this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
言の葉、消えて
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
18
つぎへ >>
◆
バンドの練習の帰り道、ネコジマスクエア。
キーボードを持ち歩くのにも疲れた
日暮 ねむる
は、ベンチで一休みすることにした。
どっかりと座り込み、キーボードを下ろす。
ふぅ、と息を吐いてキーボードを担いでいた方の肩をぐるぐると回した。
首もぐるぐる回して少々スッキリしたところで、コーヒーブレイクとしゃれこむことにする。
一番手近な所にあった自販機の前に立ち、缶コーヒーを探そうとして――ふと、異変に気付く。
自販機の飲み物が、何かわからないのだ。
ラベルの絵は一応わかるんだけど、商品名が全く読めない。
これじゃあ、どれが自分の飲みたかった缶コーヒーかも判然としない。
おかしな現象に言葉をこぼしかけるが――その言葉さえも、うまくでてこない。
……もしかして、神魂関連の事件だろうか。
言葉が、失われた?
参ったな、と頭をかいて息を吐く。
ねむるのようなもれいびは、この手の事件に耐性がある。
だから、全く焦らないわけではないけど、まだ落ち着いていられる。
だけど、普通の人達ならパニックを起こしてもおかしくない状況だ。
周囲を見回してみると、案の定というべきかちびっこたちが泣きだしていた。
人の声がしない空間に、泣き声はとてもよく響く。
もちろん、親御さんたちは泣き止ませようとしているのだが――こんな状況だ、ただでさえ一苦労なものはますます大変になってしまう。
親御さんたちは、ちびっこたちを安心させる言葉をかけられない。
ちびっこたちは、何故泣いているかを拙いながらですらも説明できない。
……言葉が使えないだけで、こんなにも気持ちは伝えられなくなるのか。
苦い気持ちが胸の中にじわりと広がっていくのを、ねむるは頭を振って吹き飛ばす。
……いや、他にも伝える方法があるはずだ。
目に入ったのは、ベンチに置いたままのキーボード。
そうだ、自分にはこれがある。言葉はダメでも、音楽ならもしかしたら――。
鍵盤を押してみると――音が、鳴った。
……よし。
これでせめて、子供さんだけでも楽しい気持ちにさせてあげれるかもしれない。
◆
居間の床に、ランドセルが一つ。
時々楽しそうに揺れるソレは、
如月 要
が背負ったものだ。
学校から帰宅後、要はいつものようにお絵かきをしていた。
機嫌よく描いている今日の絵は、まだ書き上がってないけれど、きっとお気に入りの一枚になる。
――はず、だった。
姉が、ランドセルに躓いた。
それだけなら、危ないというだけでまだ済んだのかもしれない。
だけど、姉の手の中にはジュースが入ったコップがあって。
躓いた拍子に、要の絵の上に中身がこぼれてしまった。
要の茶色の瞳が、大きく見開かれる。小さな背中が、小刻みに震えだす。
――せっかく、お気に入りの一枚になるはずだったのに。
ふつふつとこみ上げてくる怒り。
慌てた様子でティッシュの箱を取って来た姉に、
「――お姉ちゃんなんか悪い魔女になって退治されちゃえ!!」
叩きつけるように言い捨てると、そのまま姉の言葉も聞かずに駆け出した。
――夕暮れ時のシーサイドタウンを、とぼとぼと泣きべそをかきながら要は歩く。
手には、濡れたお絵かき帳とクレバス。
うつむいて歩きながら、滲んで汚れてしまった絵を眺める。
こみ上げてくる悲しさと悔しさが、要の胸に滲んでいく。
お姉ちゃんのばか、と呟く。
――けど、声が出ない。
もう一度、確かめるように口に出そうとした言葉も出てこなくて。
それに、町中の筈なのに――周りの人たちの声が、しない。
一度異変に気付いてしまうと、今度は恐怖がこみ上げてくる。
悲しさも、悔しさも、怒りも、全て恐怖が塗りつぶしていく。
まるで、黒いクレバスで上からぐちゃぐちゃにしてしまうみたいに。
怖い、誰か。
音を、音のする方に、行かなくちゃ。
微かに聞こえてくる音へすがるような想いで、要はふらふらと歩き出した。
近づいていってやっとわかったのだけれど、その音は要も知っている歌だった。
そうなればもう、後はその歌のもとへ向かうばかりで。
そうしてたどり着いたのは、ネコジマスクエア。
一人のお兄さん――ねむるが、ぎこちなく踊りながら『ニャンパンマンマーチ』を弾いていた。
おどけた笑みを浮かべながら、子供たちを、皆を、笑わせられるように。
その音楽を聴いているうちに、要は姉の優しい顔が思い出す。
……そういえば、躓くすぐ前に姉は自分のことを呼んでいた気がする。
……ということは、あのジュースは要のため?
……躓いたのは、元々はランドセルを背負ったまま床で絵を描いていた自分のせいなのに。
……なのに、酷いことを言ってしまった。
――ごめんなさい、しなきゃ。
近くのベンチに座り込み、お絵かき帳のページをめくる。
濡れていない最後のページを見つけると、温かい色のクレバスを沢山使って姉の姿をもの凄い勢いで描き始めた。
ごめんねと、ありがとうの気持ちを込めて。
お姫様な、お姉ちゃんを。
それに、帰ったら伝えなきゃ。
――お姉ちゃん、大好き――って。
◆
演奏を終え、それっぽいポーズを取って踊りもそれっぽい感じでシメたねむる。
一瞬の静けさの後、彼を包んだのは皆の拍手だった。
お辞儀をしながら見回すと、子どもたちが瞳を輝かせてキーボードを見つめているのに気付く。
にっこりと笑みを浮かべて手招きし、キーボードを触らせてあげることにした。
そうしているうちに、子どもたちが「すごーい」と歓声を上げているのに気付く。
「……お、言葉が出る。案外すぐ元通りになったね」
ほっと息を吐くねむる。
何とか泣き止んでもらうこともできたし、よかった。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
18
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
言の葉、消えて
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月04日
参加申し込みの期限
2014年09月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!