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ひまわり畑の忘れ物
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◆
「おおう、随分と激しいことになってるじゃないかー!」
ちょうどお化けの少女の姿を、横から眺められる位置に葵と市子は居た。
少しでも助けになればと、葵は少女の姿をデジカメにおさめて体力を奪う。
しかし市子はと言えば、眼前の状況を難しい顔で見つめていた。
このままいけば、お化けの少女はあっという間に袋叩きに合うことだろう。
問題は、それで未練が晴れるかどうか。
自業自得とは言え、こんな終わり方では――。
ランプの中で揺らめく炎を、じっと見つめた。
葵がそれに気付き、
「獅子島くん! これに火をくれないかー!」
取り出したるは蝋燭セット。明かりに使うつもりだったが、月明かりで充分だったためにお払い箱になったものだ。
「ああ、りょーかい」
ろっこんの火を、葵の蝋燭へ移す。
「よし、後はこれをお化けくんに――って、おおー!?」
蔓が数本、二人の方へと向かってきた。
狙ったわけではなく、恐らく無茶苦茶に放ったもの。いわば流れ弾。
だが、丁度いい。
市子が、ふらりと蔓へ歩み寄った。
ランプを掲げ、自分を捕まえろと言わんばかりに。
「獅子島くん!? ――っとおー!?」
葵の目の前を、蔓が通過していく。胸があったら直撃していたところだ。
だがこれは好都合。
分与されたばかりの火を、咄嗟にダイレクトに押し付けた。
わずかながら、蔓の動きが鈍くなったような気がする。
同時に市子へ目を向ければ――。
既に彼女は蔓の囚われの身となっていた。
「獅子島くーーーん!!」
人質として誇示するかのように、市子を絡めとった蔓を振り回す。
だが、そんな状況下にあって捕らわれている市子は。
ただ、どこか悲しげな瞳でお化けの少女に語りかけた。
「あたしをどーにかして気が済むんならそーしな」
わずかに自由の利く手で、ランプの火を隠し持っていた紙マッチに移す。
「けど、ガッコで習わなかったか」
――ヒトにメーワクかけたら……ダメなんよ。
未練を焼く火が、蔓に押し付けられた。
「……し、しらない! あたしガッコなんてしらない! 遊びたかっただけだもん!」
喚き散らすお化けの少女。市子の身体を取り落とし、火の着いたままの蔓がひまわり畑をのたうち回る。
「――いけない!」
咄嗟、天佑が外套から大量の水風船を取り出して投げつけた。
蔓との衝突の衝撃ではじけ飛び、中に詰められていた薄めた化粧水がばら撒かれて類焼を防いだ。
尚も冷静さを欠いて暴れまわる蔓。手当たり次第に薙ぎ、掴み、払う。
『ティシポネー・アックス』で蔓を簡単に破壊できる槇でさえも、迂闊には近づけない状況。
そこで動いたのは――椛だった。
「……そろそろ試してみるか」
イヤホンを装着し、付箋を一枚、握りしめた拳大の石へ、もう一枚を足元の地面へ貼り付ける。
付箋を貼り付けた石を、力の限り前方へと投げた。
放物線を描き、飛んでいく石。それは少女の元へ届くには足りない。
が、その軌道の先には――祐。
「祐、その石を思いっきり蹴飛ばせ」
「了解!」
強化された身体能力から繰り出される、豪速の蹴り。
石は一発の砲弾となり、蔓の間を突っ切っていく。
そして椛は自分の中にある力――ろっこん『Portal Hole』を、そこで初めて発動させた。
刹那、足元に開くのは拳大のワープホール。
腕を突っ込めば、石に出口が展開。腕が空間を越えて突き出し――
「ちょっと痛いかもしれないが、我慢してくれ」
軽いスナップをきかせ、ばら撒くのひまわり畑の土。
視界に入り込んだ異物に、少女は目を覆いたじろいだ。
「今だ! ――行くぞ、TAS!」
「――連携、行きます!」
渚砂が針状のバリアを幾重にも射出する。
翔けるバリア。
それが何かもわからぬまま、立てる風切り音を頼りにかあてずっぽうに蔓を差し向ける。
結果できるのは、蔓と蔓の間の間隙。
――即ち、絶対的な隙。
間隙を縫い、祐が駆ける。一足の範疇に少女を捉えるや跳躍。
蔓を蹴って、背後へ跳んだ。
「思い出の場所を守るためにも、負けらんねー!」
「え、あれ、うそ!?」
バックアタックに、少女が蔓を戻すのが遅れた。
祐の蹴りが背中に決まり、少女の身体を宙を滑る。
「~~~ッ、いったーーー!!」
「痛がってる暇なんてないわよ!」
遂に接近を果たした蛇那伊が、
「うわぁまたオカマ!!」
「だから違うって言ってんでしょ!!」
少女が咄嗟に前面に展開した蔓の盾を握りつぶす。
槇の『ティシポネ―・アックス』による追撃が、残る盾を尽く破壊する。
たまらず後ずされば、空中高くから祐が迫る。
突き上げるように伸びた蔓を、海斗のスコップが斬り裂いた。
「やだやだやだやだ!!!」
一体、何が嫌なのだろうか。
成仏することか、こうして迫られることか。
やぶれかぶれに逃げ出せば、海とともに回りこんでいた刀の姿。
「悪いな、お前にはお前の事情があるんだと思う、だけど俺達にも俺達の事情があるんだ」
それ自体鋭利な刃物の如き視線を少女に向け――直後、【加速】した。
止まってすら見える蔓をくぐり抜け、切り払い、踏み台にし――肉薄。
打撃音が、足音が、全てが遅れてついてくる。
一切を抜き去り置き去りにした、雲耀の如き疾さの中。
「――だからお前か俺か、どちらが望みを掴み取るか勝負だ!」
刀は、吠えた。
全力の連撃を、【加速】の続く限りに撃ちこむ。
少女の背中から伸びる蔓、その一切尽くを叩き落とす!
「――えっ、えっ、なんで!?」
少女が認識できた時には、蔓は全て叩き落とされた後だった。
目を剥き、慌てて逃げようとする彼女の足元に、一匹の蝶。
少女の、そしてひまわりの影になっていたから、気付いたものは居なかっただろう。
その蝶が、梢に姿を変えたことには。
「ここです!!」
必殺の――否、むしろ必捕とでもいうべき虫取り網が全力で振り下ろされる。
小さな子供くらいは余裕ですっぽりと収まる大きさの網が、少女を閉じ込めた。
「やだねえなにこれ!! あみ!? あたしむしじゃないよ!!」
「虫だろうがそうじゃなかろーが、おとなしく捕まっててください!」
じたばたともがくが、蔓がなければ身体能力は外見相応なのだろう。網など破れそうにもない。
「先輩! そのまま捕まえててください!」
鬼気迫る光を瞳に宿し、槇が血の付着した峨嵋刺を振りかざし迫る。
「すまない、ちょっとだけ待ってくれないか」
刀の声が聞こえるや、少女の身体が網とそれを持つ梢ごと何かに引っ張り寄せられた。
その先に居るのは、
小山内 海
。
『もしかして、あなたがなにかおとしたの? それでさがしてるの?』
一縷の望みをかけて、言葉をかける。
刀が【加速】中に少女を攻撃しなかったのは、あくまで言葉をかけるつもりだった海を気遣ってのことだった。
ボコボコに痛めつけてしまっては、言葉も何もあったものじゃなかったから。
未練を、僅かとはいえ焼かれた後だったからか。
ここに来て、少女の反応が初めて違いを見せた。
くしゃりと、歳相応の泣きそうな顔に歪む。
『なにをみれんにおもってるの?』
その問いに答えたのは、しかし少女ではなかった。
「それはきっと――『これ』なのだあーーッ!!」
ひまわりの下から飛び出した、真央。
彼女の両手には、何やら薄汚れたものがしっかりと握りしめられていた。
ひまわり畑の全員の視線が、真央の手にした『これ』に集束する。
『これ』は、薄汚れた一体の人形だった。
正確には、編みぐるみというヤツだ。
『麦わら帽子を被り、白いワンピースを着た長い髪の女の子』っぽく作られた、編みぐるみ。
しかし、それなりの期間土の上に放置されていたのだろう。至るところに泥や葉っぱがついて、薄汚れている。
そう、ちょうど――お化けの少女のように。
「真央ちゃんの考え方は、海ちゃんとはちょっと違ったのだ」
『……ちがった?』
こくりと頷く真央。
「真央ちゃん思ったのだ。落し物が神魂で幽霊じゃないかなぁ、って」
土や葉っぱを、真央は優しい手つきで払い落とす。
「持ち主さんに落っことされちゃって、でもこのひまわり畑ってすっごく広いしひまわりの背も高いのだ。それで、見つけてもらえなかったんじゃないのだ?」
真央ちゃんも一苦労だったのだ、とちょっとだけ苦笑いを浮かべながら少女へ歩み寄っていく。
梢が網を上げてやると、少女もふらふらと真央の方へと近づいていく。
「……多分、お化けちゃんは寂しかったんじゃないのだ?」
持ち主と離れ離れになって、見つけてもらえなくて。
遊んでもらえなくて。
段々と、寂しくなって。
だから彼女は、遊ぶ相手が欲しかった。
ただ、その『遊び方』が――それもまた神魂の影響なのか、歪な形になってしまった。
でもそれも、もう。
「……きれいにして、日向ちゃんから元の持ち主さんにちゃんと返してもらうのだ」
だから。
真央は、両手で編みぐるみを――そして少女を、そっと優しく抱きしめる。
「もうこんな危なっかしい遊び方はやめて、持ち主さんと仲良く平和に遊べばいいのだ」
少女は、しばしの間沈黙を保っていた。
やがて、その大きな両目から涙がこぼれ出した。
一つこぼれると、後から後から堰を切ったように溢れだす。
「ふぇ……ごめ、なさ……ありが……」
感謝も謝罪も途切れ途切れに、少女はただひたすらに泣きじゃくった。
月の下、ひまわり畑に泣き声だけが響き渡る。
「……これで、あの子の願いは叶うんかな」
少女と真央の姿を遠巻きに眺め、市子はぽつりとひとりごちた。
なかなかどうしてやってくれる、あの偽イトコめ。
泣き声が止んだ時、不意にひまわり畑に闇の帳が落ちた。
頭上を仰げば、あれだけ煌々と輝いていた月が雲に覆われている。
真央の腕の中に、ふと何かがすり抜けていくような感覚。
「お化けちゃん?」
呼びかけても、返事はなく。
雲が晴れ月が戻った時、少女の姿は既に消えていた。
ただ、真央の手の中の編みぐるみに――ほんの一粒、涙の痕を残して。
◆
後日。
ひまわり畑の片隅に、いつのまにか線香が二本立てられていた。
一本は、お団子髪の女の子が。
もう一本は、スキンヘッドの大柄な男が立てていったそうだ。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
さて皆様、ひまわり畑のお化け退治はいかがでしたでしょうか。
わかってましたけど、20対1じゃやっぱりこっちぼこぼこですね!
想定より落ちがしんみりめになったこともあり、事後に関しては雰囲気を崩さず簡潔に……という形になりました。
また、今回バトルものということで、ろっこんに関していくつか判定を出させて頂きました。
その点ご了承願えればと。
さて、それではまたご縁がありましたら。
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2人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月06日
参加申し込みの期限
2014年10月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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