月夜に囚われし姫君を救え｜リアクション

月夜に囚われし姫君を救え

「そなたたちの事は忘れぬ。みな、ありがとう」
　その言葉を最後に秘術によって寝子島の住人たちを住んでいる場所へと帰す。自分たちしかいなくなった虚空で、ようやく動けるようになった透はそっと白鋼に歩み寄り、深くため息をつく。傍らでは、眠ってしまった銀穣が猫っぽい仕草でごろごろ転がっている。
　ややあって、透の姿がぼやけ、初老の男性へと姿を変えた。どうやら、彼もまた変化した姿だったらしい。
「陛下……」
「……私は、この方々に無礼を働いてしまったが故、何かお詫びがしたい」
　白鋼は気落ちした様子でそういう。透は傍らで未だふにゃふにゃと猫のようによっぱらう銀穣に苦笑しつつも提案する。
「我らが月の都でもてなすのはどうでしょう？　今はちょうど良い気候ですから」
「そうだな。提案してみよう」
　白鋼は笑顔で肯いた。

「あれ？」
　家に戻った刀は、うどんが伸びているのではないか、と不安に思っていた。だが、時計を見れば３、４分ぐらいしか時間は経過していなかったし、うどんも伸びていなかった。しかし、出来た傷や疲労感は確かに残っている。これは一体どういうことだろうか？
　それは、元いた場所に戻った者たちすべてに起こった事であるが、この時点では刀はそれに気づくはずもなかった。だが、喉の渇き、あの戦場の空気、妙な焦り、殴った感触。そのどれもが先ほど戦っていた証拠なのだ。
「……？」
　そして、気が付けばどんぶりの横に一通の手紙が置かれていた。開いてみると、丁寧な文字で今回の一件に対するお詫びと共に、このような事が書かれていた。

『そなた達を、我らが都へ案内したい。お詫びとして是非もてなさせて欲しい』

（終）

おまけ
真央の衣服は、地上にもどってもボロボロのままだった。
「このままでは真央ちゃん、おまわりさんのお世話になっちまうのだ！　急いで帰るのだーっ！！」
　猫たちが不思議そうに見上げる中、真央が頭を抱える。しかし、丁度いい所に此方が通りかかる。彼女は先ほど虚空で戦った彼女を覚えていた。
　此方はとりあえず少ししか身長が変わらない真央を見、服を貸す事ができないか考察する。ややあって彼女は恐る恐る声をかけた。
「よかったら、服……借りる？」
「？！　い、いいのだ？」
　真央が恐る恐る問うと、此方はこくん、と１つ肯いた。
　
おまけその２
　シーサイドタウンに戻ってきたリア充＝スレイヤーは早速シーサイドタウンにてリア充狩りを行っていた……が、そこで出くわしたのは、陽太と武道である。
「……また、やってる？」
「これって……第２ラウンド開始かなぁ～？」
　陽太と武道が僅かな頭痛を覚えながらも呟く。
「ふっ、リア充である事自体が罪なのだ。邪魔させぬ！」

　この後、リア充＝スレイヤーがどうなったかは定かではない。ただ、武道と陽太の疲労が更に酷くなったことは付け加えておこう。

（今度こそ、終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
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菊華です。
今回は菊華としては珍しく『バトル』ジャンルでしたが……なるほど、拳じゃのうて言葉の殴り合いを選んだ方がいましたね。
白鋼を説得するようなアクションがちらほらありました。
実を言うとジャンルが『バトル』なので、説得アクションはこないって思っていたんですよね……。

こっそり説得内容が矛盾していたり、説得になっていなかったりくどかったりすると「まどろっこしい！」と
白鋼が激昂してパワーアップする予定でした。
皆さん、筋が通っているようにおもえ、尚且つ「地球の流儀」について指摘などあり成功しました。
そのためリアクションのとおりです。

結果、ＰＣさん側勝利により『成功』と相成りました。おめでとうございます。
失敗した場合小日向先生は異世界の月に連れて行かれるので、異世界の月での戦闘シナリオとなる予定でした。

今回、本当はこれでおしまいの予定でしたが、説得＋アルファにより白鋼のおわびシナリオが発生します。
異世界の月の都へ遊びに行くという内容です。

それでは、このあたりで。
また縁がありましたらよろしくお願いします。

※白鋼のミスの所為で、数名元にいた場所とは別の場所に転移した人もいるかもしれません。あしからず。

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あとがき

シナリオ

シナリオデータ

シナリオスケジュール

参加キャラクター一覧