希望戦士ニャンダム・レクイエム｜リアクション

希望戦士ニャンダム・レクイエム

●共和国軍パイロット　ユウ・ハツシマ

　共和国軍の宇宙戦艦内。ロボット用カタパルト。

「おっちゃん、隊長の二ム・コマンドの改造は終わったー？」

「俺を誰だと思ってるんだ？　無茶苦茶なオーダーだったが、何とか仕上げたぞ」

　整備兵の通称『おっちゃん』に声をかけたのは、ロボットパイロット、ユウ・ハツシマ（初島優）。
　そこにはあちこち継接ぎされた不格好なロボットがあった。
　通常の両腕の方の上に、さらにもう一対の腕が生えた異形のマシンだ。

「宇宙要塞ジーマ・コネ……ここまで来たんだねー……
　だけど隊長も先輩もみんな前回の闘いで死んで、
　この戦艦サラミに残った戦力はこの機体と俺ひとり、かー……」

　ロボットを見上げながらユウは感傷にふける――
　おっちゃんはそんなユウの言葉を静かに、しかし強く訂正した。

「そんなことはないぞ。ジョージ隊長、アベル、コレン、ハリー、ロイス、シュワルツ――
　このニムには彼らが乗っていた機体のパーツが使われておる……
　お前には見た目以上の仲間がついているんじゃ。決して一人ではないぞ」

「そうだね……俺は一人じゃない。よし、じゃあ行ってくるよ、おっちゃん」

<< ユウ・ハツシマ、ニム改、いや、NM-Z（ニムゼット）！　出撃しまーす！ >>

　ユウの乗る機体は、コックピットを撃ち抜かれた隊長のニムコマンドをベースにユウのニムのコックピットや仲間の機体の残骸と武装で再生させ、無理やり稼働できる状態まで持っていった、この隊最後の機体だ。
　複数の機体から集めた装甲やスラスターを各部に増設し、両手だけではなく、肩にも腕を付け、ビームライフルとビームサーベルで武装。無事だったニムコマンドの融合炉だけでなく、ユウのニムから取り出した融合炉も背中に積んで過剰な武装に供給する為のエネルギーを強引に確保した、見た目も中身も歪なマシンである。こんなバランスの悪い機体が長時間の戦闘機動に耐えられないことは、おっちゃんやユウにも分かってはいた。しかし、ここで逃げるわけにもいかなかったのだ。

「この一戦だけでいい、持ってくれよNM-Z！　もう何も恐れるものはない！！
　ここが俺たちの死に場所だ！」