グッドモーニング・ハグハグ☆｜リアクション

グッドモーニング・ハグハグ☆

●ハグハグのその後・２

　翌日。
　神魂の影響が消えた寝子島は、いつもと変わらない朝を迎えた。

　篠崎響也は、ハグ騒動が終わった後はスキンシップで抱き付いてくるトーマス・ジャスティンに抵抗する気力もなくなっていた。
「さっさと家に帰るぞ」
「こういうハプニングなら、毎日あってもいいかもね！　ごちそうさまでした！」
　疲れ切った響也に対し、トーマスは人一倍越えて十倍は楽しんだので、ツヤツヤと元気一杯。
　響也の疲労とトーマスの元気は、翌日も続いていた。

　後木真央はいつものように５時起きし、畑と鶏の世話をしてからネコ集会へ。
　いつもと違うのは、猫達が真央を避けていることくらいだった。
「なんでおネコさま達、真央ちゃんを見て逃げるのだ？　幸せのお裾分けをしてあげたのにひどいのだ」
　今日も幸せお裾分けするのだ！　と猫達を追いかける真央だった。

「きょうはー、ねこーいないなー」
　寝子高の近くに来れば、昨日見つけた猫に会えると思った柚瀬玲音はがっかり。
「きょうはあえなかったけど、あしたはきっとあえるよねー」
　遅刻したら、また先生に怒られちゃう。怒られないよう、早めに小学校に行く。

　正門で生徒達に朝の挨拶をしている浅井先生は、今日は自分からハグしないよな？　と不安がっている。
「あさちゃん先生、おっっっはよーーございまーーす！！」
　元気良く抱きついてきたのは、昨日と同じく１年生の直風満帆。
「お、おはよう直風。昨日は悪かったな」
「悪かったって、何が？　ハグはスキンシップやろ？　気にせんといて」
　満帆が無邪気にハグするのは、親しみの表現なのだろう。
「浅井先生、今日も直風とハグか。生徒とのスキンシップは、良く考えてするんだな」
　またしても高野先生に見られたが、昨日ほどのトゲトゲしさは感じられない。
（本当は私もハグしたかったのだが、教師が生徒に気軽にハグするわけにはいかないからな）
　クールを装っていたが、本当はすごくハグしたかった高野先生だった。

「挨拶推進運動、いつか実践されると良いな」
　その様子を見ながら、八神修は、浅井先生を助けるために場を取りつくろった方便を期待していた。

　満帆と同じく変わらずなのは、今日も酔っ払って登校する酒浸朱蘭。
「また酔って登校か。酒浸、酔ったフリしての登校はいいかげんにやめろ」
「いいじゃないか～本当に酔ってるワケじゃないんだぜ～！」
　実際にはろっこんで酔っているのだが、瓢箪の中身の飲み物は水だったりお茶だったりなので、教師達は何もできず。

「花椿、目の下にクマができているぞ。寝ていないのか？」
「眠ると、嫌な夢を見てしまうので……」
　オネエにハグされる悪夢を見たくないので、花椿涼太郎は一睡もせず。
　涼太郎と同じく寝不足状態だったのは、恥ずかしくて学校に来づらい滝原レオン。
「浅井先生、高野先生、おはようございます……」
　俯いたまま挨拶するので、高野先生に「男だったらシャキっとしろ！」と活を入れられた。
　人の気も知らないで……と泣きそうになるレオンだったが、また高野先生に活を入れられたくないので早足で教室へ。

「今日はハグ無し、と。咲は、今日も学園の風紀を取り締まる」
　風紀委員として校内を巡回する矢萩咲だったが、昨日のことを思い出し、立ち止まって赤面。
（極夜君……）
　哀坂極夜に告白されたこと、手にキスされたことを忘れられず、そのことを考えただけで顔が赤くなってしまう。
（咲さん……）
　その頃、登校中の極夜も咲と同じ思じことをしていた。

　ハグは親密さ、愛情、友情を表すと同時に、相手を支え、安らぎと慰めをもたらす。
　喜びで心が温かくなったり、辛い悲しみに打ちひしがれることもあるが、一体感を感じる一時でもある。
　神魂は、寝子島の住人達にそのことを教えてくれたのかもしれない。

ハグっていいよね☆

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。

ハグをして楽しんだり、複雑な気分になったり、トラウマを植え付けられたりと、様々な楽しい出来事が起きました。
ハグした方も、された方も、このリアクションを読んだ方も、ほわ～んな気持ちになっていただければ、マスターとしてとても嬉しいです。

浅井先生には、可哀想な思いをさせてしまいました。それだけがちょっと複雑な気分です。
高野先生は、男勝りな一面と意外な女らしさを醸し出してみました。

寝子高での出来事が、参加してくださった皆様の思い出になりますように。

ありがとうございました。

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