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ある霧と森と少女と影
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刀と海は、石碑の言葉に従って光を辿っていた。霧の森であることは変わらないので、慎重さは失わずにはやる気持ちを抑えて、である。森に複数体いる影たちが発する悲鳴を聞く時間を少しでも短くしたいので、海のろっこんで加速して。途中で出会った雑魚の影たちからの、腕や触手による物理的な妨害も、海のろっこんで振り払っていく。
「小山内、大丈夫か?」
隣の海に声を掛ける。声を掛けてから、悲鳴で聞こえないことを思い出した。しかし伝わっていたようで、海は刀の手の甲に大丈夫、と指で書いてくれた。
ひとりではないことが、勇気に変わる。刀は海と繋いでいる手をきゅっと握って、海をお姫様抱っこした。この状態でろっこん『加速』を使えば、耳は痛いが、より早く光の終わりへ辿り着ける。それに、雑魚の影たちすら、簡単に撒けるはずだから。
影たちの悲鳴を潜り抜けて、美野梨はすばると一緒に、光を辿って終点へ辿り着いた。悲鳴はすばるのちくわを耳栓代わりにすることでやり過ごした。声は聞こえづらかったが、アイコンタクトと繋いだ手で意思の疎通を図れるから、問題は無い。
もっとも、比較的スムーズに意思の疎通が図れたのは、美野梨を気にかけてくれたすばるのお陰でもある。
今回の光の執着点には石碑は無かった。その代わり、木に両手を掴まれるようにして、1人の少女が囚われているのを発見した。肩あたりまでの黒髪の少女は、眠っているかのように目を閉じている。
美野梨は耳栓を外した。すばるもそれに倣う。途端、うるさい悲鳴が耳を襲った。
そのとき、気配を感じて来た方向に目をやると、手を繋いだ刀と海がいた。
「新井、その子が……?」
少女を指差しながら大きな声で言う刀に、すばるが大きく頷く。
「刀っち、そうみたいだよ」
ゆったりと会話するすばるの隣で、美野梨は少女をどう助けるべきか思案していた。
「どうすればいいのよ……」
「慌てないで神野さん。出来るよ信じて。ボクらは、その為に来たんだよ」
すばるの言葉は全ては聞こえなかった。影たちの悲鳴のせいだ。だが、焦る美野梨を落ち着かせてくれようとしているのは分かる。
すばるが耳栓に使った後の残りのちくわを取り出した。最初に出したときよりも、短くなっている。もしかしてと美野梨が察すると同時に、すばるはちくわから冷凍ビームを出した。ちくわのサイズの関係上、時間がかかりそうだ。だが、時間をかければ少女を解放することはできそうだ。問題は、その間に他の影に襲われない可能性はゼロではないということだ。
すばるは少女解放のため、ろっこんを使用して少女の側にいなければならない。美野梨もすばると手を繋いでいるから同じく。となると、いざというときには……。
少女の側にしゃがんでいる美野梨は、顔を上げて刀と海を見た。
美野梨と目が合って、刀は首を傾げる。何か伝えたいことがあるのかと尋ねようとしたとき、海が刀の手を引いた。振り向けば、いつの間にか、青い影と紫の影が背後にいる。少し距離があるが、腕や触手を伸ばされては、安全とは言い難い。前の方では、すばると美野梨が少女を助けるべく奮闘している。この影たちは、刀がどうにかするしかない。
海を後ろに庇うようにして、影たちと向かい合う。繋いでいない手で木刀を構える。
(小山内は俺が守る。指一本触れさせないからな!)
刀は気合を入れて、影たちを見据える。だが本当は、青い影や紫の影に攻撃したくなかった。なんとなくだが、この影たちが、本体であろう黒い影から聞こえた≪イッショニ、アソボ≫と言っていた声のように感じたからだ。
けれども、もし海に危害が加わりそうであるなら、攻撃したくないと言っている場合ではない。彼女を守ると先程気合を入れたばかりだ。
青い影と紫の影の一部……腕らしきものと触手らしきものがじわじわと伸ばされてくる。
攻撃するしかない。
刀は覚悟を決めた。
そのときだった。ふうっと霧が晴れていった。それに合わせるように、目の前の青い影と紫の影が空気に溶けるように消えていく。勿論、あれほどうるさかった悲鳴も聞こえなくなり、久しぶりの静寂に包まれる。
海に服を引かれて、すばるたちの方を向くと、囚われていた少女が解放されていた。少女を助けることができたようだ。
先程まで眠ったように目を閉じていた少女は、今では目を開けて微笑んでいる。
「助けてくれて、ありがとう」
目印だろう、光を辿って行く途中、うるさいほどの悲鳴が、霧の森中に響き渡っていた。空いている手で片耳を押さえて、智は先輩であるエリカの手をきゅっと握りしめる。
この光を辿った先に何があるのだろう。出口だろうか。それとも、出口ではない何かだろうか。何かが何であるのかは行ってみないことには分からない。
それもまた怖かったが、エリカの手前、怖がるだけの自分ではいたくない。そんな気持ちが智の中には生まれていた。
そんな智とエリカの前に、また紫の影が現れる。今度は1体なんて優しい数ではない。紫の影が2体も、悲鳴を上げながら留まっている。
2人とも空いている手はそれぞれの片耳を塞いでいるから、逃げるしかない。しかし、2体の紫の影を素通りして光を辿り続けるのは難しそうだ。一応、紫の影同士の間は、2人が通れそうである。だが、紫の影がどんな動きをしてくるのかは未知だ。
(手を離しちゃダメだ、離しちゃダメだ……!)
智は、恐怖と悲鳴でうっかり手を離してしまいそうになった。だが、智だけではなく、大事な先輩であるエリカがいるのだ。なんとかその衝動を必死に抑えて、考える。
影を避けて回り道をしてしまうと、辿っていくべき目印……光から離れてしまう。どうすればいいのか、エリカに相談しようと智が口を開いた矢先、突然繋いでいる手を引かれた。
相手は動きの鈍い紫の影。どうにか間を通って行けないものかと思ったのだろう、エリカが2体の紫の影の間へ向かっている。引かれるままに智も走り出す。
「うわああ、先輩危ない!」
走っている2人からすれば、間を抜けるのはほんの一瞬ではある。だが、その一瞬、片側の紫の影が腕ならぬ触手を伸ばして襲ってきた。智ではなく、エリカ目がけて。
智は咄嗟にエリカの前へ出た。影への恐怖はどこへやら、耳を塞いでいた手で、触手をはたき落とし、そのまま間を駆け抜ける。
光を辿って、走って、走って。紫の影の触手が届く範囲よりも遠くまで走って。
ようやく智は足を止めた。念のため周囲を見回すが、影の姿は無い。
「助かっ……た?」
姿が無いだけでなく、いつの間にか影たちの発していた悲鳴も聞こえない。それどころか、森を覆っていた霧も晴れている。
「助かった! 怖かったー!」
安堵の涙が零れ落ちる。手を離しそうになって、まだここが不思議空間であることを思い出した。手はまだ繋いでいたほうがいいだろう。
「先輩のお陰です。ありがとうございましたっ!」
途中何度か恐怖で心が折れそうになった。それが折れずに済んだのは、エリカがいてくれたからに他ならない。
「先輩堂々としててカッコ良かったです……!」
「ふふん。そうだろう? なに、当然だ。お前が無事でよかった」
優しく微笑みかけてくれるエリカに、智は安堵した笑顔を見せた。
「そういえば、名前を聞いていいですか?」
「私は伊勢エリカだ。お前はなんという」
「僕は榛宮智です」
よくよく考えてみれば、今の今まで自己紹介も済ませずにいたことを思い出した。それだけ置かれていた状況に恐怖していたということでもある。
「好きなものはあるのか?」
「音楽が好きで、テナーサックスをよく吹きます」
「ふむ……サックスか……私はチェロを弾いているな。クラシック同好会は知っているか」
「クラシック同好会?……なるほど、僕もお邪魔してみようかな」
「ああ、いつでも来い。それと」
一度言葉を切ったエリカに、智は首を傾げる。
「さっきは助かった。ありがとう」
きっと紫の影の間を通り抜けたときのことだろう。エリカの役に立てたことが嬉しくて、そして照れ臭くて、智は恥ずかしそうに「はい」と答えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鳴葉ゆらゆ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月05日
参加申し込みの期限
2014年09月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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