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爆走する恋心
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七分袖のニットのボーダーシャツに青いチノパン姿で
八神 修
は星ヶ丘の道をゆく。右手は滑車の付いた大型のキャリーケースを引っ張っていた。何かを催促するような愛らしい猫の声が聞こえてくる。
「もう少しだよ。公園に着いたらみんなで思い切り遊ぼう」
修は無邪気な笑顔で後方に声を掛けた。キャリーケースの中から先程よりも元気な猫の声が重なった。
目的地の公園に着いた。遊具は何もない。ベンチも置いていなかった。小さな更地を押しやるかのように緑の芝生が生えている。出入り自由の旨は看板で知らされていた。
「みんな、待たせたね。公園に着いたよ」
修はキャリーケースをバッグの状態にして提げると、更地と芝生の境界の柵を跨いで芝生に入った。
「さあ、出ておいで」
修はケースの側面を開けた。黒、白、斑に灰色の子猫が丸い団子のように次々と転がり出た。その数は七匹にも及び、芝生の上を跳ぶようにして駆け回る。
「みんな、あまりはしゃぐと疲れるよ。時間はたっぷりとあるんだ。ほら、こっちにおいで」
その場にしゃがんだ修が両手を広げた。逸早く黒猫が胸に飛び掛かる。まるで押されたかのように仰向けに倒れた。
「ブラックは勇敢だね」
胸の上に乗った黒猫は青い空に向かって誇らしげに鳴いた。白猫は修の頬に身体を擦り付けてきた。掌で背中を摩ると、甘えた声で鳴く。
「ミルクは甘えん坊だな」
グレーに黒い横線の模様のサバトラは反対側の頬に身体を強く押し付けてきた。
「パトラも可愛いよ。唯一の女の子だから負けてられないよね」
修は余裕の対応を見せた。次第に猫達の動きが激しくなってきた。
「ミストの気紛れは好きだけど、顔の上は歩かないで欲しいな。爪が出て少し痛いよ。お、おい、股間に猫パンチは反則だって」
摘まみ上げると茶色に横線の模様が入った小柄な猫であった。
「タイガ、どうしたんだ? そんなに興奮するなんて忠猫らしくないじゃないか。みんなも少しヘンだし、ちょっと数が多くないか?」
上体を起こした修の表情が一瞬で驚きに変わった。猫の数は七匹を遙かに超えていた。首輪に鈴を付けて走り回る猫に、風雨に晒されたような毛並みの悪い猫までいる。
全ての猫が愛らしい鳴き声を上げて修に突進した。一丸となった体当たりに体勢が崩れて両手を付いた。平らになった背中に次々と猫が飛び乗った。
「な、なんだ、これは」
背中に猫を乗せた状態で顔を上げると、小麦色の毛を弾ませた大型犬まで走っていた。垂れた耳と目には愛嬌がある。芝生を縦横に走って、やはり最後は修に向かってきた。
「どうしてなんだ!」
仰向けに転がされ、犬や猫が一斉に覆い被さる。頭の周りを囲まれ、たくさんの舌が修の顔を無心で舐めた。
そこに高らかな蹄の音が聞こえてきた。激しい身震いで上体を起こし、修は信じられない物を目の当たりにした。
たてがみを靡かせた栗毛の牡馬が柵を軽々と跳び越える。着地と同時に歯茎を剥き出しにして突っ込んできた。犬猫は咄嗟の判断で道を開けた。
「クラブから抜け出してきたのか、ラファール!」
馬の頭に掬い上げられ、束の間、修は宙を飛んだ。首を曲げた状態で芝生に落ちて大の字に寝転がった。呻くような声で俯せになると、またしても大量の猫が背中に乗ってきた。近くにいたハトやカラスまで飛んできて背中の上で揉み合いとなる。
「馬は追い掛けてきた調教師に任せるとして、あのような感じが鳥葬なのか? 意外とほのぼのしているな」
騒動に出くわした月詠は更地に立ち、スケッチブックに状況を素早く描き込んだ。
「もう少し細かく描き込んでみようか」
月詠は修の方に近づいていった。意識が朦朧としたような声を耳が拾う。
「俺はまだ……こんな所で……死ぬわけには、いかない……」
「下は芝生だからね」
月詠は無表情で返した。柵を越えて修の頭の近くに腰を下ろすと、続きを描き始めた。画用紙を走る鉛筆の音に反応して頭が徐々に上がる。
「俺は死ねない……好きな人が、いるんだ、想いを、伝えるまでは……」
「ふむ、興味深い話になってきたね」
月詠はスケッチブックを傍らに置いた。修はぼんやりとした目で言った。
「あおい……あおい……」
「確かに私のキャスケットは青いよ」
口の端で笑ったあと、月詠は両手で自身の髪を束ねて掴んだ。即興で見事なツインテールを作り上げた。
「こんな俺の……姿を見て、助けに、来てくれたのか……」
「そうだよ、修君」
月詠は手の動きで左右の髪を上下に揺らす。修は安らいだ笑みを浮かべた。
「神様に……感謝しないとな……こうして最後に、大好きな人に、会えたんだから……」
「そうだぞー、感謝しろー。私としては神様より魔女が好みだね」
「……魔女だと……俺に、話し掛けているのは……誰なんだ?」
修は強い瞬きを繰り返して身を起こす。背中に乗っていた猫が非難めいた声で鳴いた。
「やあ、お目覚めのようだね」
月詠は無表情で手を上げた。修は目の焦点を合わせると、びくっと瞬時に肩を上げる。
「や、やあ、旅鴉じゃないか……俺はヘンなこと、言ってないよな?」
「修君、私は何も聞いてないよ」
月詠は両手でツインテールを作って明るく返した。目の当たりにした修は、うわー、と両腕で頭を抱えて転げ回る。
月詠はスケッチブックを手に立ち上がる。赤面して転げ回る修に声を掛けた。
「そんなに『あの子』が好きなら告白すればいい。全てを吐き出してしまった方が楽になるよ。結末がどうなるかはわからないけど」
修の動きが横向きでぴたりと止まる。頭を抱えたまま、ぼそりと呟いた。
「……旅鴉は告白とか、どうなんだ?」
「私は自分の恋愛には興味がないな。基本的に傍観者スタイルだよ。面白ければ口は出すけど」
「……そうか」
「その点では八神の告白は面白かったよ」
うわー、と再び転げ回る修を残し、月詠はぶらりと歩き出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月29日
参加申し込みの期限
2014年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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