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「困りましたね……」
甘味処『向日葵』のカウンター。
美々津 日向はほう、と物憂げにため息をついた。
わけを訊いてみると、ここ最近客足が少し遠退き気味なのだという。
『向日葵』の売りの一つは、ひまわり畑が見られること。
だから見頃の時期が過ぎれば、多少客足が減るのは承知の上。
……なのだけど、それにしてもな減り具合。
幸い、経営に支障が出るほどにはなっていないけど。
理由はわかっている。
最近広まっている、ひまわり畑にお化けが出るという噂。
なんでも、夜になるとひまわり畑に小学生くらいの女の子が現れるらしい。
しかも、ふわふわと宙に浮いているとかなんとか。
見かけてつい気になって、うっかりひまわり畑に足をちょっとでも入れてしまうとさあ大変。
植物の蔓みたいなものを伸ばしてきて、襲い掛かってくるという。
で、その噂を怖がったおじいさんやおばあさんが、めっきり来てくれなくなったのだ。
「お化けが出るのは、噂だと夜だけなんですけどねぇ」
噂に負けちゃう私の腕にも問題があるんでしょうね、と苦笑を浮かべる日向。
自分で解決できたら一番なのだけど、営業後の片付けや翌日の仕込みをやっているとまず調べる余裕もなくて。
「もし誰か噂を解決してくれたら、サービスしちゃうんですけどね。……なーんて」
冗談めかしていうけれど、どうやら噂に困っているのは本当の様子。
噂もなかなか物騒だし、なんとか解決することはできないだろうか。
……多分一番手っ取り早いのは、実際夜にひまわり畑に来てみることだろう。
もしかしたら、物騒なお化けとバトル――なんてことになるかもしれないが。
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「……すいません、何だか愚痴になってしまいましたね」
そう謝った後、日向は何か思い出したように手を合わせた。
「そうそう、ひまわり畑で落し物をしたってお話も伺ったんですよ。それも折を見て探しませんと……」
……それって、甘味処店主の仕事なのだろうか。
気づくと作業そっちのけで本読んじゃってるんですよ。
どうも皆様こんにちは、風雅です。
次はバトルものやるよ詐欺をしたようなしなかったようなな僕ですが、とうとうバトル系のガイドのお届けです。
【シナリオの主な目的】
ひまわり畑に出現するお化けの噂を解決する
基本的には解決=倒す、と思ってください。
よって、このリアクションもお化けとの対決部分がほとんどになります。
対決に参加しない、もしくは戦場以外の場所にいるキャラクターの描写は、著しく少なくなるものと思ってください。
皆さんは日向の話を聞いて調べに来てみたら、としてもいいですし、単純に噂が気になって来てみたら本当にお化けと出くわした、でも構いません。
来たのはどのような理由にしても、結局はお化けと戦うことになります。
【お化けについて】
外見は薄汚れた白ワンピースに身を包み、麦わら帽子を被った長い黒髪の小さな女の子です。
大体小学校中学年~高学年くらい。
長く不揃いな前髪のせいで、目元から上は伺うことができません。
夜(日没後)にひまわり畑へ入り込むと、何処からとも無く現れます。
【お化けの攻撃方法・性能】
背中の辺りから伸ばしてくる、植物の蔓のようなものが主な攻撃手段です。
これを使い、『突く・絡めとる』といった攻撃を行ってきます。
なお絡め取られた場合、早めに外して脱出しないと『地面に叩きつけるor締め付ける』といったコンボに派生します。
また、時々周囲のひまわりの花からひまわりの種――の、ように見えるお化けパワーの弾丸を『自分の正面へ放射状』に発射します。
これは頻度が少ない代わりに、広範囲への攻撃となります。
キャラクターの位置取りによっては、最悪全員巻き込まれますのでご注意を。
また、蔓は同時に複数本伸ばすことが可能です。
つまり、敵は一人ですが手数は結構あります。ご注意を。
その他の身体能力や思考能力は外見年齢相応。
ただし、お化けパワーでふわふわ低空飛行しているので結構すばしっこいです。
(高い所まで飛んで逃げたりはできません。最大高度はひまわりの背と同程度)
【戦場について】
(「ひまわりと『向日葵』で舞台になったのと同じひまわり畑です。
時間帯は夜になりますが、月の光が非常に明るいため明かりは必要ないです。
が、何せ2、3メートルのひまわりが沢山あるような場所なので、視界はあまりよくありません。
またお化けパワーによるものか、踏んづけたり払いのけたりしてもひまわりは折れたりしません。
見頃は過ぎましたが、まだまだひまわりは咲いています。
【日向について】
後片付けや翌日の仕込みやらで忙しいので、戦闘に気付くことはありません。
もし日向に対して何かしらの行動をかけたい場合、戦闘前後にどうぞ。
……まあ、長々と書きましたが最終的にこちらからお伝えしたいことは一つ。
これはバトルシナリオです。
策に走るも、真っ向勝負を挑むもよし。
こちらも相応に迎え撃たせて頂きます。
それでは、夏の忘れ物と月夜のお遊びをしてくださる方――お待ちしております。