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猫鳴館、G襲来!
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●自治会長の苦悩
「マウルが暴走? 伝承は真実だった?」
玄関先本部で報告を聞いた
邪衣 士
は訝しげにそう繰り返した。
「いったい何が起こってるんだ。訳がわからん。ちょっと見て……」
駆けだそうとした腕を、
海原 茂
に掴まれる。
「落ち着け。君は落ち着いているのが仕事だ」
士は一瞬ためらって、それから肺の中の空気を全部吐きだす。
「……はい」
士には微かな焦りがある。それは今回のゴキブリ騒動に起因するものではなく、自治会長になってからというものずっと抱え込んでいた僅かな黒点。『自分は上手くやれているのだろうか』。自治会長の任期は半年、残り任期が少なくなるにつれ、その思いは徐々に膨らんできている。
「先輩……」
「ん?」
「個人的な事、相談してもいいですか」
「どうした?」
「俺、不安なんです。俺が今までやってきた事は本当に猫鳴館のためになっていたのか、って」
そんなふうに聞いてしまったのは甘えなのかもしれない。
けれど今、士にはそれを吐露することが必要だった。茂は黙って聞いている。
士は寮内のこまごましたことを引き受けてきた。
雑事に書類にため息の山。いったい何度こめかみを押さえたことか。
「俺なりに頑張ってきたつもりです。でも……」
自分がなんの役にも立っていないのなら、……そんなふうに自分で自分を疑ってしまったら、それは辛い。
この不安は、下ろさなければいけない荷物だった。だが、どうしていいかわからなかった。
そしてこんな漠然とした不安を打ち明けられる相手は、前自治会長の茂以外に思いつかなかったのだ。おそらく同じ気苦労をした者として、茂の言葉をいま、士は求めていた。
「……すみません、弱音吐いて」
「いや。気にするな。たしかに自治会長ってのはロクな仕事じゃないよな。苦労ばかり多くて旨味は少ない。少ないどころか全くないと云ってもいい。自治会長になったからって権力みたいなのとは無縁だからな。寮生たちはいつだって勝手気ままだし、自治会長がいようがいまいが知ったこっちゃない……ように見える」
茂はそこまで云って押し黙った。
降って来そうな星たちが、彼の眼鏡に映って光る。
「だが……本当にそうだろうか」
それは、茂自身が何度も自分に問いかけた言葉なのかもしれない。
茂は自分より背の高い後輩の目をまっすぐと見た。
「俺はそうは思わないよ。もし自治会長がいなかったらどうだろう。この館は、こんなに愛され、団結していただろうか。愛すべき変人たちはそれぞれ勝手をして、その心は散り散りになってしまっていたのではないだろうか。確実にひとつ云えるのは――」
その胸にぐっと拳を押し当てる。
「君がいるから今がある、ってことだ」
茂はそういうとふっと表情を緩めた。
「力を抜け。ここは家だ。家でそんなに肩肘張っててどうする。胃を痛めるぞ」
茂が士の胃のあたりを押すと、士はあたた、と眉をしかめる。
「もう痛めてます」
「そうか、悪かったな。まあ、君はどーんと立っていればいいさ。それだけでみんな安心する。それが、自治会長の意味だと、俺は思う」
茂はくつくつと口の中で笑っていた。士は胃を擦りながら、はあっと星空にため息をついた。
「任期を終えて自分が自治会長じゃなくなったその後、俺はどうすればいいんですかね?」
「『君が君でいる』以外のどんな答えがあるのか、俺には想像もつかないな」
「先輩があとの者に何かを託す時はどういう気持ちでしたか?」
「怖いか?」
「怖いです」
「そうだな。先のことは怖い。俺は……まあ、怖くはなかったんだ。まったく俺のあとはいい面子が立候補してくれたよ。何も心配なかったし、『あとは任せた』って気持ちだったさ」
『あとは任せた』。
……口の中で呟いてみて。
あまりにしっくりこなくて笑ってしまった。
「先輩」
「ん?」
「ちょっと抜けてもいいですか」
「どこに行くんだ?」
「俺未熟者なんですかね、どうも人に任せっぱなしに出来ないタチみたいなんで……出来る事、やってきます」
茂は肯定の眼差しで士の肩をぽんと押した。
邪衣らしい、と思ったのだった。
「……茂さん?」
士と入れ替わりに現れた
御巫 時子
は、鳥のちぎりを胸に抱いていた。彼女の後ろには、てば崎はじめ、猫鳴館で飼っている鶏たちが列になっている。
鳥好きな時子は鳥たちが心配になってあたりの様子を見てきたのだ。鶏舎は無事だった。ちぎりも。しかしいつ巻き込まれないとも限らない。そこで<鳥の囀り>を発動し、鳥たちに一時退避を呼びかけたのである。
時子は茂の顔をみて、あら……、と思った。
「どうかしましたか……なんだか、嬉しそうです……」
「いや、なに。相変わらずうちの住人達はいい奴らだ、と思ったのさ」
眼鏡の奥で茂が何を思っているのか、はっきりとは推し量れない。
それでも不機嫌さが拭われて、その顔に笑みが見えたことは嬉しかった。
ふいに、吐く息が白くなったのに気づく。
「……寒い、ですね……?」
空を見上げる。
良く晴れた夏の夜空だったはずが、猫鳴館の真上にだけ重苦しい冬雲が垂れ込めている。
ひらひらと降って来た白いもの。時子は手のひらで受け止める。
「まあ……雪が……」
――士が、<天の救い>で猫鳴館の周りに雪を降らせたのだ。
これにより、寒さに弱いゴキブリたちは、その動きを鈍らせることとなる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月26日
参加申し込みの期限
2014年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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