【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！｜リアクション

【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！

<２>

　響タルトは自分の変貌ぶりに目を輝かせていた。
「わぁ！　胸おっきい！　腰回り細い！　足なっがい！　これって『樹海の迷宮』の宿屋のお姉さんだよね！」
　先ほど、東の青龍から光線攻撃を受けた響は大喜び！
　ちなみに、先程まではこんな感じの衣装でした。

（右下が響。魔法少女系ヒロインコスプレ）
　一緒に来ていた友人は、テオの世界から弾かれてしまったようなので、今は響は１人ぼっち。
「でも、却って都合がいいかも？」
　響は青龍ソックリの姿を利用して、イタズラを目論んでいた。
「影武者なんて面白そう！　お姉さんも驚くだろうな～♪」
　意気揚々と青龍のもとへ出掛ける響。
　既に頭の中は、『樹海の迷宮』キャラの男性同士の『掛け算』でいっぱいだ。

　椿美咲紀は掛け算まっ盛りなジャンルのブースで、無人となったサークルの１つに腰掛けて同人誌をのんびり鑑賞していた。

「ほぉ～、これはなかなか濃厚な絡みですね！　特に受けの美少年の耽美な表情が！」
　顔を真っ赤にして食い入るように眺める椿。
「きゅんきゅんしまするぅ！　空音ちゃんも、気に入った？」
「ホモゥ……」
　黒焦げになった桃原空音が、椿の傍らで18禁BL同人誌を咀嚼する。
　雷に打たれ、プスプスと黒煙を上げていた桃原を椿が介抱していた。
　桃原は食べるたびに皮膚が再生していき、肌に赤みが差していく。
　……多分、ここまで人外仕様なのは、神魂の影響だから安心してほしい。
「ホモ、ホモモホモ、、ホモゥ！（オォン、メガネ鬼畜攻め本、美味しいです！）」
「私もメガネ鬼畜は良いと思います！」
　なんと、会話が成立していた。
「皆さん、なんで空音ちゃんの言葉が分からないのでしょうか？　不思議なのです」
「ホモモモ、ホモゥ！（激おこプンプン丸だよ、本当！）」
　２人は気が付かない。
　腐女子特有のテレパスめいた共感覚が、言語の壁を越えて意思疎通を可能にしているのだ！
「私は取材で読み漁っているだけなので、腐女子じゃありませんけど！」
「ホモゥ？」
　桃原は首を傾げていた。
　だが、流行りの『おにショタ（お兄さんと幼い男の子）』のジャンルの甘美さに「どうでもいいか」と忘れることにした。
「あれ、あの人も『掛け算』が好きなのでしょうか？」
　椿の少し離れた場所に、青龍が大量の同人誌を山積みにして優雅に鑑賞していた。
「ちょっと同人誌を分けてもらえないか、聞いてきますね！」
　椿が青龍のところへ駆け寄っていった。
　しかし、桃原はBL的な意味で空腹を抑えきれず、もりもりとその区画内の同人誌を喰らい出したのち、移動を開始した。

＜桃原、行方不明＞