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寝子島高校
桃! 桃! 桃!
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【桃! 桃! 桃!】
「なあ、常闇。あれは桃じゃないか?」
「どこですか? ……ああ、桃、ですね。浮いています、ね……」
寝子島高校の校舎裏手で、
八神 修
と
常闇 月
がそろって上空を見上げていた。
夏の空を、つやつやとした桃が漂っている。
「桃の花といえば、春の季語だな。そして、桃の実は、夏の季語だ。そして確かに、今は夏。季節もぴったりの旬の果実だ」
異常事態に直面しても、二人はとくにうろたえる様子もなかった。
修は空飛ぶ桃の写真を撮影しつつ、ねこったーで情報収集を始め、その隣で月は首を伸ばして桃を見つめた。
「この桃は、どこに行くのでしょうか……。本物……、なのでしょうか」
「そうだな、ねこったーにも桃の目撃情報が寄せられている。寝子島のあちこちで、同じような現象が起こっているらしい」
「桃を追いかけましょう……。あ、向こうにもうひとつ、漂っています」
桃を追って学校の裏に広がる雑木林に足を踏み入れると、目に見えて桃との遭遇率がぐっと上がった。
「あちらにも、こっちにも。桃がたくさんあります。こんなに、たくさん……」
桃に意識が釘付けになっている月の様子に気づき、修が尋ねた。
「嬉しそうだな。そんなに桃が好きなのか?」
「果物全般好きですが、桃は見かけることはあっても、食べる機会がなかったです……。野生のベリー類を探すのが、かつての数少ない楽しみでしたね」
「そうか。それならぜひ、食べてみないとな」
「はい」
ぶんぶんと首を縦に振り、月は低いところを飛んでいた桃に手を伸ばした。
「……あっ」
指先が触れたとたんにはじけた桃の果汁が、腕を濡らす。
「潰れてしまいました……。……なんて、甘い香りなのでしょう」
「急に破裂したな。どうなってるんだ?」
修が木の枝を手にして桃をつつくと、また破裂する。
月はうっとりとして息を吸い、濡れた手の平を舐めてみた。
「……まさかこんなに、甘いだなんて。すばらしくおいしい、です……」
陶然とした表情で、月は果汁を舐めていく。
「みずみずしい甘味が、全身に染みわたるよう……。桃は、おいしいですね……」
満足げな吐息をついた月の熱い視線が、木立の合間を行き交う桃にそそがれる。
再びねこったーをチェックしていた修が、どうやら桃には触れるとはじける性質があるようだと、月に語った。
「気に入ったなら、たくさん捕まえようか。しかしこのままだと心許ないな。近所の小売店に一度足を運んで、道具を調達しよう」
修と月は相談をして、タッパーとビニール袋をたっぷり購入し、桃の収穫へと向かった。
同じ頃、猫鳴館でも。
「空飛ぶ桃! まさに
寝子島ミステリーレポート
! ヒャッホーーゥ! なのだー!!」
爛々と目を輝かせて、
後木 真央
が桃を追いかけていた。
陸上部のTシャツに七分丈の黒いジャージを身に纏った真央は、身軽に木立の合間を駆けていく。
「桃ハーント! なのだ~! っとりゃ~!」
木に登り、大口を開けて桃にかぶりついた真央の顔面に、桃の果肉がはじけた。
「なんと! びっくりなのだ! 再チャレーンジ!」
幾度も木によじ登り、幾度も顔を汚しながら、真央はなるべく多くの果肉を味わおうと、口から桃に突っ込んでいく。
皮も気にせずかじりつき、口に飛び込んで来た果汁を味わい、種は地面にそのまま捨てた。
首にかけたタオルで目元を拭ったが、既に全身桃まみれだ。
しかし、まだまだ桃は飛んでいる。
次の桃を目指して、真央は森の奥へと駆けていった。
「おい、真央! ……あーあ、行っちまったよ」
はじける桃と、それを追う真央を見送り、
桜崎 巴
は肩をすくめた。
「珍妙な桃だね。まーた神魂かい。やれやれ……」
真央の食べ散らかした桃から、甘い香りが漂ってくる。
「食費の足しにでもしようかねえ。それにしても、捕まえるなら道具がいるだろうに」
そうつぶやきながら、巴は猫鳴館から、釣りにつかう目の細かい網と、大鍋を持ち出した。
「さてと、真央の奴は……、向こうのにぎやかな方だね」
木々の奥から、「ふい~っ、桃はおいしいのだ~!」と、はしゃぐ声が聞こえてくる。
いくつも食べて人心地がついたところで、真央は修に電話した。
「修ちゃん、空飛ぶ桃がはじけるうまさなのだ! 毎日どんと来いなのだ~!」
ふたつみっつ言葉を交わし、真央は元気にうなずいた。
「わかったのだ! 桃をたくさん捕まえて、合流しようなのだ~っ」
電話を切って、いざ桃を捕まえようとしたのだが、あいにくと真央は手ぶらだ。
「こうなったら、Tシャツを風呂敷代わりにするのだっ」
がばっと威勢良く服を脱ごうとする真央に、追いついた巴の突っ込みが入った。
「なーにやってんだい!」
「巴ちゃん!?」
「シャツじゃなくてこの網を使いな。そっちを持って、二人で挟み込むよ!」
「おー! 巴ちゃん、賢いのだ~っ」
真央と巴は大きな網を広げて、虫取り網のように振りかざし、桃を鍋に放り込もうと試みた。
「いいかい、木の上から狙いを定めて飛びかかるよ!」
「了解なのだっ! とうっ!」
二人はかけ声とともに、軽快な身のこなしで桃に襲いかかった。
ぶわっと広がった網が、包み込むように桃に触れ、――桃はその場でばしゃっとはじけた。
「ちっ、根性のない桃だね!」
網が触れたとたんにはじけてしまうのでは、桃の果汁が集められない。
「よーし、もっと頭を使うよ。網が駄目なら、鍋をどうするか……」
鋭い眼差しで巴が思考を巡らせる。
そこに、修と月が現れて二人にひらひらと手を振った。
修の押す自転車には、購入したタッパーとビニール袋が大量に積まれている。
「真央、桜崎も、協力しよう」
「私が桃を誘導します……」
ここに来る途中、桃は障害物を避けて進む習性があることに気づいたのだと、月は語った。
「私が木々の間に鋼糸を張り巡らせておきますから、皆さんは鋼糸に添って進んだ桃を確保してください……」
「承知したよ。任せておきな!」
「大量確保で桃三昧なのだ~っ!」
月がせっせと鋼糸を張り巡らせている間に、修は真央と巴にタッパーと袋を配った。
「ビニールでかぶせるようにして捕まえれば、破裂しても中身を集められると思うんだ」
「あとは臨機応変に動くことだね。どんどん行こうじゃないか」
やがて月が準備を終えると、四人は意欲満々といった顔をして、タッパーをかざして桃を待ち受けた。
「来たよ!」
「来ましたね……。目論見通りです」
鋼糸を避けようとして下降してきた桃を、巴が機敏な動作でキャッチした。
「よし! どんなもんだい」
「わーっ、巴ちゃん上手なのだ~っ」
「私も捕まえました。……いい香り」
タッパーに桃を封じ込めて、月がとろりと目元をゆるめる。
「あーっ、真央ちゃんが狙っていた桃が逃げていくのだ~っ! そうはいかないのだっ!」
ふわふわと上空に戻っていこうとする桃に、真央はがぶりとかぶりついた。
「逃がすくらいならっ……、食べるのだっ!」
「……私も果肉を食べてみたいです」
顔中べとべとにして笑う真央を羨ましげに見ていた月が、タッパーを置いて同じように漂う桃にかぶりついた。
「はむっ、……うん!」
「月ちゃん、顔が桃ジュースだらけでおそろいなのだ! 桃サイコーなのだっ」
「ええ、最高ですね……」
しみじみとうなずきあう真央と月の足元を抜けてきた桃を、要領よく巴がキャッチする横で、修はというと、穏やかな口調で桃に語りかけていた。
「俺たちは、桃をおいしくたべたい。なぜなら、君たちのことが好きだからだ。ジューシーな果汁を、存分に味わわせてくれないだろうか」
「修は一体、何をしてるんだい」
巴がちらりと横目で見て尋ねた。
「何ってもちろん、頼み事をしてるんだ。俺の気持ちが通じるかもしれないだろう」
桃を褒めそやし、時には下手に出ながら、修は桃を集めていった。
徐々にチームワークを発揮させて、桃はどんどん収穫できた。
「ずいぶん集まったな。今日のデザートはこれで決まりだ」
たっぷんたっぷんと桃の残骸で満たされた大鍋とタッパーを山にして、四人は達成感にひたっていた。
「ここからだと俺の家が近いだろう? 使用人にジェラートとゼリーを作ってもらうつもりなんだが、これからうちに来ないか」
修が誘うと、真央が飛び上がって喜んだ。
「ゼリー!? 真央ちゃん桃ゼリー大好きなのだっ! わああい!」
「ふうん、そりゃあ涼しげでいいね。あたしも手伝うから、作っとくれよ」
「このおいしい桃が、デザートになるんですか……。魅力的ですね……」
四人の気持ちが、ひとつになった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月23日
参加申し込みの期限
2014年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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