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◆
図書館の仕事からの帰り道。
雪代 伊織
は、朱染まる道の向こうに、ふと親しい人の姿を見つけた。
一緒に帰りませんか、と誘おうかと思って……迷惑じゃないかという想いが、心をかすめた。
少し迷ってから、やっぱり勇気を出してみることにした。
伊予 祐
は、伊織と会えるのを待っていた。
ふと頭上を見上げれば、空は朱色に染まりつつある。
昼と夜の境目の時間――逢魔時とも呼ばれるこの時間は、魔物に遭遇する、あるいは大きな災禍を被るとも言われる時間らしい。
祐としては、この空は儚くも暖かで好きなのだけれど。
そんな風にしていると、視界の端に伊織の姿が映った。
すぐにでも駆け寄りたくなって、でも落ち着いて自然を装って。
たまたま見かけて気が付いた、という風に歩み寄って――。
二人が口を開いたのは、ほとんど同時。
多分、口にしようとしたのも、同じような言葉。
――。
――。
声にならなかったのも、同じ。
……それに気づくのには、少しかかった。
伊織が困惑した瞳で祐を見ると、懸命に何か言おうとしているのだけれど、声にならない様子。
二人して同じ状態だとわかった途端、困惑は慌てる心に姿を変えた。
どうしようとあわあわしつつ、声が駄目なら文字だったら――と、携帯を取り出す。
慌てているせいで何度か取り落としそうになりながら、文字を打とうとして――何故か打てない。
言いたいことは頭の中にちゃんとあるのに、それが形になってくれない。
そこに文字があったはずなのに、わからない。読めない。認識できない。
携帯を握りしめたまま、思わず涙目になってしまう。
――もし、このまま声も文字も使えなくなってしまったら、どうすればいいんだろう。
大好きな本も読めないし、何よりも――大好きな人達に"ありがとう"が二度と言えない、なんて。
そんなのは、嫌だ。
目の前にいる彼にも、沢山お礼を言いたいことがあったのに。
不安が次々から次へと溢れだして、止まらなくなってくる。
祐は懸命に伝えようとするけど、声にならない。
ままならなさに、だんだんと息苦しささえ感じ始めた。
おかしい、確かに発しているはずなのに!
目の前に不安げな顔をしている伊織が居るのに、安心させられる言葉一つかけられやしない!
――もしこのまま一生、言葉を伝えられないとしたら。
形にできない想いは燻り薄れていって、やがて淡雪のように消えていくのか。
そんなのは、嫌だ! どうすればいい神様!
天を仰ぎ見ても、そこには朱色の空が広がるだけ。
答えを教えてくれる神様なんか、居るはずもない。
ぎりっ、と唇を噛み締めた。
ああ、こうなったら――――。
こうだ。
伊織の赤い両目を、まっすぐに見つめて。
好きです、と囁く声は届かなくてもいい。
一瞬の逡巡を飲み込んで、伊織の手を握って――引き寄せた。
そのまま、小さくて細い身体を抱き締めたら。
もう、言葉は要らない。
体温が、鼓動が、身体を伝わってくる。
彼女の不安を溶かすように、優しく抱きしめていた。
少しだけ驚いた表情を見せたのも、束の間。
伊織の細い腕が、ぎゅっと祐を抱きしめ返した。
――そうしていたのは、どれくらいの間だったろう。
随分と長かったような、ほんの一瞬だったような。
ともかく。
ハッと我に返った時、祐はようやく自分のしていたことに気付いた。
「――はっ、ごめん!」
大慌ててで飛び退く。いつの間にか声が戻ってきているけれど、もうそれを気にするどころじゃない。
いきなり抱きしめたのは、いくらなんでも強引すぎたのではないだろうか。
考え始めたら、どうしようもなく恥ずかしくなってきた。っていうか実は凄い引かれてたりしたらどうしよう。
まともに顔も見れなくなり、顔を覆って悶絶する祐に――
「祐さん」
伊織が言葉をかけた。
「いつも私の手を引いてくれて、ありがとうございます」
朱色に染まる世界の中、彼女の微笑む姿ははとても綺麗で。
恥ずかしさとか色々は、どこかへすっ飛んでいった。
一緒に帰ろう、伝えたかった言葉を今一度言おう。
……告白するのは、またいずれ。
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担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月04日
参加申し込みの期限
2014年09月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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