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灯篭流しの夜は更けて
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「灯篭を流すのは初めてでね。少々緊張するな」
「大丈夫ですよ、樹雨さん。気持ちを込めて流せばいいんです」
神嶋 綾瀬
と
樹雨 蓮太朗
は、人ごみの中を連れ立って歩いていた。
「この人ごみの中だとはぐれそうだね。手を繋ごうか」
「手、ですか……ええと、その……」
「はは、ごめんごめん。小さい子じゃないものね。足元には気をつけて」
蓮太朗は余裕のある態度であっさりと引き下がった。大人だなあ、と綾瀬は思う。そして、少し鈍感だ。
「悪いね、いつも店の方を手伝ってもらって」
「いえ、いいんですよ。樹雨さんは本当に音楽が好きですから。仕事するときの樹雨さんは、とても生き生きしていますよ」
日もとっぷりと暮れ、気温が下がり始めた。流れる灯篭の群れを見ていると、感傷的な気分になるのはみな同じだろう。
「……僕は今、幸せなのだろうね。夢を叶えられたのだから」
ぽつり、と蓮太朗は言った。綾瀬は蓮太朗の横顔を見る。
「……でも、綾お嬢さんは、それでいいのかい?」
綾瀬は、蓮太朗の言葉にはっとした。高校生の時に諦めた、フルート奏者への道。未練が全くないかといえば嘘になる。でも―――
「私は、もういいんです。今の生活もありますから……」
話しながら、綾瀬はふと右足に違和感を覚えた。まずい、下駄の鼻緒が切れてしまった―――。蓮太朗は、ちょうど立ち止まって灯篭を眺めている。迷惑はかけられないから、気づかれないうちに素早く下駄を脱いで、巾着にしまおう。
綾瀬が平静を装って歩き出そうとした瞬間だった。蓮太朗が軽くため息をつくのが聞こえた。
「相変わらず、こういうことは口にしないんだね」
「き、気づいてたんですか……」
「流石にそこまで鈍くはないさ。そのまま歩かせるわけにはいかないな。ほら」
蓮太朗は綾瀬に背を向け、身をかがめた。
「おんぶ……ですか……?」
綾瀬は躊躇した。本当のことを言えば、是非ともその言葉には甘えたい。でも、周囲の目が気になる……。
「さ、立ち止まってると邪魔になるよ」
「……お願い、します……」
大人の女性一人を背負っても、蓮太朗の足取りはしっかりしていた。
「ごめんなさい、樹雨さん……」
「気にしなくていいよ。普段から世話になってるし」
「そんなことなさらなくても……私が店を手伝っているのは……」
「え、何か言ったかい?」
「いえ、なんでもないです……」
蓮太朗におぶわれて数分ほど歩いただろうか。
「おや、アンタ下駄の鼻緒切れちゃったのかい?」
二人はスタッフの女性に話しかけられた。20代後半くらいか。元気の良さそうな人である。
「修理したげるから、運営のテントに来なね」
「ありがとうございます!」
二人は思わぬ親切に感謝する。
女性は
宇佐見 満月
と名乗った。鼻緒を直してもらっている間、三人は運営のテントでしばし言葉を交わす。
「お好み焼屋の『うさぎ屋』って知ってるかい? あたしがそこの店主さね」
「ええ、知っています。私はCD屋を経営してるんですよ」
「宇佐見さんは、毎年スタッフをしているんですか?」
綾瀬は満月に聞く。
「ああ、そうだよ。なるべく島の風習に従って、いろんな人に話しかけてるんさね。あたしのところの仏さんは寂しがりだから、いっぱい話さないといつまでも帰らないと思うんさぁ……」
「仏さん、というと……」
「ああ、ウチかい」
満月は、蓮太朗の問いに答えた。
「両親と兄貴さ。特に―――兄貴は未練タラタラだろうね。一人娘を置いてっちゃったんだから」
満月が笑う。その調子は少し物寂しげでもあった。
「ウチの兄貴、ドが二つつくくらい親バカで、『娘を嫁に出すときは、僕を倒せるくらいの人がいい!』なんて真面目に言ってたくらいさ。だから」
満月は言葉を切った。
「この行事は、毎年あたしだけが出ることにしてるんさ。愚弟と姪っ子を連れてきちまったら、もうそれだけで帰ってくれないだろうから、ね」
満月の話を聞いて、綾瀬は思う。灯篭流しは死者を送る行事だ。やはり、少なからぬ人が思い入れを持っているのだろう。
「さて、アンタたち灯篭はまだ流してないのかい? 下駄も直ったみたいだし、灯篭受け取っていきな!」
満月に見送られ、綾瀬と蓮太朗は1つずつ灯篭を抱え、川辺へと向かっていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
三城 俊一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月29日
参加申し込みの期限
2014年08月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年08月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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