うみねこ１日店員求む｜リアクション

うみねこ１日店員求む

●何を手伝おうか

「堅苦しい挨拶はいいよ。仲間になる人はよろしくね！　キミ達、可愛いね。メアド教えて？」
　メアド交換を持ちかける澪に、どうしようと小麗と七星が考えていた時。
「おはようございます。ねこったーを見て手伝いにきました」
　竜也と璃亜、羽衣の３人がやって来た。
「１日店員を募集していると聞いて来たのですが」
「塔ヶ崎、手伝いの前から緊張するな。黒滝竜也です、今日はよろしくお願いします」
「塔ヶ崎璃亜です」
　緊張気味の璃亜に対し、元気良く挨拶をする竜也。
「総悟くんもお手伝いに来たんだね。あたしは鴇波羽衣。皆、よろしくね！」
　クラスメイトが来てくれたので、総悟は嬉しくなった。

　澪と着いたばかりの３人に、総悟は手伝いを募集した事情を話す。
「おじさんとおばさん、大変だったんだねえ。ゆっくりしている間、あたし達が頑張らないと！」
　事情説明が済むと、澪は璃亜と羽衣に「よろしくね！」と挨拶し、メアド交換を持ちかけた。
「あの……そろそろ、誰が何をするか話し合いを……」
　璃亜と苦笑する羽衣に助け舟を出すかのように、総悟が役割分担を決めようと言った。

　１日の段取りを聞いた後、ケンゾウ手書きのうみねこ全メニューのレシピメモを受け取った寝子高生達は何をしようか考える。
　職人気質のケンゾウは細部までメモってくれたが、唯一の欠点は、殴り書きなので読みにくいことだ。
「詳しく書いてあるけど、オッチャンらしい字だなー」
　苦笑してレシピをチェックする宇佐見望月。
「ふむふむぅ……１日のスケジュールはこんな感じなのかぁ」
　小麗は、開店前の買い出しと接客を希望。
「開店に間に合うよう、きちんとメモして買い忘れがないよう気をつけるのだ」
　竜也は食材運びやゴミ捨て、掃除の際、椅子やテーブルを動かす力仕事全般を担当することに。
「重たいものを運ぶこと、掃除は俺がやりますよ。力仕事は任せてください」
　買い出しの量が多い時には、彼の力が役に立つだろう。
「たくさん買う時、竜也を頼りにするのだ」

「あたしは接客を担当するよ！　動き回る方が性に合ってるし」
　掃除も任せて！　と張り切る羽衣。
「私も接客をしますが、手が足りないようでしたら、厨房のほうもお手伝いしますわ」
　うみねこが好きな七星は、一生懸命お手伝いしようと決めた。
「俺様は厨房担当だ。切り盛りは任せろー」
　お好み焼き屋『うさぎ屋』の手伝いをしている望月は、調理担当を希望。
「いろんなアルバイトをやっているので、接客も調理もできます。私も、調理のお手伝いをします。うみねこに来てくれたお客さんのためにも、美味しいお料理、たくさん作りましょう」
「よろしく頼むぜ、璃亜ちゃん。美味いの、たくさん作ろうぜ！」
　望月に肩をポンと叩かれた璃亜は、少しビクッとなった。
「悪い、驚かせたか？」
「少し……驚きました。こちらこそ、よろしくお願いします」

　澪も接客希望だが、人数のバランスを考え調理担当に。
「お昼と１８時過ぎは忙しくなりますので、その時は、神楽坂さんにも接客を手伝ってほしいのですが」
　澪の表情から何かを感じ取った総悟は、忙しい時間帯に手伝ってほしいと頼む。
　夏休みといった休日は手伝っているが、それ以外はハルコひとりで接客をこなしている。
　だからこそ、総悟は接客の苦労が良くわかる。
「キミの気遣いは嬉しいけど料理はできないことはないし、嫌いでもないから。まぁ……作ると決めたからにはしっかりやるよ。バイト代をもらう以上、労力は対価なのだしね」

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