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ひまわり畑の忘れ物
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◆
がさがさと葉音を立て、ひまわりの間をすばしっこく駆けまわる瑞麗。
蔓も負けじと追いかけるが、分が悪い。
如何せん、蔓は小回りがきかない。
瑞麗が鋭角的に切り返せば、蔓はその都度大きな弧を描いて方向転換せざるを得ない。
そうして、がら空きになった蔓の側面へ――
「息切れには気をつけなせぇ、嬢ちゃん」
ヤクザパンダ――もとい、竜平の爪が鋭く閃く。
中程でズタズタに引き裂かれ、落下する蔓。
それでも尚バネの如く急転換し、引き裂かれた断面部を今度は竜平目掛け走らせる。
叩きつけようと言うのだろう。
しかし、パワーファイターたる竜平に正面から向かうは愚の骨頂。
口の端が吊り上げる。
鋭い牙が獰猛に、しかし力強さと共に覗く。
「なーに、心配いりやせんぜ」
目前に迫った蔓の断面部を、両手で上下から抑えこんだ。
爪を楔のごとく繊維に食い込ませ、がっちりと固定。
蔓が再び動く前に、こちらから渾身の力を以って手繰り寄せた。
遠く聞こえる、蔓の繊維が負荷に耐え切れなかったことを示す音。
急に重さを増した蔓が、力を失いひまわり畑に沈んだ。
ほっと瑞麗が安堵するも束の間、足元から蔓が急襲。
小さな身体を巻取り、空中に吊り下げる。
「――嬢ちゃん!」
「熊猫、心配いらない」
慌てた素振りもなく、瑞麗は唱えた。
――泰山府君に伏して拝み奉る。
しゃん、と澄んだ金音を立て鉄扇が振られる。
直後、鉄扇から放たれるのは炎。
予期せぬ炎に、のたうった蔓がたまらず瑞麗を放り投げる。
放物線を描いて飛んで行く小柄な身体。
その落下地点に滑り込む竜平。
全身を使い、見事に受け止める。ぽふん、と毛皮が柔らかい音を立てた。
「嬢ちゃん、怪我ぁねぇかい」
「大丈夫。熊猫もふもふなおかげ」
「毛皮ってのはこういうとき便利ですぜ」
ククっと笑ってみせるも、後方に流れた不穏な気配に弾かれたように振り返る。
ひまわりの直上を、お化けの少女が滑るように翔けていた。
背後に、蠢く蔓を幾本も引き連れて。
「なんでこんな所に出てくる?」
好機とばかり、瑞麗が問う。
未練や無念を、少しでも聞き出すことができればという想いを込めて。
それに対する返答は。
無邪気な笑みが、一つきりだった。
「どーん!」
両手を前に投げ出す少女。
それが引き金となり、彼女の目の前のひまわりから種状の弾丸が放射状にばらまかれた。
「危ねえッ!」
咄嗟、竜平が瑞麗を覆い隠すように倒れこむ。
直撃を免れこそすれ、だが種の暴風は確実に竜平の背中を傷つけた。
「熊猫!」
「心配いりやせんぜ、お嬢ちゃん」
安心させるように、竜平は笑って手を瑞麗の頭の上にやった。
しかし、これは思ったよりもやばそうだ。
少なくとも今このままでは、お化けの少女はこちらの話など聞きはしないことがわかってしまった。
この状態では、瑞麗が引き続き言葉をかけても何の意味もない。
むしろ、ただただ危険にさらしてしまうだけだろう。
ならば。
種の弾丸が収まったのを見計らい、跳ね起きる。
「く、熊猫!?」
可能な限りの前傾姿勢で、瑞麗を抱えて走った。
「一旦下がらせてもらいやすぜ」
戦い続ける面々に一言詫びを入れ、そのままひまわり畑の外の道目指し駆け抜ける。
竜平の背中を見れば、皆気遣いこそすれ中途離脱を責める者など居るはずもなかった。
ひまわり畑を抜け出る間際、すれ違ったのは竜平にも決してひけを取らない筋肉を持った少年。
「ここからはあたしに任せて!」
「誰かはわからねぇが、よろしく頼むとしやしょう」
交差ざま、そんなやり取りが交わされた。
抱えっぱなしだった瑞麗をおろせば、
「熊猫、怪我ない?」
彼女は心配そうに柳眉を下げて背中へ回る。
「なーに、この程度かすり傷でさ」
わけもない、と竜平は顔色一つ変えずに言ってのけるが。
その背中は、近距離で受けた種の弾丸によって痛々しい傷を負っていた。羽織っていた服は、そこらじゅうに穴が開いている。
瑞麗の青い瞳が、わずかにくしゃりと歪んだ。
「るいり、手当てする。じっとしてて」
手当て、と言っても大したことができるわけではない。
精々、傷を洗って絆創膏を貼るくらい。
いたわるような手つきでそっと絆創膏を貼っていると、
「……なぁ、嬢ちゃん」
竜平がふと口を開いた。顔をこちらに向けないから、彼の表情は伺えない。
「……熊猫?」
「もし死んだはずの父親が生きてて、そいつが凄い悪いことをしてる奴だったら……嬢ちゃんはどう思う?」
落ち着いた、というよりも迷いの故に沈んでいるような口調。
「……いてくれて、嬉しいか?」
そう問うた彼の背中は、煌々と輝く月の下にあって尚影が差していたように思えた。
優しく絆創膏を貼り付けながら、瑞麗はぽつりと呟く。
「……るいりのぱーぱ 悪い人」
黒社会の幹部だ。『悪い人』どころか『極悪人』と呼ぶ者が居ても、決しておかしくはないだろう。
「でも、いなければよかったなんて思った事一度もない」
だから、
「いてくれたほうがいい 絶対」
「……そうか」
噛みしめるように、竜平は呟いた。
「だから、熊猫も娘さんに会いに行くといい」
そう続いた瑞麗の言葉を、竜平の背中が微かに揺れる。
明言はされなかったが、誰の話かなんてすぐにわかる。
「おっかないなら、るいりもついてく」
小さな手が、自分のよりもずっと大きくて毛皮でふかふかの手にそっと触れた。
「手を握ってあげるから」
戦いの喧騒が、遥か遠くのことのように聞こえる。
ややあって、竜平が肩を揺らして小さく笑みこぼした。
「……クク、嬢ちゃんを連れて行ったら、変な誤解を与えちまうよ」
首を巡らせ、肩越しに瑞麗を見やる。
「でも、そのやさしさはありがたく受け取っておきやすぜ」
もふもふの手が、ぽふりと小さな手を包む。
その手の中にある優しさを、受け取るように。
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担当ゲームマスター
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月06日
参加申し込みの期限
2014年10月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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