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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~ニャルカトラズの罪人
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【三つの幸運】
すぐにでも鎮圧されるだろうと思われた暴動は、意外にも一進一退。確かに看守たちは屈強、しかし数で勝る囚人たちの勢いは、数人程度が倒されたところで衰えることは無く、両者は半ば拮抗しているようにも見えました。
しかし、そうなると少々都合が悪いのは、
新江 天懸
です。
塀に背を持たれて座り込み、作業場の隅で一休み。つまらなさそうに目の前の乱闘騒ぎを眺める、苦虫を噛み潰したような表情の本心はと言えば、
「ちっ。余計なことを……」
自分がどうしようもないチンピラであると、そんな自覚は、彼自身にもありました。悪い大人たちにそそのかされるまま、ロクでもないことをしてきたのも確かです。首を絞めることとなった女癖の悪さもまた、彼という人間の一側面であると、重々承知ではあるのです。
罪の意識があるのかと聞かれれば、正直に言って、良く分かりません。
ただ……今の天懸にとって、この監獄は必要な居場所なのです。
脱獄結構、やりたいやつはやればいい。成功するのも良し、掴まって痛い目を見るのも悪くは無い……けれど、これほどに大規模な暴動によって、監獄そのものが機能しなくなってしまうのは、都合が悪いのです。
一歩外に出たら、最後。あの男、女を奪われた哀れなあの男は、天懸の急所へと、復讐の刃を深々と突き立てに来るのでしょう。
自由こそが彼の、恐怖の対象。
「……どうするんだ?」
傍らに佇む
斑鳩 遙
が、囚人たちの奮闘を冷静に見つめながら、くいとあごで示します。
監獄全体に響くような、地や空気を震わせるような……軋んだ金属音。この場所へと囚われてから、数えるほどしか聞いたことの無いそれは、ぐるりと囲む塀の中央に鎮座する、巨大な正面ゲートが開いていく音です。
多くの囚人たちにとっては、間近へと迫る自由の訪れを知らせる福音。しかし天懸にとってのそれは、地獄から轟く、ひどく不気味な呼び声に他なりません。
「俺は……いや。あんたは? どうするんだ?」
「ここを出て行くつもりはない」
そっけなく言った遙にしても、今こうして監獄へと囚われている身の上は、決して望まないものではありません。ここに留まることは苦痛ではなく、むしろ、外に出てからの疎ましく虚ろな余生こそ、彼にとって耐え難い痛苦。進んで自らを罰しているほうが、いくらか気は紛れるというもの。
例え幾度の朝を、悪夢で目覚めることになろうとも。
「……ああ。俺もさ。こちとら、死ぬまで牢獄にいてーんだよ」
囚人たちの叫びにうめき、軋むゲートの開放音へ、二人は複雑な想いを抱きながら耳を傾けます。
監獄は、彼らにとって、まだ必要な場所なのです。
額をついとなぞった指先を、そして腕までをも包み込む、蒼穹のように青く輝く拳。
「……ふッ!!」
それを全力で、コンクリートの厚い壁へと叩きつければ。轟音と共に、がらがらと積み上がる瓦礫の山。
ぽっかりと壁に開いた穴を、
如月 庚
と
ジニー・劉
はくぐり抜けます。手首を軽く振ってから、監房棟の内部、左右に広がる通路に鋭く視線を走らせ、
「さて、どっちだ……?」
ひらひらと、彼の肩越しを通り抜けて飛んでいく、一匹の蝶。庚はその導きに従い、左の道を歩き出しました。
しばし進んだところで、鍵のかかった扉。
「頼むぜ、ジニーさん」
「十八番だ、任せとけ」
くわえ煙草から、煙がぷかり。うなずき、ジニーが取り出したのは……いえ。指先から文字通りに飛び出したのは、一本の糸です。彼のろっこんが形作る糸は、硬度や太さも自由自在。針金のように硬く細くすれば、彼の得意なピッキングのための道具にもなるのです。
一時期は商売道具でもあったというその鍵開けの腕で、がちゃりと、さしたる苦労も無く。ジニーは扉を開放して見せました。
扉をくぐり、庚がちらと視線を投げたのは、目の前をひらひら、優雅に飛んでいく蝶の姿。
一匹の可憐な蝶へと転じた、
屋敷野 梢
。彼女の能力を知る者は、この場に庚一人であり、ジニーには身体を透明にする能力、などと、ちょっとした嘘を教えてあったりします。
梢のろっこん、小さな蝶へと変身するその能力があったればこそ。そしてその能力を知る者が他にいないからこそ、彼女は夜毎に監房を抜け出し、監獄内のいたるところを飛び回り、情報を収拾することができたのです。
梢がその過程で目にした場内の構造については、ジニーを通じて別の脱獄組へも伝わり、地図の作成などに大いに役立っていました。
ふいに、足を止めた庚。一歩先を行く蝶が、ぐるぐると円を描くような動きで飛び、庚へと伝えます。
どたどたと、前方の曲がり角の向こうから響く足音。慌しく移動する看守たちは、この機に乗じて脱獄を図ろうとする囚人たちへも、多大な警戒を向けていることでしょう。
咄嗟に二人は、身を隠す場所を探しますが……時既に遅し。目の前には、6~7名ほどの看守たちが、壁となって立ちはだかりました。
「やるしかねぇか……ジニーさん!」
「ちっ、仕方ねえな。ここに来て肉体労働とはね」
言うが早いか、ジニーは指先を翻し、看守たちの足元めがけて鋭く糸を射出すると、絡みついたそれが動きを鈍らせたところへ。蒼く輝く庚の拳が炸裂すれば、瞬く間に一人が地へと沈みます。
庚の能力は、直接的な破壊をもたらす、シンプルな一撃。額の傷をなぞり、宿した光をぶち込めば、それは必倒の拳となるのです。
拳に込めるのは、蒼い衝撃のみならず。そこには、強固な意志がありました。
されるばかりの対応者に甘んじるままに、ここを出て行くことはできません。それだけは、彼には許せないことなのです。
無力化した一人の腰から素早く抜き取ったスタンガンを、庚は看守たちの足元を滑らせ、彼らの後方へと滑らせます。受け取るのは、蝶から元の姿へと転じ、後ろを取った梢です。
振り下ろされる警棒をひらり、華麗に避けつつ、拾い上げたスタンガンを看守へ向け、トリガーを引けば……ばちり、迸る電撃。
「うおー、痛そう! ……痛いのかな?
二人とも、試してみます?」
「遠慮する、ぜッ!」
蒼い拳を突き入れ、更に一人、二人。庚は襲い掛かってくる看守たちを叩き伏せ、
「俺もだ、そういうシュミは無いんでな……おっと、足元注意だぜ?」
ジニーがいつの間にか張り巡らせていた網のような糸に、看守たちは足を取られ、その進行を鈍らせています。
あっという間に数人を黙らせ、頭数は拮抗。すぐにも盛り返し、圧倒し、いざ脱獄を……と。
そう思った、矢先に。しかし、
「ッ!? 痛ったあああ……!」
「屋敷野……!?」
悲鳴に、見れば、続々とやってくる看守たちの増援。背に一撃を受け、うずくまった梢を飲み込むように、塊のような看守たちの絶望的な群れが迫ってくるのが、彼らの目にも入りました。
「くそ。音を聞かれたか……!」
「ちっ……」
ジニーがすかさず、追加の糸を放って結界を張り巡らせるものの。増員された看守たちの圧力は、多勢に無勢。庚の奮闘も追いつかず、次第に彼らは追い詰められていきます。
やがて、振り下ろされる警棒が、庚とジニーの頭部をも捉えると……がくり。膝をついた二人へ目がけ、殺到する看守たち。
三人の命運。その灯火はここに、儚く消え行こうとしていました。
そう。彼女が、たまたま偶然、そこを通りがかるまでは。
「……うわ。これは、マズイ場面に出くわしたかの……?」
看守たちの顔が、唐突に近くの扉から現れた
黒兎 都
を、一斉に振り返ります。
明確に脱獄組へと協力を表明していなかった都は、彼らが事を起こしたタイミングに便乗して逃走を図ったものの、ここまでは仲間たちと出くわすことも無く、一人ぼっちでうろうろ、監房棟内をさまよい歩いていたのでした。
ここに、彼女に取っての幸運が、三つ。
一つは、散々に苦しめられてきた、この監獄からの脱出を図る機会が訪れたこと。一つは、状況は芳しくないにしろ、こうしてここに仲間との出会いが訪れたこと。
もう一つは、
「う、うわぁ!? うち、女子なので! 女子なのでっ! 荒事とかはちょっとー……!」
「お前の相手は、こっちだ……!」
せめて金的の一つも蹴り上げてやろうと身構えた都、彼女へと向かって警棒を振り上げた看守を後ろから殴り倒し、庚が辛くも救ったこと。
重なった三つの小さな偶然、いずれも都にとっては、嬉しいハプニングでした。
発動した、都のろっこん。その効果はといえば、ささやかなもの。でも、
「い、いたたた……って、危ないー!?」
腰をさすりながら、身を起こした梢が見上げた先には、天井。
都のろっこんがばきりと外したのは、小さな留め具の一つに過ぎません。が、天井を破って落下してきたパイプ状の換気ダクトは、監房棟の天井中を這い、連なっていたのです。
轟音が鳴り響き、とっさに身をかわした梢、そして庚やジニーを除いて……ほとんどの看守たちが、その落下に巻き込まれるままに床へと引き倒され、長大なダクトの下敷きになってしまいました。
「……今です、黒うさ先輩! 一緒に、こっちへー!」
「お、おお、きのこに庚くんに……いやぁ、助かった。うちは、こういうのには向かんからのー」
これ幸いと、都は笑い、三人へと同行することにしました。彼らとここで出会うことができたのが、彼女にとっては最大の幸運だったと言えるでしょう。
とはいえ、ダクトはそれほど重たいものではなく、看守たちはすぐにでも息を吹き返すはず。
「おい、急げガキども。ずらかるぜ」
倒れた看守たちを踏み越えていくジニーに続いて、彼らは外を目指して駆け出しました。
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3人まで
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推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月27日
参加申し込みの期限
2014年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月04日 11時00分
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