その霧深き森にはひとつの制約がある。
『絶対に手を離してはいけない』
たとえ霧が深くても。
どんな困難があろうとも。
そうしないと……。
目を開いた先に広がる世界は、霧で覆われていた。
霧の深い森。
記憶違いでなければ、一度ここに来たことがある。
そこまで考えて、
八神 修は、左手で誰かと手を繋いでいることに気が付いた。
置かれている場所も、手を繋いでいるという状況も、同じ。
ただ、違うのは。
最初から、目の前に見た覚えのある石碑が立っていた。
そのとき、霧の中にゆらりと黒が揺らめく。
突如として現れ出たのは、黒い人影のようなものが1体。
『今度はお前もモリに加えてやろう』
【私を探して】
≪ミンナ、ミンナ、イッショニイテ≫
1体の黒い人影からは、3人分の声が聞こえてくる。
低い単調な男の声と、細いが強い意志を持った少女の声と、それから幼い少女の声。
以前、霧の森から出る直前に出会った黒い影だと、確信する。
繋いでいる手を離さぬまま、修は対峙した姿勢を崩さずにさっと石碑に目を走らせた。
「石碑に文字が……? モリノヒトココニツナギトメ……ヒカリソトニタドレバ……」
はっきりと読める部分を、読み上げてみる。
その続きは汚れているのか、一瞥程度では読めそうにない。
【私を助けて】
少女の声に、修は黒い影を見た。
『無駄なことを』
【私は、石碑が導く先にいる】
石碑が導く先ということは、先程読んだ言葉にヒントがあるのだろう。
≪イッショニ、アソボ≫
黒い人影の手が伸びてきて、修たちは後ずさる。
ひとまず、この場所から離れたほうが良さそうだ。
修は手をしっかりと握って、黒い人影から距離を置くようにその場から離れた。
修たちがいなくなって、やがて黒い影は掻き消えた。
見えなくなっただけで、もしかすると石碑のすぐ近くに潜んでいるのかもしれない。
ただそこには、物言わぬ石碑だけが立っていた。
こんにちは、鳴葉ゆらゆです。
よろしくお願いいたします。
【目的】 ①霧深き森から2人1組で手を繋いだまま元の世界に帰る。
②霧深き森に囚われている少女を助ける。
【舞台】 霧の深い森です。
なお、この森に建造物はありません。(イラストはイメージです)
【時間】 常に昼ですが、霧が深いので視界は悪いです。
【概要】 2人1組で、最初から手を繋いだ状態でスタートします。
【注意】 ●スタート地点は、各組ごとに違い、最初からふたりぼっちです。
●手を離すと、足元に黒い穴が出現して落ちてしまい、
森の外へ追放され、2度と森に入ることができなくなります。
また、最後まで描写が無くなります。
●手を繋ぐ相手は、前回手を繋いでいた人とでも、別の人とでも構いません。
●GA以外は鳴葉の判断で手を繋ぐ相手を決めさせていただきます。
手を繋ぐ相手は、同性か異性か分かりません。
NGのみ考慮します。同性NG or 異性NGと書いて下さい。
(補足)・参加者が奇数になった場合は、3人で組ませていただくこともあります。
・NPCと組むことはできません。
・NPCは、NGなどの調整が難しい場合にのみ登場する可能性があります。
【森について】
全体的に霧がかかっています。場所によっては視界が真っ白な所もあります。
道は舗装されていないので、草の生い茂った獣道です。
【影について】
●黒い影
ガイドに出てきた影。1体のみ。中から3人の声が聞こえる。行動範囲は石碑付近。触ることはできない。
●青い影
人の形をした影。複数体いるが、喋らない。行動範囲は森全体。触ることができる。
●紫の影
アメーバ状で、形がない(様々に変化する)影。複数体いるが、喋らない。行動範囲は森全体。触ることができる。
(補足)
・青い影のほうが、紫の影よりも諦めが悪く、また少しだけ俊敏です。
・黒い影・青い影は手を、紫の影は触手を伸ばすなどして、繋いでいる手を離れさせようとしてきます。
・影同士は、色に関係なく、全て情報を共有しています。
【影以外の妨害について】
光を辿る段階になると、青い影・紫の影が耳を塞ぎたくなるような凄まじい悲鳴を上げ始めます。
うっかり手を離してしまわないよう、気を付けてください。
【持ち物について】
日常的に手に入るものなら、1つだけ持っていたことにして構いません。
ただし、携帯の電波はありません。
【アクションについて】
影とのアクションを書かれる際は、必ずどの影に対してのものかを書いてください。
ご参加お待ちしております。