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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【ネコミケ】行かねば。フツウに大変なネコミケ＠１日目！
◆
――サークルの撤収が始まる時間帯、「初夢工房」のブース。、
「な、なんとか完売した……途中凪がどっか行った時にはもうだめかと思ったぜ」
すっからかんになったダンボール箱の中を眺め、くたびれた様子の黒子が大きく息を吐いた。
その隣では、白虎が頭を抱えて打ちひしがれている。
「結局、クロに負けた……」
売り子としての売上数は、残念ながら黒子の方が上だった。
「だぁー！ 胸か！ 胸なの！！！？」
天を仰いで叫ぶ白虎。これもまた、ちっぱい故の悲しみか。
そんな二人の元へ、
「お疲れ様。二人とも」
凪が買ったばかりのお茶を持ってきて、ねぎらいの言葉を口にした。
「おー、さんきゅー凪」
「ありがと、凪」
一気に半分ほど飲み干して、黒子が再び大きく息をつく。
その眼差しが、ふと懐かしいものを見るようなものへと変わる。
「にしても、こうして三人で集まってると二年前に俺が入院する前までを思い出すよな。即席チームのバンドにネコミケ……三人でいつも一緒だったな」
黒子の言葉に、白虎と凪の顔にも懐旧の色が浮かぶ。懐かしい、親友三人組の日々。
「フン、そういえばそんな事もあったわよね。………まあ、あの頃が一番充実していたのは確かね」
「……フフッ、いつぞやの勉強会はクロちゃん、無理やり誘った形だもんね。そうじゃなくて、三人でこうして何かするのは……本当に久しぶりだわ」
凪が黒子の顔を見つめ、おだやかな笑みをこぼした。
「……本当に治ってよかったわ……また三人でやれる日が来れて」
黒子が照れくさそうに、少し赤くなった頬をかく。
「もうあの頃には戻れねぇけど……また三人で色々やりてぇし……これからもよろしくな、凪、シロ」
ニイッ、と白虎がそんな二人を見て口角を上げる。
「そうね、また何かあればその時は……絶対勝つんだから！」
まだ、片付けなんかもあるけれど。
ひとまず、今日の所は新刊１０冊×２００部完売――お疲れ様でした。
◇
そんな三人のやりとりを、遠巻きに眺める男が一人。
竜司である。
「……うん、凪さん達は仲睦まじそうだし。紳士は一人で華麗に去るぜ！」
決して撤収作業をサボるつもりなわけではない。
だって今あそこに出ててったら、確実にあの仲睦まじい雰囲気壊しちゃうし。
フェードアウトを決め込んだ竜司の肩を、進撃の魚人コスのスタッフ――柳司が掴んだ。
「ネコミケスタッフの方じゃないですか、どうしたんですか？」
「『女性用のパンツとブラジャーを押し付ける変態』が居るって情報があって。目撃者の証言した人にそっくりなもんで――ちょっと、本部でお話を聞かせてもらえますか」
「えっ――」
気が付くと、反対側にもう一人スタッフが居た。
両腕を掴まれて、ずるずると引きずられていく。
「ど、どいひー！？」
竜司の叫びが、終わりを迎えた１日目の戦場に木霊した。
◆
ぺらり、ぺらり。
紙をめくる、軽い音が響く。
それから、どこか怪しげな笑い声。
場合によってはどこかホラーめいた雰囲気のその音と声の正体は、和菓子屋「萩屋」店主、矢萩 秋だった。
出店を任せた副店長からのブツ――愛しの妹、咲の写真を眺めていたのである。
「咲ちゃんったら、こんなに恥ずかしがっちゃって♪」
写真の中に切り取られた咲の可愛らしい姿に、顔がほころぶ。
出来ることなら、生で見たかったのだけれども。
しかし、ただでさえ出店で人が減ってるところを、店主が放り出していけるわけもなく。
そこでネコミケ行きを熱望した副店長に、隠し撮りの任務を与えたのだった。
まあ、バレて説教されたし大半はボッシュートされたのだが。
唯一バレなかった一台で、ほんのちょっとだけ撮れていたのは僥倖だった。
それにしても。
こんな隠し撮りができたのも、ネコミケの慌ただしさあってこそ。
――ネコミケ、バンザイ。
――サークルの撤収が始まる時間帯、「初夢工房」のブース。、
「な、なんとか完売した……途中凪がどっか行った時にはもうだめかと思ったぜ」
すっからかんになったダンボール箱の中を眺め、くたびれた様子の黒子が大きく息を吐いた。
その隣では、白虎が頭を抱えて打ちひしがれている。
「結局、クロに負けた……」
売り子としての売上数は、残念ながら黒子の方が上だった。
「だぁー！ 胸か！ 胸なの！！！？」
天を仰いで叫ぶ白虎。これもまた、ちっぱい故の悲しみか。
そんな二人の元へ、
「お疲れ様。二人とも」
凪が買ったばかりのお茶を持ってきて、ねぎらいの言葉を口にした。
「おー、さんきゅー凪」
「ありがと、凪」
一気に半分ほど飲み干して、黒子が再び大きく息をつく。
その眼差しが、ふと懐かしいものを見るようなものへと変わる。
「にしても、こうして三人で集まってると二年前に俺が入院する前までを思い出すよな。即席チームのバンドにネコミケ……三人でいつも一緒だったな」
黒子の言葉に、白虎と凪の顔にも懐旧の色が浮かぶ。懐かしい、親友三人組の日々。
「フン、そういえばそんな事もあったわよね。………まあ、あの頃が一番充実していたのは確かね」
「……フフッ、いつぞやの勉強会はクロちゃん、無理やり誘った形だもんね。そうじゃなくて、三人でこうして何かするのは……本当に久しぶりだわ」
凪が黒子の顔を見つめ、おだやかな笑みをこぼした。
「……本当に治ってよかったわ……また三人でやれる日が来れて」
黒子が照れくさそうに、少し赤くなった頬をかく。
「もうあの頃には戻れねぇけど……また三人で色々やりてぇし……これからもよろしくな、凪、シロ」
ニイッ、と白虎がそんな二人を見て口角を上げる。
「そうね、また何かあればその時は……絶対勝つんだから！」
まだ、片付けなんかもあるけれど。
ひとまず、今日の所は新刊１０冊×２００部完売――お疲れ様でした。
◇
そんな三人のやりとりを、遠巻きに眺める男が一人。
竜司である。
「……うん、凪さん達は仲睦まじそうだし。紳士は一人で華麗に去るぜ！」
決して撤収作業をサボるつもりなわけではない。
だって今あそこに出ててったら、確実にあの仲睦まじい雰囲気壊しちゃうし。
フェードアウトを決め込んだ竜司の肩を、進撃の魚人コスのスタッフ――柳司が掴んだ。
「ネコミケスタッフの方じゃないですか、どうしたんですか？」
「『女性用のパンツとブラジャーを押し付ける変態』が居るって情報があって。目撃者の証言した人にそっくりなもんで――ちょっと、本部でお話を聞かせてもらえますか」
「えっ――」
気が付くと、反対側にもう一人スタッフが居た。
両腕を掴まれて、ずるずると引きずられていく。
「ど、どいひー！？」
竜司の叫びが、終わりを迎えた１日目の戦場に木霊した。
◆
ぺらり、ぺらり。
紙をめくる、軽い音が響く。
それから、どこか怪しげな笑い声。
場合によってはどこかホラーめいた雰囲気のその音と声の正体は、和菓子屋「萩屋」店主、矢萩 秋だった。
出店を任せた副店長からのブツ――愛しの妹、咲の写真を眺めていたのである。
「咲ちゃんったら、こんなに恥ずかしがっちゃって♪」
写真の中に切り取られた咲の可愛らしい姿に、顔がほころぶ。
出来ることなら、生で見たかったのだけれども。
しかし、ただでさえ出店で人が減ってるところを、店主が放り出していけるわけもなく。
そこでネコミケ行きを熱望した副店長に、隠し撮りの任務を与えたのだった。
まあ、バレて説教されたし大半はボッシュートされたのだが。
唯一バレなかった一台で、ほんのちょっとだけ撮れていたのは僥倖だった。
それにしても。
こんな隠し撮りができたのも、ネコミケの慌ただしさあってこそ。
――ネコミケ、バンザイ。
あとがき
担当マスター：
風雅宿
ファンレターはマスターページから！
はい、ネコミケ１日目は如何でしたでしょうか！
初めてのシルバーシナリオということもありまして、イラストの使い方や普段より多い字数にてんてこ舞いになりながらのリアクション執筆でした。
ですが、皆さんに楽しんでいただけたなら幸いです。
サークル参加の方で、リアクション内で頒布物の紹介をしているところとしていないところがありますが、
これについては紹介するアクションがあったかどうか、全年齢のゲームではっきり触れていい内容かどうか等の基準である程度の線引きをしています。
どうぞご了承頂ければと……。
さてさて、それでは失礼致します。
そういえばフツウじゃない方はどうなってるんでしょうね！
初めてのシルバーシナリオということもありまして、イラストの使い方や普段より多い字数にてんてこ舞いになりながらのリアクション執筆でした。
ですが、皆さんに楽しんでいただけたなら幸いです。
サークル参加の方で、リアクション内で頒布物の紹介をしているところとしていないところがありますが、
これについては紹介するアクションがあったかどうか、全年齢のゲームではっきり触れていい内容かどうか等の基準である程度の線引きをしています。
どうぞご了承頂ければと……。
さてさて、それでは失礼致します。
そういえばフツウじゃない方はどうなってるんでしょうね！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年07月26日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年08月02日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年08月02日 11時00分
