うみねこ１日店員求む｜リアクション

うみねこ１日店員求む

●うみねこの手伝い、再び

　大衆食堂うみねこ手伝い１日目の早朝。
　鳴鏡院総悟は、温泉旅館に向かう魚戸ケンゾウ、ハルコ夫妻を見送りに寝子島駅に来ていた。
「坊主、店のこと任せたぜ」
　電車に乗る前、ケンゾウは総悟に魚戸家とうみねこの鍵を手渡した。
「責任持ってお預かりします」
「何かあったら、旅館に電話するんだよ。いいね？」
　店が気になるのか、電車に乗り込むまでそう言い続けるハルコ。
「お店は僕とお手伝いの人達に任せて、ケンゾウさんとハルコさんは、温泉でゆっくり休んでください」

　２人の見送りを済ませた後、総悟は、うみねこ店内で手伝いに来る人を待つ。
（ねこったーで募集したけど、大丈夫かな……）
　拡散の後『手伝いに行く』と返信があったが、その中の何人が来るのだろう？
　そんな総悟の不安をよそに「渡りに船だぜっ！」とダッシュでうみねこに向かう人物が。
「ねーちゃんの無理難題を聞くより、うみねこの手伝いするっス！」
　一番乗りの宇佐見望月は、うみねこ改装時に修繕を一手に引き受けていた。
「俺様、参上！　改装以上に張り切るぜ！」
　着くなり、勢い良く宣言する望月に驚く総悟。
「おはようございます。宇佐見さん、今回もよろしくお願いします」

　次に来たのは、来る途中で合流し、一緒に来た李小麗と天満七星。
　彼女達も、うみねこ改装時に手伝っていた寝子高生だ。
「おはようございます、鳴鏡院様。お手伝いに参りましたわ」
「しゃおりーもなのだ！」
　呼びかけに応じてくれた３人に、総悟は、手伝い募集の経緯を話した。
「そういうことだったのだ。おじちゃんとおばちゃん、お休み無しだったのだ。お休みしたほうがいいっていう総悟の提案、しゃおりーも賛成なのだ♪」
　小麗の言葉に、望月と七星も賛成する。
「七夕ゆかた祭りの屋台でも、私が休憩を勧めなかったら働きづめでしたわ。夫婦水入らずで、ごゆっくりしてほしいものです」
　屋台の手伝いをしていた七星は、夫妻が過労で倒れないか不安だった。
「その分、私達が一所懸命お店を切り盛り致しましょう。協力は惜しみませんわ」
「俺様も、オッチャンの分までバリバリ働くぜー！」
「しゃおりーもなのだ！」

　手伝いに向かう途中、黒滝竜也は　ゲームセンターのアルバイトで一緒だった塔ヶ崎璃亜に会った。
「塔ヶ崎も、うみねこの手伝いに行くのか？」
「はい。竜也さんもですか？」
「寮生活もタダじゃないから、しっかり働いて稼がないとな」
　困っているクラスメイトである総悟の手助けをしたいと、竜也は手伝いを決めたのだった。
（塔ヶ崎が倒れないか気になるな）
　ゲームセンターでの働きぶりを見ているので、璃亜のことが気になる。
「おはよう。竜也くんも、うみねこのお手伝いに来たんだね。同じクラスの人がいて嬉しいなあ」
　鴇波羽衣は、知り合いがいたので一安心。
「あたし、うみねこに良く食べに来てるから。恩返しのつもりで頑張るぞー！」
「張り切ってるな、鴇波。塔ヶ崎も一緒に頑張ろうな」
「ご夫妻の分まで……私達が頑張らないといけませんね」

　望月達が来た数分後、ねこったーでうみねこの手伝いを知った神楽坂澪が来た。
「寝子高２年の神楽坂澪です。お姉さんをナンパするために来ました！」
　明るい自己紹介と挨拶のついでに、人間正直なのが一番と、そう言っておくことに。
「１日店員を募集した寝子高１年の鳴鏡院総悟です。よろしくお願いします」

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