うみねこ１日店員求む｜リアクション

うみねこ１日店員求む

●お疲れ様

　仕入れから帰って来た望月と総悟は、食材を厨房へ運んだ。
「今日の分の仕入れは、こんなものかな？」
「ケンゾウさん、こうなることを予測していたみたいですね。市場の人、すぐ出してくれましたから」
「俺様、今日はうちの店の手伝いがあるから。オッチャンとおばちゃんによろしく言っといてくれ」

　望月が帰った後、起きた綾花は朝食を用意してくれた。
「おはようございます、総悟くん。仕入れ、お疲れ様でした」
「ありがとう、綾辻さん」　
　朝食を済ませた２人は、協力して厨房の清掃を。

　開店２時間前。温泉旅館から魚戸夫妻が帰ってきた。
「帰ったぞ！　坊主、ご苦労だったな」
「総悟くん、ありがとう。あんたのおかげでゆっくりできたよ」
　家に荷物を置くと、夫妻は開店準備に取り掛かる。もう少し休ませたいが、ケンゾウは頑固親父なので言ってもきかず。
「これは何だ？」
「私が試作したものです。食べてみてください」
　あら汁を入れたお椀を、ケンゾウに差し出し味見をお願いする綾花。
「どれ」
　一口啜り、ケンゾウは「美味い」と一言。
「これ、今日の定食に使っていいか？」
「はい」
「美味しいねえ、このあら汁。父ちゃん、これ、今後も出さないかい？」
「言われなくてもそのつもりだ」
　綾花考案のメニューが、ひとつ追加された。

「おかえりなさいませ、ケンゾウ様、ハルコ様」
　昨日に引き続き、手伝いに来た天満七星が挨拶を。
「ごゆっくり休めましたか？」
「ああ。ありがとな、皆。骨休みは終わりだ。仕事だ、母ちゃん！」
「あいよ！」
　魚戸夫妻が戻って来た日も、うみねこには多くの客が訪れ、海鮮かき揚げを注文した。
　総悟と七星、綾花が手伝ってくれたので、夫妻の負担は軽かった。

　夫妻が帰宅した翌日。
　１日店員の役目を終えた寝子高生達は、ケンゾウからバイト代とできたての海鮮かき揚げを受け取った。
　労働の大変さ、喜びを知ったことは、貴重な体験になっただろう。

手伝ってくれた皆さん、本当にお疲れ様でした！
　

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
約１年ぶりにお届けする大衆食堂『うみねこ』のお話、いかがでしたでしょうか？

お店の手伝いをしてくださった皆様、お疲れ様でした。
店内清掃、うみねこのメニューを調理、慌ただしい接客と大変でしたが、皆様、本当に良く頑張ってくださいました。
そのおかげで、滞りなく営業されました。
新装開店のお手伝い同様、全員が寝子高生でしたので、若さ溢れるお店となりました。

お客様として参加された方は、お友達と頼んだメニューを分け合ったり、一口かき揚げを買っていったりでした。
気の合うお友達と食べた料理は、美味しかったことと思います。

一口かき揚げですが、七夕ゆかた祭りで一回きりの使用はもったいないと考え、うみねこの新商品にしました。
これにより、女性客が増えることでしょう。

わずかな夏休みの良い思い出になったことを願い、これにて失礼します。
ありがとうございました。

↑ページトップに戻る