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撮影隊がやって来た!
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【10】奈々美キャットのピンチ
木曜日の午後。
最終日のその日、撮影隊は寝子島神社の社務所を借りて、撮影を行っていた。
そんな中、奈々美は例によって黒猫に変じて、社務所の中をうろつき回っていた。むろん、先に本来の取材の方も済ませている。
と。
「今、外にタバコ吸いに出たら、こんなものを見つけたんだが……これって衣装じゃない……よなあ?」
外から戻って来た俳優の一人が言って、その場の全員に見せたのは、他でもない奈々美の服である。
(げっ……!)
境内に面した縁側の下に身を潜めていた奈々美は、思わず動きを止めた。
(なんでそんなもん、持って来るねん。見つからんように、木の根元のわかりにくい場所に置いて来たんやで!)
彼女は内心でその俳優を罵倒する。
服とバックは、人目につかないよう、裏手に生い茂る木々の一本を選んで、その根元に押し込んで来たはずだった。
俳優の言葉に、衣装スタッフがその服を見分するが、当然、衣装ではないとかぶりをふる。
その答えに、島崎は遺失物として撮影が終わってから、警察に届けるよう言った。
「はい。……綾辻さん、それ、そこにある袋に入れて、邪魔にならない所に置いておいて」
「はい」
それを受けて言う衣装スタッフにうなずき、綾花は服を俳優から受け取ると、部屋の隅に置いてあったジップロック付きの衣装用のビニール袋を手に取る。
(警察とか、冗談やないで。いったい、なんて言うて取りに行ったらええんや)
奈々美はこの展開に、再び内心に喚くと、中へと飛び込む。座敷を横切り、服をたたみ直している綾花に、突進しようとした。
その体が、ふいに宙に浮く。
(な、なんや?!)
「猫がいるのだ!」
じたばた暴れる黒猫の奈々美を抱き上げたのは、真央だった。彼女は、無類の猫好きだ。
「綺麗な毛並みなのだ」
暴れる奈々美にかまわず、真央は猫の黒い毛皮に顔をすりつける。
「首輪しているから、飼い猫かもしれないね」
真央の声に歩み寄って来て、奈々美の頭を撫でながら言ったのは、夏朝だ。こちらも猫好きだった。
「ほんとなのだ。じゃあ、この近所で買われている猫なのかもなのだ」
真央もうなずいて言う。
その間も、奈々美はなんとかして彼女の腕から逃れようと暴れるが、軽く力仕事をこなす体育科女子の腕はがっちりその体をホールドして、離してはくれなかった。
そこに、島崎の声が飛んだ。
「そこ、いつまで遊んでる。撮影を続けるぞ」
「はい、すみません」
「はいなのだ!」
夏朝が軽く姿勢を正して答え、スタッフらのいる方へ走って行くのへ、少し遅れて真央も答える。その瞬間、わずかに腕の力がゆるんだ。
(今や!)
奈々美はとっさにその腕をすり抜け、座敷を横切る。
「あ……!」
真央は小さく声を上げたが、さすがに追おうとはしなかった。そのまま、名残惜し気にバイトの仕事の方へと戻って行く。
中断されていた撮影が、再開された。誰の目も、演技を続ける役者たちに集中している。
奈々美はその隙に、綾花が入れた袋ごと、自分の服を口にくわえて奥の人のいない廊下へと出た。
(やれやれやな。……にしても、今日はなんかゲンが悪いわ。もうちょっと探りたかったけど、とりあえず、一旦元の姿に戻った方がよさそうやな)
胸に呟き、あたりを見回す。人の姿はないようだ。とはいえ、ここも社務所の一画には違いない。撮影隊だけでなく、神社の人たちも出入りする。
(服、先に出しておいた方が、ええか)
思いついて、袋から出そうと悪戦苦闘するが、なかなかうまく行かない。
(あかんわ。……でも、ここで人間に戻るんは、ちょっと抵抗あるし)
しばし考え、彼女はそっと廊下から元来た部屋へと続く襖を開けて、頭を差し込んだ。
撮影はまだ続いているようだが、部屋には出番の終わったらしい零がいて、衣装から自分の服に着替えているところだった。
彼は今日も、巫女の艶姿でエキストラとして参加していた。ちなみに、私服の方も、着物だった。
私服に着替え、彼が巫女の衣装をたたんでいる時だ。
「こんにちわ。ここで撮影しているって聞いて、差し入れ持って来たわ」
縁側の方から、そう声をかけて水樹が顔を出した。
「水樹殿」
気づいた零が、立ち上がるとそちらへ出て行く。
それを見すまし、奈々美は素早く巫女の衣装へと駆け寄った。口にくわえて、脱兎のごとく廊下に駆け戻る。そして、床に落とした衣装の中に潜るようにして、元の姿に戻った。
とはいえ、今の彼女はすっぽんぽんの上に、白い着物をまといつかせただけという、人に見られたくない格好だ。
(自分の服に着替えるのはあとにして、とにかくここから出よ)
そう決めて、巫女衣装を着るのももどかしく、服の入った袋を手に廊下を進む。そのまま、誰にも見とがめられずに社務所の玄関から外に出ると、彼女はバッグを隠した場所へと急いだ。
行ってみると、バッグはちゃんと木の根元の間に置かれている。
小さく息をつき、ようやく自分の服に着替えた。そして、つと巫女の衣装の方を見る。
「これ、どないしょ」
まさか、ここに放置したまま帰るわけにも行かない。しばし考え、彼女は小さく手を打った。
衣装を手に、再び社務所へと向かう。縁側から回って行くと、休憩に入ったのか、撮影隊の面々はバイトも一緒になって、クッキーをつまんでいる。どうやらそれは、水樹が差し入れに持って来たものらしい。
「これ、ここで使こうてた衣装違うか?」
軽く挨拶して、巫女の衣装を掲げてみせた。
「それは……先程から、拙者が探していたものでござる」
見るなり、零が声を上げる。
「やっぱしそうやったんや。猫がくわえて走ってるの見てな、もしかしたらと思うて、取り上げたんや」
奈々美は、しれっとそんな答えを返した。
「もしかして、首輪をした黒猫?」
夏朝が尋ねるのへうなずいて、零に衣装を渡す。
「かたじけない」
零が安堵したように、それを受け取る。そしてクッキーを示して言った。
「ちょうどよい。お主も食べて行かぬか。水樹殿の、差し入れでござる」
「おおきに。ほな、遠慮のう」
うなずいて、奈々美はちゃっかり縁側に腰を下ろすと、クッキーを一つ手に取る。そして、内心に改めて、やれやれと吐息を漏らすのだった。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月16日
参加申し込みの期限
2014年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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