感情をもたらす要因でもありました。
(何だろうな。僕のやりたいことって……)
芸術科に属し絵画を専攻するのは、彼がそれを愛しているから。将来だって、ずっと芸術に関わっていきたい……というのは、もちろん半端な気持ちではなく、彼の真摯な目標です。
問題は、
(前に言われたな。芸術や文化を愛する者として、どう関わりを持っていくかは、人それぞれ……って)
自身が芸術家となるのはもちろんのこと、他にも美術教師や、こうした美術館の学芸員など……選択肢は、いくつもあるのです。
その中で、彼は未だ、明確な答えを導き出せずにいるのです。
ぐるぐると思考を巡らせながら歩き、ぼんやりと作品を眺めていたロベルト。
とある作品の前で、彼は足を止めました。
(これが……『紅葉狩り』)
実物を見るのは初めてながら、基本的なところは、美術史で学んで知っていました。
こちらへ振り返る女性の頬を染める、紅。繊細に見えて荒々しく、激しく見えて儚げで。
その絵は美しく、堂々として……そしてどこか、切なくも感じられました。
ふと。彼は思います。
(自分も、こういう絵を描いてみたい……あ)
唐突に湧き上がる、そんな感情。はっとして、彼はじっと、目の前の絵を見つめます。
一見、情動の赴くままに描かれていても。そこにはプロの画家としての技術が、確かに息づいています。
(そうか……そういうことか)
彼が『紅葉狩り』を前に思うのは、素直な感想だけではなく、ある種の劣等感だったかも知れません。いえ、この絵だけではなく……技術が無いから。才能が無いから。いまいち、ぱっとしないから。素晴らしい何かに触れるたび、彼がそうして心の中で言い訳を繰り返してきたことは、否定できません。
けれど同時に、湧き上がる感情。創作意欲。
こんな絵を、自分も描いてみたい……!
(……そうだな。描いてみよう。どんなものであっても、僕の絵を。そうすれば……)
ロベルトは胸の中で、何かが動き始めたのを感じました。
「……ロベルトくんも、来ていたんだ」
「やあ。東城も、若林先生にチケットを?」
「うん、まあね……あ」
無表情のままに小さく頭を下げた六は、クラスメイトのロベルトに笑いかけられて、にこり。ぎこちなくも笑顔を返しました。
二人並んで、何とはなしに、目の前の絵を眺めます。
「大胆な筆致の絵だけど……僕はこの笑顔に、どこか、切なさも感じた。東城はどう思う?」
「……良い笑顔だね。でも、確かに……」
額の中の彼女が、作者にとってどういう人物だったのか、六は知りません。けれど確かに、ただ女性を描いた絵……ではないようにも感じます。
彼女は何を思って、こんな表情を浮かべたのでしょう?
そこへ、ふと。後ろからかけられた声がありました。
「少し赤く染まった頬。瀬島にとって、自分だけの紅葉……ってことなんかなぁ」
二人が振り向くと、気さくな笑顔を浮かべたのは、
服部 剛
です。
「はは、いきなりごめん。俺、画材屋の息子なんや。こう見えて、美術学は得意なんやで?」
館内を見回し、楽しそうに笑う剛。彼にとって美術館という空間は、美と出会う感動、訪れるたびに目にする新しい発見。心で味わう浪漫……いわば、楽園のようなものだと言います。
そんな彼の高揚した気分が、二人にも伝わったのかも知れません。
「いや……構わないよ」
「それで、さっきの……自分だけの紅葉、って?」
六はうなずき、ロベルトも興味を惹かれたのか、そう尋ねました。
「うん。実はな、作者の瀬島作太郎は、他にもいくつかこの娘を描いてん……けどどれも、笑うとらんねや。笑うてる女性の絵は、これだけ」
剛が語るところによると。彼女はなかなかに気難しい女性であったようで、ちらほらと笑顔を見せるようになったのは、ようやく付き合いも深まった頃だったそうです。
「そんな娘が、こないな表情してんの見てもうたら。俺やったら……その瞬間を、絵に閉じ込めたなる。そしたら、自分だけのもんになるから」
瀬島もあるいは、そう思ったのかも知れません。
ただ。作者が晩年、思い立ったように、こんなにも様々に想像を掻き立てる女性の笑顔を描いたのは、なぜだったのでしょうか?
「いろんな説があるけど……ほんまのところは、瀬島にしかきっと分からんねや。だからこそ、この絵は魅力的なのかも」
絵の中に息づく儚げな紅葉に、三人はしばし、思いを馳せました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月28日
参加申し込みの期限
2014年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月04日 11時00分
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