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ワイナリーで休日を
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●
高原の夜は早く、大きな窓の外はすっかり闇に沈んでいる。
約束違わず夕食を共にしようと、
五十士 柊斗
と
日向 透
は宿のレストランのテーブルを挟んで、向かい合っていた。
「五十士さん、意外とイケる口ですね」
「え? そうですか」
成人して間もない柊斗、味にはまだ馴染めないものの、透の指摘通り酒に強い体質であるらしい。
空になったグラスを、透が満たす。
「ありがとうございます。せっかくの名産品ですし、飲まないと損ですよね」
「日本のワインを飲む機会は、なかなかないですしね……でも」
くすりと、透は笑う。
「少しペースが速いかもしれませんね?」
「あ、そうなんですか……? 気をつけます」
「こういうのも人付き合いと同じで、慣れですよ」
「なるほど」
それからは周囲に倣う事にした。
隣のテーブルでは、看護師の
蒼澄 永姫
が食事を摂っている。
彼女も色々なワインを楽しんでいるようだ。
御巫 時子
と談笑しながら、よどみない所作で料理を口に運ぶ永姫は、思わず見蕩れてしまうほど上品だった。
「素人が作ったものでも、結構美味しいわね」
パンを一口大に千切り、永姫は時子と一緒に作ったバターを味わっていた。
「はい……美味しいです……」
「ふふ。腕はパンパンになっちゃったけど、お陰で楽しかったわ」
ありがとう、と微笑めば、時子もふわりと笑う。
ブルーベリーのジャムは、持ち帰ってゆっくり楽しもう。
「美味しいですか……?」
ワイングラスを傾ける永姫に、ふいに時子が尋ねた。
「ええ、美味しいわ。何ていうのかしら、柑橘のフレーバーのよう」
「まあ、葡萄なのに……」
「不思議よね」
甲州種の葡萄は酸味や糖度が低い傾向にある。
そのためワインも、醸造法にもよるが爽やかな口当たりが特徴。
ディルと赤や黄の花弁を散らし、繊細に盛り付けられたサーモンとのマリアージュに舌鼓を打つ永姫に、時子は上目遣いを送る。
「あの……もし良かったら、私も両親にワインを送りたいのですが……」
「あら、親孝行なのね。勿論、協力するわよ。私も急に休みを取ったから、交代してくれた子にドリンクビネガーとワインを買うつもりだし。病棟の仲間達への、菓子折りもね」
ウィンクしてみせる永姫に、時子は嬉しそうに礼の言葉を告げた。
柊斗と透は、旅や料理の味の感想など、当たり障りのない会話をしていた。
そう、当たり障りの無い話題のネタばかりを探して、喋る。
気安いようで……柊斗は無意識なのかもしれないが、相手の懐に飛び込む事を避けている。
まるで傷つく事を、恐れるように。
透は引っかかるものを感じたが、眉一つ動かすでもなく、素顔を隠す仮面を被り続けた。
自分と似ているが、全く違う青年。
穏やかで、実に優しそうで……ある意味、脆そうでもあった。
内心、少し愉快だ。
もし自分も、まともな……一般で言う普通の家で育っていたら、彼のようになっていたのだろうか?
そう考えて、すぐにそれはないなと否定する。
ほんの僅か、自嘲めいた笑いを漏らした透だが、今は美味しい料理を堪能する事にした。
人の醜い本性を見る時に、愉悦を感じる透だが、味の好みは至極まっとうだった。
「……」
柊斗は食事を楽しむ透を静かに観察しつつ、僅かな居心地の悪さを感じていた。
(日向さんは人当たりが良いけど、それだけではない人な気がする)
けれども、何故だろう。
食事を適当に切り上げて、席を立つ事が柊斗には出来ないのだった。
「よお、薫。同席、構わねえか?」
荒井 景貴
を伴って夕食に訪れたのは、
ジニー・劉
である。
「ええ、勿論。荒井さんも、ようこそ」
以前
食事会
で会ったきりの薫に覚えられていた事に、景貴は驚きを隠せなかったが、パティシエとしての知名度と説明されて、頬を染めた。
「やるじゃん」
「からかわないでくださいよ」
脇腹を肘で突かれ、『Raton』が愛される洋菓子店として定着しつつある事に、喜びを隠せない景貴である。
「こないだは
差し入れ
サンキューな、美味かったよ」
礼を言いつつ、マダムの容態や
三下 ゴロー
の現状を尋ねるジニー。
大人の女性にプレッシャーを感じなくなった自分を、ジニーは肌で感じていた。
以前なら、考えられなかった事。これも受け入れてくれる彼女のお陰なのだろう。
「奥様の癌の大元は、胃にあるんだけど」
薫が重い口を開くのを、近くに居た
御巫 時子
は聞いていた。
「奥様、グルメで自分で『食いしん坊さん』なんて言うのだけど、本当にそうなんだよね。だから手術をすれば数ヶ月は延命出来るたけど、旦那様が断ったみたい」
人生の終わりくらい、好きなように。
それは断腸の思いでもあり、切なる希望でもあった。
「尤も、それも……」
薫は言葉を切る。
(痛み止めの副作用ね……)
やはり耳を傾けていた
蒼澄 永姫
は、目を伏せ、グラスを傾けた。
看護師である彼女には、薫が黙った理由が分かる。
食事時の会話としては、相応しくない。
「なあ、無理だけはすんなよ」
沈黙を破って、ジニーは声を絞り出した。
「余計な世話かもしんねーが、強いと脆いはよく似てる。アンタの事は嫌いじゃねえ。人に尽くして身を削るばかりじゃなく」
ぐい、とワインを呷る。
甲州種の柚子にも似たフレーバーは、喉越しも良い。
力を貰い、普段なら照れ臭くて言えないような言葉を、ジニーは吐き出した。
「アンタなりの、幸せって奴を掴んで欲しい」
「ありがとう」
でもね、と薫は続けた。
「私は貴方が思う程、お人好しじゃないよ」
軽く首を捻ったジニーに、薫は勝気な微笑を見せた。
「将来的にも需要がある、在宅医療のビジネス展開を考えているの。三下家や星ヶ丘マダム達とのコネクションは、私にとってもプラスになるんだよ」
「なるほど。そう言う事なら……景気づけに乾杯しとかねーとな!」
ニヤリと笑うと、互いの前途を祝し、ジニーは薫と景貴のグラスをワインで満たそうとした。
「注ぐのは真央ちゃんがやるのだ!」
後木 真央
がジニーから、瓶を奪った。
「5年経ったら真央ちゃんもお付き合いするのだ手付なのだ♪」
「じゃあ約束、5年後を楽しみにしてるね」
薫が目を細め、真央はにんまり。
そうして真顔に戻って、首に下げたカメラを構えた。
「笑顔は回り回ってみんなを笑顔にするのだ薫ちゃんも笑顔になりますようになのだ♪」
パシャリ、シャッターを切る音が響く。
「みんな相手の事を考えていると思うのだ。
みんな相手の事を知って幸せになるといいと思うのだ宅配便なのだ」
この笑顔を届ければ、マダムはきっと喜んでくれるだろう。
真央は、そして
毒島 林檎
も確信していた。
未来は変える事が出来ると。
高原の夜は更けていく。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月17日
参加申し込みの期限
2014年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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