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桃! 桃! 桃!
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【猫と人とそれから桃】
星ヶ丘の閑静な住宅街に、
オレンジ動物病院
はあった。
白い外壁を際立たせるかのように、庭先には元気よく枝を伸ばすオレンジの木が立っている。
ここの医師、
ジェレミア・ベルトーニ
は、ようやく午前の診療を終えたところだ。
「少し午後までずれこんでしまったな」
午後もしっかりと、訪れる動物たちの診察をするために、今から休憩と昼食をとるのだ。
「さて、と。昼食は何にしようかな……」
うんと伸びをしながら待合室に出てみると、そこにはジェレミアの意表を突くような光景が広がっていた。
思わず口を開けて、ただよう異物を凝視した。
愛らしいと言っても差し支えないような、薄紅色の丸い果実がぽよぽよと室内を浮遊している。
「あー……、そこに浮かんでいる物は何かな」
まさか幻覚を見ているのかと自分の目を疑いつつ、つぶやいた。
「桃に見えますね。……うわあ、桃ですね!」
隣にいた病院のスタッフも、仰天している。
「へえ、やっぱり桃か。さすが、日本は違うな……」
「いや、日本の桃だって、さすがに空は飛びませんよ」
「そうは言っても実際に、浮いているじゃないか。日本では、古に桃から赤子が生まれたという伝説もあるんだろう?」
日本の神秘には驚かされると、感銘を受けているジェレミアの足元を、すいっと愛猫の『すみ』が駆けていった。
まだ仔猫だが、好奇心が旺盛でやんちゃな盛りの、とてもかわいい灰色の猫だ。
「やあ、すみ。見てごらん、桃が遊びに来てくれたんだ」
すみの目が、きらりと光った。
わしっとジェレミアに足をかけたかと思うと、その身体を踏み台にして、果敢に桃へと飛びかかった。
「ああ、すみ!」
ジェレミアはうっとりと、すみの華麗な猫パンチを目で追った。
優美に宙を舞う姿。雄々しいパンチ。胸に愛しさがつのる。
ジェレミアはぎゅっと拳を握りしめて、すみの愛らしさを噛みしめた。
震えがくるほど、すみは可愛い。間違いない、世界一の愛らしさだ。
成長とともに身体能力が増して、動作にキレがでてきたし、迷いなくパンチを繰り出す心根も素敵だった。
高揚した気分で猫を見つめるジェレミアの視線の先で、桃がはじけた。
「――は?」
思わず間の抜けた声が漏れた。それくらい意外だった。
スタッフの悲鳴があがる。
「桃が……っ」
勢いよくはじけた桃の果汁があたりいっぱいに広がって、待合室に甘い匂いが充満した。
みにゃっ! と、抗議の声をあげてこちらを睨むすみの全身も、果汁まみれだ。
「俺のせいにするんじゃないよ……」
いやしかし、その不満げな目つきもかわいい。理不尽な感情も、どんどんぶつけてきてほしい。
ジューシーな桃の香りをまとうすみが、己の前足をぺろぺろ舐めた。
「甘いのか? おいしそうな匂いだな……」
そんな現実逃避も、長くは続かなかった。
「待合室がぁっ」
掃除道具を取りに駆け出したスタッフの声が、ジェレミアを現実に引き戻す。
「ああっ、そうだ、どうするんだ。午後も診察があるのに! 掃除! 掃除とそれと、すみも洗わないと!」
桃の香りで、お腹が鳴った。
しかし昼食どころではない。
昼休みを返上しての掃除に、ジェレミアは必死になった。
ソファに跳ねた桃の香りが、なかなか落ちない――。
「あっ、また!」
スタッフが再び取り乱したような声をあげる。
「え?」
香りを逃がすために開けた窓から外に出たすみが、外で再び桃をはじけさせているのが、ちらりと見えた。
「外も掃除するのか……」
呆然とつぶやきながら、頭の隅で考える。
こりない猫も、またかわいいものだと。
【猫と犬とそれから桃】
大量の桃の果汁とともに、
常闇 月
、
後木 真央
、
桜崎 巴
の三名は、
八神 修
の家にやって来た。
玄関のドアを開けるなり、出迎えに現れた3頭の飼い犬の元気に吠える声がする。
奥からは大勢いる猫たちも姿を現し、突然ただよってきた甘い香りに興味を示しているようだった。
「おっと、こいつはたまげたね」
「皆も桃が好きなのだ~?」
手足を舐めてくる犬や猫に、巴は目を丸くし、真央は両手を広げて歓迎した。
「果汁を流さないと、いつまでも舐められてしまうな。デザートを待つ間、風呂でも入ってきてくれ」
使用人に桃を託し、客人の着替えを用意するようにと、修は指示した。
「ありがたく使わせてもらいます」
「真央ちゃんもー! ね、ね、巴ちゃんもお風呂に行こうなのだっ」
うなずく月と真央に対し、巴はかぶりを振って遠慮した。
「いや、あたしは外の水道で軽く流せば十分さ」
「……うん、そうか? では、桜崎はテラスに案内しよう。タオルはこちらで用意する」
「すまないね、そうさせてもらうよ」
巴の意思に添い、修は巴のぶんのタオルをたくさんテラスに置いた。
移動する巴のあとを、にゃんにゃんと猫たちがついていく。
シャワーを借りた月と真央は、用意された衣服に袖を通して互いを見つめた。
「わおわおなのだ、月ちゃんお似合いなのだ~っ」
「後木さんも、お似合いですよ」
おそろいのエプロンドレスは、月が黒、真央が白だ。
裾にはレースがあしらわれ、のぞく太腿からはかすかにガーターの金具が覗く。
「エプロンもふりふりで、ちょっぴりメイドさんっぽいのだ~」
ウエストの後ろで結んだ、大ぶりのリボンがかわいらしかった。
さっぱりとして髪を拭き、室内へ戻ってきた巴は、そんな二人を見ていささか顔をしかめた。
「まさか、あたしも風呂を借りていたら、あれを着せられていたなんていわないだろうね」
小さな声でそうこぼし、気を取り直して、キッチンへ向かう。
「あっ、巴ちゃん、お料理のお手伝いするのだ? 真央ちゃんも手伝うのだ~♪」
にぎやかな声とともに、真央の姿もキッチンへと消えた。
ほどなくして、四人の囲むテーブルに、桃のデザートがずらりと並んだ。
「新鮮な桃を使用しているから、おいしいだろうな」
「見た目からでも、おいしそうなのが伝わってきます……。これは期待できますね」
表情こそ普段と変わらないものの、月の目はデザートに釘付けだ。
「いっただっきます! なのっだっ!」
「ごちそうになるよ。どれ……」
四人はいっせいにスプーンを持ち、眼前に並ぶ皿に手を伸ばした。
「うまーっ! なの! だ!!」
目を輝かせて天を仰ぐ真央の隣で、月もまた、無言で目を細め、舌鼓をうっていた。
さわやかな桃の甘さと香りが、幾重にも折り重なって月を包み込むようだった。
「喉ごしがよくて、いくらでも食べられそうだね。これはうまい」
「ゼリーもジェラートもたくさんあるから、お土産に持って帰ってくれ」
修にすすめられて、巴はうなった。
「しっかし、こりゃあ至れり尽くせりだね。猫鳴館暮らしの身にはこたえるよ。腑抜けちまいそうだ」
「ジェラートも最高なのだ~っ!」
冷たくとろける桃のジェラートを口にふくんで、頬を押さえ、真央が笑った。
「桃の襲来、まさにミステリーなのだ! だが事件はこれで終わりではなかった、なのだ。今後、第二第三の桃、いやもしかしたら、葡萄? スイカとか? フルーツがわんさか押し寄せて……って、あいたっ!」
ドキュメンタリー番組のナレーションのごとくしゃべり出した真央を、巴が小突いた。
「なぁに馬鹿なこと言ってんだい。そんなこと言って、本当にドリアンでも来られちゃたまんないよ」
「しかし、今回の桃は悪くなかったな。当分、桃には困らなさそうだ」
無言でデザートを食べながら、月もこくこくとうなずいた。
しばらくしてテーブルの上が片付くと、巴は立ち上がって、いとまを告げた。
「ごちそうさん。今日は世話になったね。ま、今後ともよろしくたのむよ」
「巴ちゃん、もう帰るのだ?」
まだまだ遊ぶ気の真央の襟をむんずとつかみ、巴は真央も立ち上がらせた。
「なに言ってんだい。真央も一緒に帰るんだよ!」
「え~っ!」
不満げに頬を膨らませる真央だったが、たっぷりのお土産を受け取ると、へにゃりと相好を崩して、月と修に手を振った。
「ごちそうさま~なのだっ。また寝子島ミステリーレポートごっこしようなのだ~っ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月23日
参加申し込みの期限
2014年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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