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【らっかみおろし】第1区間:山頂から麓へ
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chapter.3 岩場エリア2
黒猫チーム。
メイド服に派手なスカーフ、そしてキンキラキンの冠というなんとも形容しがたい人形を籠に乗せ、彼らは岩場を走っていた。
「右、左! あ、そこ大きな岩があるよ!」
籠を運ぶ
ピーター・ビアズリー
と
山田 勘三郎
の先導役を務めながら、
十文字 若菜
はその身軽さを充分に発揮していた。
陸上部の経験が活きているのか、そのリードには余裕すら感じられる。
「十文字先輩のリード、助かってるぜ!」
籠の前側を担ぐ勘三郎は、若菜のリードの下慎重、かつ大胆に歩みを進める。それは後ろ側を担ぐピーターもまた同じであった。
「いやあ、さすが若い子は体力があるねえ」
40を越えている彼にとって、その若さについていくことは決して容易なことではない。しかしそれでも殿としての役目をしっかり果たしていた。
……とまあ、ご覧のように最初はいたって順調であった。しかし女体岩の丸みが目立つ地帯に差し掛かると、状況は一変してしまった。
「う……」
勘三郎が、鼻に手を当てる。手のひらには、血がついていた。
——どうしても、目が吸い付いてしまうなぁ。
見ないように、見ないようにとしていても、そこは健全な高校生男子。女体岩の魅力に、彼は視線を逸らせないでいた。そして、鼻血を出していた。
勘三郎はちらりと、前を行く若菜を見た。同じ学校に通うこの先輩は、今チームのために頑張って誘導してくれている。
そんな中鼻血をだらだら垂らしてる自分の姿は、どう映るだろう。
かっこ悪すぎる。勘三郎は思った。
止まれ、鼻血よ止まれと強く願うのだが、意識すればするほど反対に血は流れる一方で、ついには頭がくらくらし始めてしまった。
「うおっ!?」
その時だった。
足下が元々不安定だったこともあり、勘三郎はまるでバナナの皮を踏んだ芸人のようなリアクションで見事にひっくり返ってしまった。
どさ、と大きな音に若菜が振り向く。そこには頭に大きなこぶをつくった勘三郎がいた。転倒の勢いでさらに鼻血が噴出したのか、顔面はホラー映画さながらに真っ赤っかだった。
「え、えええ!? ちょっ、大丈夫!?」
慌てて駆け寄る若菜に、勘三郎は笑って答えてみせた。
「大丈夫大丈夫、このくらいかすり傷、張り切って行くぜ!」
「いや、どう見てもかすり傷以上だよ!?」
若菜がとりあえずと、止血を試みる。
「鼻から血が出てるみたい。じっとしててね」
言うと、彼女は前屈みになり、尻餅をついている勘三郎に顔を近づけた。別になんてことないワンシーンなのだが、年上の女性が心配そうな表情で顔を近づけてくる、それだけで健全な男子高校生はドキドキしてしまうものなのだ。
ましてやこの勘三郎、女の子には滅法弱かった。
「あ……」
若菜が上を向かせようとしたその直後、勘三郎の鼻からはまたもや血がこぼれ始めた。
「ど、どうしよう止まらない……」
うろたえ始める若菜に、優しく声をかけたのは年長者のピーターだった。
「若さ故、かねえ。少し休めばすぐ止まるだろうから、ここは一旦腰を下ろしたらどうかな? 休憩も必要だろうしねえ」
その提案にふたりも頷き、彼らはしばしその場に留まることとなった。当然その間、上位3チームとの差は広がっていく。
レース序盤で逆境に立たされてしまった黒猫チーム。
だが、実は彼らはまだマシな方なのであった。
というのも、現在最下位である虎猫チームがもっと酷い状況に陥っていたからだ。
◇
「利平くん! 利平くんしっかり!!」
岩が密集する地帯で、岩に埋もれるように倒れている
握 利平
の体を、チームメイトの
八城 昌也
は揺り起こそうとしていた。
「う……ここは……あの美乳は……」
「利平くん、美乳なんてここにはないんだ! アレは岩なんだよ!」
「へ、へへ……馬鹿言っちゃいけねえ……俺は確かに……触れたんだ……」
利平が虚ろな瞳で呟く。その意識は、既になくなりかけていた。
「利平くーーーん!!」
腕の中でがくりと首が傾いた利平の姿に、昌也は思わず叫び声を上げた。
「君の頑張りは忘れないよ……! まるで吸い込まれるようにあの岩に向かっていった勇姿は……!」
正直、利平がただの鉱物に興奮して疾走していった時には最初つっこみそうになった昌也だったが、同じ男として、一切の言葉を飲み込んだのだ。
「利平くんはあの岩を見過ぎたからこんなことに……あ、俺はもちろん岩よりも佳奈ちゃんを見ている方が癒やされるけどね!」
さっきまでの悲しみムードはどこへやら、くるりと振り返った昌也は爽やかなスマイルを仲間の
伊藤 佳奈
へと向けた。
「……え、う、うん」
そして、佳奈はだいぶ引いていた。昌也のセリフにも、利平が倒れているこの現状にも。
あたし、入るチーム間違ったんじゃないかなあ。
佳奈は若干冷めた目線で彼らを見つめながら、そんなことを思わずにはいられなかった。
今思えば、利平が自信満々で「岩場は俺に任せろ」と言っていた時点でもっと怪しいと思うべきだったのかもしれない。
話は数分前に遡る。
どこかのアニメで見たことがあるような虎柄のマントを背中に、どこかのスターがつけているようなビラビラを脇に装着した人形が、籠の中で揺れていた。
背中には、利平手作りの大漁旗。ただし旗と言っても画用紙製で、デザインはマンボウというシュールな旗だが。
いや、旗だけでなくこれらすべてのアイテムがもはやシュールだろう。そんなアバンギャルドな人形を仕舞った籠を、利平と昌也が運んでいた。佳奈はその横を併走し、人形が落ちないか見張っている。
女体岩に着くまで、彼ら虎猫チームは他チームと同様のペースで進んでいた。その女体岩ですら、最初は利平は自信満々で先ほどのセリフを口にしていた。
曰く、「寝子島生まれで毎年祭りを見てた俺に隙はねえ。岩の位置も大体把握してるから、このままのペースで激走するぜ!」とのことだった。
「女体岩の誘惑に負けないでくれよ、利平くん?」
「はっ、そんな妄想は中学でとっくに済ませたさ。新たな境地を開きつつある俺には通用しねぇ……」
昌也に軽く釘を刺された時も、利平は確かにそう言っていた。その姿にふたりは頼もしさすら感じていた。
のだが。
「っ! アレは……あの双岩は……!?」
利平は、ある岩を見つけると同時に声を震わせていた。
「大地から立ち上がる緩やかな曲線、固さをまったく感じさせない官能的な質感……そして完璧なシンメトリーのトップに添えられたボッチ……アレは、アレは完全におっぱいじゃねえか!!」
「利平くーーーん!?」
昌也と佳奈の声が重なる。彼は、いともたやすく女体岩の誘惑に負けていた。完敗だ。通用しねぇとか言ったのはどこのどいつだったのだろうか。
「しかもこいつぁ、かなりの美乳さんだ……」
美乳さんだ、じゃない。
彼は今レース中だということを憶えているのだろうか。とてつもなく不安である。
目の前の下り坂の途中にあるふたつの女体岩を見下ろした利平は、ごくりと唾を飲み込んだ。
「この坂を降りるためには、あの美乳を掴まなきゃいけねえ……だがしかし、おっぱい紳士たる俺に、美乳を乱暴に掴むなんて選択肢はねえ……どうする、どうすればいい」
何からつっこんで良いか分からない発言が飛び出した。
おっぱい紳士の意味も分からなければ、岩を掴まなければならないほど急な坂でもない。
あと最後のセリフはきっと、チームメイトの方がよっぽど言いたいセリフだろう。ふたりこそ、まさに「この男どうすればいい」状態なのだ。
しかし利平は、そんなチームメイトたちのやるせない視線をよそに、小考した後にポンと手を叩いた。
どうやら何か思い浮かんだらしい。たぶんろくでもないことだ。
「そうだ、アレしかねえ。あまりの負荷に耐えられず封印した禁断の技だが……今、その封印を解くぜ」
呟いた後、利平は自らの指を天にかざし、シャウトした。
「いくぜっ、封印されし禁断の技……ゴールデン・バイブレーション・フィンガアァァァ!」
説明しよう、ゴールデン・バイブレーション・フィンガーとは曲線を帯びた丘の頂にある突起部分、そこを指で摘まんで移動する技である。ちなみにこの時指に全体重がかかるので、震えが止まらない。
「え、利平くん封印する前そんな技使ってたの……」
「いや、実際使ったことはねえけど」
昌也の素朴な疑問にしれっと答えた利平は、自分が籠を担いでいることも忘れ、岩の突起部分を摘まもうと大きく態勢を変えた。
当然、支えを失った籠は坂を遠慮なく下っていく。
「危ないっ!」
念のため人形を見張っていた佳奈が、咄嗟に籠から飛び出た人形をキャッチしたためどうにか人形の落下は防げた。
「ちょっと利平君、真面目に……」
あわや転落しそうになった人形を抱え口を尖らせる佳奈だったが、利平の意識はもう女体岩の突起にしかいっていない。彼は真剣な表情で、額から流れる汗も気にせず懸命に突起を指で摘まんでいた。あくまで岩の話だ。
しかし実際使ったことがないという経験不足が災いしたのか、指の力に限界が来てしまい、利平はあっけなく力尽き、岩の上をごろごろと転がっていった。
その結果が、冒頭のシーンなのである。
「俺は……紳士だったか……?」
「ああ、利平くんは紳士だったよ!」
昌也がゆっくりと起こしながら答えると、利平は笑った。ちなみに突起部分を震えるほど摘まむことが紳士的かどうかは、甚だ怪しいところである。
ひとつはっきりしていることは、彼ら虎猫チームはこの女体岩エリアで最も時間を食い、4位通過の黒猫チームからもだいぶ離されて現在最下位になっているということだけだった。
第1関門突破時点順位
1位 さび猫
2位 三毛猫
3位 白猫
4位 黒猫
5位 虎猫
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月12日
参加申し込みの期限
2014年09月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月19日 11時00分
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