【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！｜リアクション

【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！

<７>

　白い仮面を被った金髪の男――八十八旗信彦が大きく出た。
　彼は東の青龍に光線を浴びせられてから、胸の高鳴りを抑えられずにいた。
「これは、まさに恋だね！　戦いながら口説いて、吊り橋効果でオトしてみせる！」

「そうすれば誰も傷付かないし、悲しまない。『戦いとは常に二手三手先を読んで行うものだ』……。平和的解決を見通してこそ、だね！」
　八十八旗はニャンダムの『紅い流星』の異名を持つキャラになりきっているのだ。
「ニャンダムは人気っぽいということだけは知ってるよ。このキャラもなんとなくだけど」
　だが悲しきかな、彼自身、ニャンダム知識が乏しかった！
「ニャンダムといえばMT（モビルトルーパー）！　このキャラ専用の赤い奴で３倍早く駆けつけたいな！」
　八十八旗が念じると、なんと、目の前に紅い３倍速のアレが目の前に出現したではないか！
「流石、俺！　『見せて貰おうか、俺の連想した最強のMTの性能とやらを』！」
　ところどころ作中のセリフを引用しながら、八十八旗は赤いアレに乗り込んだ！
「さぁ、行け！　真紅のスポーツカー！　ランヴォルギーニャ・カウンテック！」
　八十八旗は意気揚々に乗り込んだ。
　邪魔する奴はカウンテックで轢いちゃうぞー！
　……それは３倍早くて赤いけど、MTじゃなかった！
　ガンダム知識の乏しさと金持ちの常識が裏目に出た結果に！
「やっぱり女の子を口説くならスポーツカーだよね！」
　八十八旗は爽やかな笑顔を車上から振り撒いていった。
「武装はサブマシンガンが定番だって聞いたらから、某スパイ映画顔負けの特殊装備仕様にしたよ！」
　あら便利！　ボタン１つでボンネットからサブマシンガンやミサイルが出現！
　暴れる悪者たちを粉砕だー！
「安心してくれ。ただのオモチャさ！」
　ギアをトップに入れて、八十八旗はハンドルを握り、アクセルを踏み込んだ！
　……100円玉を入れて！
　♪て～て～て～て～ててて～て～ててて～ててててててて～（BGM：とおりゃんせ）
「会場内は安全走行！　それに俺、免許ないしね！」
　八十八旗はパンダカーの３倍の速度で会場内を疾走していく！
　途中、彼は塔尾、ナギ、小山内の３人に声掛けていく。
「『俺もよくよく運のない男だな』……。黒髪のお姉さんに出会う前に、こんな素敵なレディたち３人に出会ってしまうなんて！」
　こうして、３人は八十八旗の紅い流星号に乗車して、安全に青龍まで辿り着く事が保証された。
　ただし、ナギだけは微妙な顔をしたままだったが……。