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桃! 桃! 桃!
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【鳥? ももんが? いや、桃だ!】
九夜山の麓、緑に囲まれた自然の豊かな場所に、
鴇波 羽衣
の実家はあった。
夏の日差しが窓から差し込み、羽衣の部屋を照らしている。
「え……、え、ええ!?」
何気なくベランダから外にでて、羽衣は息をのんだ。
見慣れたはずの緑に囲まれた風景が、今日はひと味違っている。
「も……、桃だぁ!」
我が物顔で木々の合間を抜けていくのは、まさしく桃だ。
あっちにも桃、こっちにも桃。しかもなぜか、空中を漂っている桃の姿に、羽衣は衝撃を受けた。
「ももも、もも……んが?」
はっとして、羽衣は部屋にとってかえし、クローゼットの奥に眠っていた
着ぐるみ
を取り出した。
羽衣の胸に、使命感が湧き上がる。
どうしても、これを着て空を飛ばないといけないと。
さながら天命を受けたかのように、機敏な動作で羽衣はもふもふのももんがを身に纏った。その瞳に迷いはない。
「えーいっ」
とんとベランダを飛び越えて、羽衣は中空に身を躍らせた。
ろっこん【ういのはごろも】が発動し、両手を広げた羽衣を、空へと浮かび上がらせる。
「うわぁ、近くで見ても、やっぱり桃だね~!」
無邪気に喜ぶ羽衣は、桃ならぬももんがだ。
「こんなにたくさん、桃さんはどうして飛んでるの? 空は楽しい?」
桃は答えてくれないが、羽衣の目には、桃の姿が楽しげに輝いて見えていた。
「ねえ、桃さんはどこに行くの? 今日はいいお天気だから、絶好の飛行日和だよね」
一緒に飛べば、桃の気持ちもわかるだろうか。
笑顔で桃とたわむれる羽衣だったが、自由に飛び回るには、飛び出る木立が邪魔だった。
「ひゃっ」
うっかり桃にぶつかってしまえば、あっけなく桃ははじけてしまう。
「わ、わっ、ごめんね!」
木も多いが、桃も多い。
次から次へと現れる桃と、幾度となく接触しながら、羽衣はぐんぐんと宙を舞う。
「もっと向こうまで行ってみよう! 桃さん、競争だよ~!」
家の周囲を桃の果汁で濡らしながら、羽衣は九夜山の奥へと飛んでいった。
日光に照らされた桃は温かく、そして甘い香りとともに、羽衣を出迎えた。
九夜山は広い。
自然の豊かな九夜山を満喫しようと思ったら、一番のおすすめスポットは展望台だ。
ロープウェイで悠々と上り、眼下に広がる緑と町、その向こうの海を見渡す。
この日も、大好きな九夜山にやって来ていた
日暮 ねむる
の手には、双眼鏡が握られている。
のどかな夏の一日。展望台でゆったりとバードウォッチングなんて最高だ。
「ああ、来たかいがあったよ。鳥はいいなぁ、とても自由で」
羽ばたく鳥、木立で羽根を休ませてさえずる鳥の声、揺れる木々の葉。
自然に囲まれて過ごす時間はゆっくりと流れ、日々の疲れを癒してくれる。
「落ち着くなぁ~。……あれ?」
双眼鏡越しの視界がふっとかげり、ねむるは首を傾げた。
「どうした……んん!? なんだこりゃ!」
ねむるの周囲のみならず、九夜山のいたるところに、桃がふわふわと浮いている。
いつの間に、桃に囲まれていたのだろう。
そもそも、いつの間に、桃は空を飛ぶようになったのだろう。
「うわぁ~、桃源郷みたいだ……、なんて、言ってる場合じゃないか」
ねむるは鳥を見に来たのだ。断じて桃を観測しに来たわけではない。
「邪魔だなぁ」
何気ない素振りで払いのけようとした桃が腕に当たり、そしてはじけた。
「んぎゃっ」
べったりと付着した果汁に、ねむるの喉から奇声があがる。
ふわっと漂うのは、フルーティーな桃の香りだ。
「うわ、甘い匂い……。いや、待て待て、待てよ。と、いうことは……っ」
ねむるの顔から、ざっと血の気がひいた。
周囲に響く、虫の声。そして、天からふりそそぐ暑い日差し。
「それに果物の汁、なんてきた日には……!」
虫だ。腕に付着した果汁めがけて、虫がたかってしまう。
ねむるは虫が、大の苦手だ。
そんな恐怖体験はまっぴらごめんだと言わんばかりに、ねむるはロープウェイの駅を目指して一心不乱に歩き出した。
「戻れば、ロープウェイに乗れさえすれば、大丈夫だ……っ」
しかし、楽しい気分で歩いた道のりも、桃に阻まれながらでは思うようには進まない。
「桃め! こっちに来るなよ、ええい、どけ!」
進行方向にある桃は、手持ちのペイント銃で撃っていく。
弾が当たるたび、桃がべちゃっとはじけて飛んだ。
先々の桃まで手当たり次第に撃っていくと――、出た。
「うわわ!」
ぶーんと大きな黒い得体の知れない虫が飛んできて、桃の果肉にぴたりと止まった。
ちょうど、ねむるの足元だ。虫が、こちらを見たような気がした。
「だあぁっ!」
駅はもう少しだけ先だ。それはわかっている。わかっているのだが、ねむるにはこの虫を乗り越えるだけの勇気がなかった。
「迂回だ! 撤退だ!」
きびすを返して、ねむるは走り出す。
そうして振り向いた先で、桃と正面衝突をし、頭から果汁をかぶった。
既に、頭の中では、『果汁=虫』という図式ができあがってしまっている。
ますますパニックに陥って、桃のひしめく中をねむるは駆けた。
「来るな! 来るな、来るなあぁっ……」
もうこうなったら、自力で山を下りるしかないかと思った矢先、ねむるは桃を踏んで足をすべらせた。
「ぎゃっ」
木につかまろうとして伸ばした腕が桃をはじき、タイミングよく飛び出してきた虫が視界をよぎる。
「うわっぷ! っと、とと、うわぁ……っ!」
バランスを崩して山を転げ落ちたねむるは、したたかに背中を木立にぶつけた。
「いた……、いたたっ」
慌てて起き上がろうとしたが、どうやら足をくじいたようだ。
「それに、ペイント銃も……。どこにいったんだ」
冷や汗が垂れて、喉が鳴る。
恐ろしいことに、汗まで果汁の匂いがする。
「だめだ、こうしちゃいられない。まずは果汁を洗い流さないと……」
ありがたいことに、茂みの向こうから川のせせらぎの音がする。
よろよろと木につかまりながら進むと、そこには名も知れぬ小川があった。
「たす……かった……」
ほっとして膝をつき、ねむるは川に飛び込んだ。
澄んだ水が、甘い果汁を流してくれる。
「これでやっと……」
ほっと警戒を解いたとき。
川の上流から、ずんどこずんどこと、桃の集団が流れてきた。
「そんな……、まさか――!」
川べりに尻もちをついて、ねむるは倒れた。
さわやかな風が、濡れた髪を揺らしている。
空はよく晴れ、周囲にはみずみずしい桃の香り。
そして空には、なつかしい鳥の姿。そして、桃の姿。さらには、両手を広げた飛行物体。
意識を手放しながら、ねむるはつぶやいた。
「ああ、鳥が空を飛んでいる……。いや、あれは――、ももんが…………」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月23日
参加申し込みの期限
2014年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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