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爆走する恋心
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シーサイドタウンを歩く
エレノア・エインズワース
に人の目が引き寄せられる。冴え冴えとした月の光を遮るかのように日傘を差していた。
気ままな足取りで時に柄を回す。傘の中の大きな黒い蝶はエレノアを中心にして緩やかに舞う。漆黒のワンピースに施された薔薇に興味を持つかのように――。その中に紛れた髑髏に魅入られたかのように――。
妖しい雰囲気を纏ったエレノアに恋人達の間にも不穏な小波を立てた。若い男の目を奪い、かなりの頻度で言い争う声が聞こえてきた。
「若い身体を持て余しているのでしょうか。どうでもいいですが」
灰色の長い髪を風に孕ませてエレノアは海の方へと歩いていった。
程良い風に吹かれてエレノアは寝子ヶ浜海浜公園に辿り着いた。街灯の淡い光の導きで中へと入っていく。
公園内の仄暗い場所に蠢く影をちらほらと目にした。耳元で囁くような甘い声が風に運ばれてきた。
特に気にした様子はなく、エレノアは街灯の近くのベンチに腰掛けた。手の中の柄を回しながら前方の黒いうねりを眺める。
傘が動きを止めた。ふらりと近づいてくる人影に目がいった。
ロベルト・エメリヤノフ
であった。大きめの白い半袖シャツに赤い髪が際立つ。手元の紙片に目を落とし、考え込むような表情を浮かべていた。
エレノアは口元に笑みを作った。
「こんな夜に出会うなんて奇遇ですね」
「やあ、エレノアじゃないか。君も散歩なのかい?」
「夕食後の気紛れですね。その紙は何ですか」
聞かれたロベルトは苦笑いで隣に座ると、すっと紙を手渡した。書かれている文字を一瞥したエレノアは微笑で返す。
「並みの暗号を読み解く方が楽かもしれませんね」
「ここまで酷いと書いた僕でも読めないよ。寝ぼけてたのかな?」
ほひひ、とロベルトは奇妙な笑い声を漏らす。エレノアは海に視線を向けて傘を回した。
「ロベルトさんは私の傘が気にならないのですか」
「もしかして今夜、雨が降るのかい?」
ふふふ、とエレノアは静かに笑った。回していた傘を閉じて空いている隣に立て掛けた。ロベルトは安心した様子で空や周囲に目をやった。
「なんか今日はイチャついてる子が多いよね。中には美しい少年もいたりするのかな」
暗がりを見通すような目付きとなって、無理かー、と降参の声を出した。傍で見ていたエレノアの緑の瞳に理知的な光が宿る。
「……外見の美醜によって左右されるような恋愛感情。私には大切なものだとは思えませんね」
「まあ、確かにエレノアがいうようなことはあると思う。僕は美少年が大好きだ。その理想はとても高くて、自分でも呆れるほどだよ。だから、外見に関しては強く言い返せない部分があるんだよね」
締りのない笑みでロベルトは口にした。そこで切り口を変えてみた。
「ただ、美しさにもいろいろあるよね。均等の取れた美しさや神々しい美しさに、あとは見ただけで美しいと感じる、一目惚れに近い美しさもある。そんな美しいものと出会う為に努力する姿は素敵だし、尊敬もできると思うよ」
「それは本当に努力なのでしょうか。結局は自分に都合のいい存在を選り好みしているだけですよね。中身を見ないで真なる意味の理解が得られると思いますか? 上辺だけの思いやりは質の悪い幻想で、あるのは冗談みたいに笑えるエゴだけです」
流暢な言葉で断定して、ふふふ、と決め台詞のように笑う。ロベルトは困ったような表情から明るく切り出した。
「目を惹く部分は多ければ多いほどいいのさ! その点では作品も人も同じだよね……なんて開き直っちゃダメかな?」
最後に子供っぽい笑みを見せた。少し笑みを深くしたエレノアが口を開いた。
「そう言えば、こんな話があります。恋人関係にある二人が永遠の愛を誓う為に互いの薬指を噛み切りました」
エレノアは自身の薬指を咥えて、こんな風に、と笑って見せた。眼前にしたロベルトは目が離せない状態となった。
相手を十分に惹き付けたところで続きを口にする。
「そのような恋仲にあっても一方の浮気が原因で呆気なく交際は終了。別れたあと、二人は失った指のことで激しく後悔した、そうです。この話から得られる教訓は、『人間は感情を約束することは出来ない』ということです。愛を永遠のものにしたいのであれば、その場で心中するしか方法はありませんね」
エレノアは架空のナイフを両手で握り締め、ロベルトの左胸を突き刺した。刺された方は調子を合わせて胸を押さえる。悲痛な表情で天を仰いだロベルトは、なんてね、と朗らかな様子で返した。
「さっきの話はどこかで聞いたことがあるね。でも、本当に指を切るのは嫌だな。永遠の愛というのもなんとも。美しさには限りがあるし。そうだ、エレノアは博打とか好きかい?」
「博打、ですか? 対人系のものは好きですね。相手を攪乱したり、騙し討ちにする麻雀などは私の好みに合いますね。でも、急にどうしたのですか」
「いや、特に意味がある訳ではなくて。エレノアの話を聞いている間に頭に浮かんだというか。外見の美しさや人の感情なんかもそうだけど、確実性のない点が博打と似ているだろ。違うかな?」
エレノアは子供に諭すような表情を作る。
「麻雀は相手の打ち筋を読んで策略を巡らせる遊戯です。確実にあがれるものではないですよ」
子供に諭すような口調にロベルトは苦笑した。
「なかなかに手厳しいな。いつもそれだと人間関係が悪くなりそうだ」
置いていた傘を手に取ると、エレノアは立ち上がった。一歩を確かめるような歩き方で踊るように振り返る。
「簡単に壊れる人の絆など、必要ありませんね。そもそも私から世界に働きかけることはあっても、世界が私に影響を及ぼすことはありません。その観点に立てば人も同じです。顔見知り、赤の他人、殺人鬼、私にはただの人にしか見えませんね」
閉じていた傘を開いて肩に柄の一部を乗せる。
「そうかい。その言葉が本心なら、エレノアと話すのはだいぶ楽になるね。あとで『ウソでした』なんてのはナシだぜ」
「私は人間らしく生きたいだけです。他人の目で狂気の不条理劇に映ったとしても――」
エレノアは踵を返して歩き出した。傘の中の黒い蝶が主を追い掛けるかのように飛び回る。
「僕はエレノアの不条理劇では、どのような配役になっているんだ? ただの顔見知り、それとも殺人鬼なのかい」
エレノアは足を止めた。黒い蝶が飛び回る中、微かな笑い声が聞こえてきた。その表情を見せることなく、濃密な闇へと踏み出した。
「興味深い話をありがとう」
ロベルトは立ち上がると、エレノアとは逆の方向を選んだ。繁みの中で蠢く影を目する度に、美少年ではないのか、と落胆した声で呟いた。
街の時計は午前零時になろうとしていた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月29日
参加申し込みの期限
2014年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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