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◆
夕暮れ時、人のほとんどいない公園。
鞄を横に置き、膝の上に下敷きとプリントを広げ。
津田 亮悟
は、一人ジャングルジムの上に座っていた。
プリントに鉛筆を走らせていた手が、ぴたりと止まった。
眉をひそめ、しかめっ面でプリントを見つめる。
……急にプリントが読めなくなった?
ちっ、と癖で舌打ちを一つ。
目がおかしくなった――と、いうわけではなさそうだ。
そもそも夕暮れで見づらいというのはあるが、周りの見え方は変わっていない。
おもむろに、他のプリントに目を向けると――こっちも読めない。
それだけじゃない。
なんだこれ、とこぼしたはずの声すら出ない。
他の人も声も聞こえなくて、苛立たしげに舌打ちする。
急に静けさで満ちた世界の中で、その音はいやに響いて聞こえた。
……苛立ってても仕方ない。
落ち着くために、ハーモニカでも吹こう。
ポケットから取り出した愛用のハーモニカに、息を吹き込む。
……聞き慣れた音色が、耳に触れた。
――ああ、良かった。
こっちは音がでるようだ。
短めのフレーズを吹くと、それだけで大分落ち着いたような気がする。
小さく息をつくと、不意の静寂を楽しむように瞳を閉じた。
最初こそ焦りもしたが、この静けさは……良い。
うるさい、人の声を聞かずに済む。
……この時間が、ずっと続けばいいのに。
そう思った時だった。
静けさの中に染みこんでいくような、きれいな音色がどこからか聞こえた。
……誰が演奏しているんだろう。
ジャングルジムから飛び降りると、ふらふらと吸い寄せられるように音の方へ……。
◆
音楽会館。
最上 るるか
と
篠崎 響也
は、クラシック同好会の練習をしていた。
珍しく響也と二人きりという状況に、どうしてもテンションの上がってしまうるるか。
「宿題終わった?」
そんな他愛のない話題を投げかけるたびに、
「ああ、なんとか。数学はちょっと抜けてるけど……」
響也はヴァイオリンを弾きながら、ちゃんと返事を返してくれる。
それが嬉しくて、夏休みに体験したことや二学期への抱負だとかを話して、いたら――。
急に、声が消えた。
びっくりして、るるかは口をぱくぱくさせながら取り乱す。
ちゃんと声が聞こえる状況だったら、きっと驚きと戸惑いの声が次から次へと飛び出していたことだろう。
ヴァイオリンを弾いていた響也はるるかの話に耳は傾けていたものの、視線まで向けられていたわけではなく。
突然静かになったるるかに違和感を覚え、演奏する手を止めて彼女を見て――初めて気が付いた。
不自然な状況に眉を曇らせ、どうしたと問いかけようとするも……言葉が出ない。
慌てそうになるが、彼以上に取り乱しているるるかの存在が彼を冷静にしてくれた。
ひとまず落ち着け、と伝えたいけど言葉はない。
そっと肩に手を置いてみる。
るるかの見上げる視線は、まだひどく動揺していて。
どうすればいいんだと困惑しながら、今度は優しく頭を撫でてみる。
だけど、るるかは落ち着かないままで。
綺麗な茶色の瞳には、涙が溜まりつつあって。
今にも泣き出してしまいそうな、寂しげな表情。
そんな顔はさせたくなくて、見たくなくて。
響也は、咄嗟にるるかを抱きしめていた。
後から考えてみると、どうしてこの時こうしたのかはわからないけど――とにかく、彼はそうした。
落ち着け。
大丈夫だ。
俺がいる。
その思いが伝わるように、少し震えているような気がする背中を優しく叩く。
……その気持ちは、ちゃんと伝わってくれたみたいで。
るるかの背中の震えは、次第にひいていった。
落ち着きを取り戻したるるかの胸に、響也が抱きしめてくれたことへの嬉しさが広がっていく。
落ち着かせようとしてくれていたからとはいえ、こんなに積極的な彼は初めて。
二人きりの講堂での、突然の急接近。
心拍数が上がっていく。胸のドキドキが、止まらない。
……抱きしめられて、改めてわかったことが一つ。
響也の手が、大きいということ。
男の人の手、という感じがする。
この手がヴァイオリンを弾いて、綺麗な音を紡ぎ出すのだ。
抱きしめられたまま響也の手をそっと握ると、一本ずつ指をなぞっていく。
慈しむように、愛しむように、優しく。繊細な楽器そのものに、触れるように。
ふと、悪戯心が疼いて。
指の甲に、優しくキスをした。
大胆、だろうか。
でも……響也からハグしてくれるなんて、滅多にないことだし。
潤んだ瞳で彼を見つめながら、三つ編みをほどいてしなだれかかった。
髪をほどくと同時、甘い香水の香りがふわりと広がった。
るるかの一番のお気に入り、ストロベリーの香水。
突然のことに驚く響也。
嬉しいような恥ずかしいような、なんともいえない気持ちがわいてくる。少し、むず痒いような感覚。
しなだれかかってきたるるかを受け止めると、鼻をくすぐる甘い香りに気づく。
……そういえば、彼女からはいつも甘い香りがする。
そう思って、はたと気付く。
いつの間にか、香りと共に、音と共に。
るるかがいるのが、当たり前になっていることに。
そのことが怖いような、嬉しいような。
……自分は、るるかのことをどう思っているのだろう。
落ち着かせるためとはいえ、抱きしめたりもしたし。
考えだすと、自分に対する戸惑いが止まらなくなってくる。
この状況も、嬉しいような、恥ずかしいような。
視線を下ろせば、るるかの潤んだ瞳と重なり合った。
じっと響也の瞳を見つめながら、るるかは神様にお願いする。
勇気をちょうだい、と。
今ならきっと言えるはずだから。
本番は先送りだけど――
――す き。
聞こえないのを承知で、声のない告白をした。
その、直後のことだ。
「ここか……」
ドアの向こうから、誰かの声がした。
言葉が戻った――というか、誰か居る!?
途端に恥ずかしさが溢れかえって、顔を真っ赤にしながらるるかは逃げ出した。
突然の乱入者に目を見開いた響也は、
「だ、だれ――って、お、おい最上!?」
すごい勢いで逃げていくるるかに反応しきれず、呆然と見送った。
乱入者――亮悟はドアの隙間から顔を出し、
「綺麗な音がしたから誰が演奏してるのかと思って……取り込み中、悪かったな」
バツの悪そうな表情で呟くなり、るるかと同じようにすごい勢いで出て行ってしまった。
……そうして、困惑しきった表情の響也だけが残されたのだった。
走りながら、亮悟は少し考える。
……音楽について何もわからないけど、練習したらいつかあんな風に演奏できるのだろうか――と。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月04日
参加申し込みの期限
2014年09月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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