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ある霧と森と少女と影
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真央は修と手を繋いで、光を辿っていた。途中で出てきた青い影や紫の影には、ジャージの上着を脱いで振り回し、躱して。繋いだ手は何があっても離さない。たとえジャージを取られてしまっても。
それでも途中、うっかり手が離れてしまったが、修が真央の身体を抱えて繋ぎ直してくれたことで、事無きを得る。
「修ちゃん、ごめんなのだっ」
「落ち着いて。2人なら大丈夫だ」
そうして続く光を辿った。
悲鳴に対しては、最初は真央が大声で校歌を歌いながら逃げていた。……のだが、歌い続けるのにも体力がいる。喉が枯れてしまっては、今後の意思の疎通が難しくなるかもしれない。修もそう考えたのだろう、辺りに生えている草を揉んで柔らかくすると、それを真央の耳にそっと入れてくれた。修の知恵から生まれた即席の耳栓である。修自身も、自分の耳に草で作った耳栓を入れて、2人はまた光を辿った。
そうして終着点に辿り着いたとき、そこにはすばると美野梨、海と刀、それから囚われていたらしい少女が1人いた。今は解放されていて、意識もあるようだ。
「刀ちゃんたちもいたのだ!」
耳栓を外して、真央が叫ぶ。悲鳴は聞こえなくなっている。そういえば、霧が晴れたと思った頃から、影たちの存在を見ていない気がする。
「新井、彼女が?」
頷くすばるを確認して、修と真央は少女に近寄る。
「真央ちゃんたちと帰るのだっ」
真央の言葉に、少女は頷くと「ありがとう」と言った。その声は確かに、あの黒い影から聞こえた声の1つだ。細いが強い意志を持って、助けを求めていた声だ。
「私も、あの子も、助けてくれてありがとう」
「あの子……なのだ?」
真央も周りにいた他のみんなも首を傾げる。助けたのは少女1人だけだからだ。
「あの子は囚われていた私の絶望。あの子と私、2人で私だったの」
そうなると、あの黒い影に残っているのは、単調な男の声だけということだ。
「どうすれば、この世界から戻れるんだ?」
修が尋ねると、少女は答える。
「あの石碑を壊すの。まだ黒い影が繋ぎ止められているはずだから、今のうちなら」
「ああ、分かった。行こうか、真央」
少女をすばるたちに任せ、真央は修と一緒に、森の中心である石碑へ向かった。
石碑の傍らには、真央の召喚猫がいた。どうやらずっと黒い影の様子を見ていてくれたようだ。
「ありがとうなのだ」
真央の言葉に満足そうに鳴いて、召喚猫は消えた。
その場にいるのは、石碑に繋ぎ止められた黒い影と、修と、真央だけだ。
あとは少女の言う通りに石碑を壊せば終わる。だが、修にはまだ疑問が残っていた。
「この石碑を壊したらどうなるんだ?」
『消えるだけだ。森も、守(もり)である私も、何もかも。全てが無かったことになる』
そう答える黒い影には、抵抗する様子は見られない。全てを受け入れるつもりのようだ。
真央が懐から取り出したキーホルダーを、黒い影に差し出した。
「この子(キーホルダー)あげるのだ……代わりにあの子を一緒に帰らせてなのだっ」
黒い影は、ただ黙って真央の様子を見ていた。そうして、おもむろに手を伸ばす。
「真央!」
修が慌てて真央を呼ぶ。が、黒い影は真央に手を出すことはなく、大人しくキーホルダーを譲り受けた。
『さあ、遠慮なく壊すがいい』
「この石碑を作ったのは誰だ?」
『私だと、言ったら?』
「お前は何がしたかったんだ?」
『……さあ、な。昔のことすぎて忘れてしまった』
「この森はなんのために作られたんだ?」
なおも修は問い掛ける。しかし、それ以上黒い影が声を発することはなかった。
ただ終わるときを待っている。それはこの森も、守である黒い影も、そしてこの世界も。
「寂しかったのだ?」
真央がぽつりと問い掛けた。
しかし、黒い影は何も言わない。
「修ちゃん」
真央は、修を呼ぶ。
「みんな一緒に、元の世界に帰ろうなのだ」
「……ああ」
修は、ろっこん『分解』で石碑を壊した。
石碑は音ひとつ立てることなく消え、黒い影も悲鳴ひとつ上げることなく消えた。
同じ頃、光を辿って少女の元へ辿り着いていた者たちや、森を彷徨っていた者たちは、みんな光に包まれていた。まるで元の世界に導かれるようにして、それぞれ手を繋いだ友と一緒に、光の中へ溶けていく。
そうして、少女もまた、光の中へ溶けていく。
石碑のあった場所にいる、修と真央もまた。
目を覚ました修がいたのは、以前と同じように自室のベッドの上だった。
消えてしまったあの世界が、記憶からも消えてしまう前に、真央に電話をかける。
「真央、また夢を見たんだ」
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あとがき
担当マスター:
鳴葉ゆらゆ
ファンレターはマスターページから!
シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
鳴葉ゆらゆです。
2度目の霧の森のお話でしたが、いかがだったでしょうか。
助け出した少女も無事に元の世界に戻ることができました。
またいつか、みなさんと再会できたらと思います。
また機会がありましたら、宜しくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鳴葉ゆらゆ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月05日
参加申し込みの期限
2014年09月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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