【ネコミケ】行かねば。フツウに大変なネコミケ＠１日目！｜リアクション

【ネコミケ】行かねば。フツウに大変なネコミケ＠１日目！

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思う存分コスプレ広場でうんちくを披露した海斗は、甘いモノを求めて出店へと向かっていた。
憲兵っぽく、こつこつと足音を鳴らしながら。
普通ならうるさいところだが、ネコミケでコスプレとなれば話は別。
憲兵コスと合わせて視線を惹けば、やはり憲兵らしく敬礼で返してみたり。
そんな風にしている道すがら、見知った顔を海斗は見かけた。
ファンシーな衣装に身を包んだ、瓢である。
「骨削さん、どうもだっちゃー」
「鈴野はん、こんなとこで会うたぁ奇遇だねぃ」
「んだんだ。お知り合いとコスプレだべ？」
隣に居る、同系統で色や袖の有無が異なる衣装のひびきへと視線を向ける。
「これから瓢さんとライブやるんだ！」
しっかりライブ衣装に変わっているはやぶさを抱きしめ、ひびきが笑う。
「ライブだべか。がんばってくれっちゃ」
「精々場を盛り上げさせてもらうよぃ。鈴野はんは何のコスプレなんだぃ？」
すると、海斗はおもむろに踵を合わせる。
かつ、という音が響き、それに合わせてぴっと敬礼。
「東北憲兵隊司令部憲兵少尉、鈴野海斗であります！　なんちって」
「かっこいいー！」
「憲兵さんたぁ渋いですなぁ」
「甘いもの探して会場ぶらぶらしとる憲兵さんなんて、怖くもなんともねえけんどもな」
海斗はむしろ、自分の服よりも二人の服のほうがよく似合っていると続けた。
「オラのは陸軍さんの軍服であんま飾り気ねえべし、憲兵さんだからこの憲兵って書かれた腕章付けねといけんから」
腕章を、くいっと引っ張ってみせる。
「今風にかっこいいってほどでもねえけんど、そっちは色取り取りで今風でいいかんじにめんこいっちゃ」
「ありがとー、でも憲兵さんの服も格好いいと思うよっ！」
はやぶさを抱きしめたまま、ひびきがぐっと親指を立ててウィンク。
「様になっとりますしなぁ。あっしみたいなのは、しょっぴかれないように気をつけないとだねぇ」
瓢も、くっくとどこか悪役めいた笑いをこぼす。
「っと、そろそろ行かないとだよ瓢さん！」
時計を確認して、少し慌てた様子でひびきが言う。
「おおっと、では行こうかい。それじゃ鈴野はん、失礼するよぃ」
「見れそうなら、出店の方から覗いてみるっちゃー」

二人と別れ、海斗は出店ブースへと足を踏み入れる。
「……ふむ、フルーツたっぷりドリンク。喉も渇いたべ、まずはここにするっちゃ」
とりあえず、最初は「bonheur」に入ることにした。
メイドと憲兵の組み合わせに、撮影希望者がちらほら現れたとかなんとか。

◇
ライブステージ。
瓢とひびきの二人が、キュアキュアな衣装で舞台上へと上がる。
「皆ーっ、私達のライブ楽しんでいってねーっ！」
「さぁて、一曲目いくよぃ！」

ひびきのキーボードと、瓢の三味線。
一言で言ってしまえば珍奇なそのデュエットの音色は、しかしその不可思議な化学反応によって人目を惹きつけた。
充分に場が温まり、注目を惹きつけたらなら、
「メドレーいっくよーっ！」
今度は「ももシロ」の明るい歌をメドレーで弾き歌い、更に場を盛り上げていく。
ひびきはステッキを踊るようにくるくる回し、瓢は三味線を弾きながら、時折曲の盛り上がりに合わせて飛んだり跳ねたりの大立ち回り。
勿論、はやぶさも一緒。
高く高く、ペガサスらしく空を舞う。
メドレーが終わる頃には、観客席は大盛り上がりの渦の中にあった。
「皆ーっ、楽しんでくれたかなーっ？」
ひびきが観客席に問いかければ、返ってくるのは肯定の歓声。
初めてのライブとしては、大成功だろう。
「グッズも売ってるから、そっちもヨロシクねっ☆」
宣伝も忘れずに。