6月。外来のみを受け付ける小さな医院の庭先で、薄紫の花が揺れる。
父は今日も飽きる事無く、それを眺めている。
「父さん、そろそろ診察時間でしょう? 支度しないと」
呼べば曖昧な返事だけをし、父はまた花に視線を落とす。
ラベンダーは私がまだ幼い頃、全てを捨てて出て行った、母の好きだった花だ。
「ほら、患者さん待ってるよ」
父をせっついて診察室へ急がせると、私は屈みこみ、その花をいくつか手折った。
ある日、私はマダム千代子と出会った。
春に良く分からない力を手に入れて以来、一人で居る夫人を見かけては、声を掛けていた私に、老婦人は自分から接触してきた。
裕福な家の夫人らしく、やや体が不自由な彼女のため、傍には身の回りの世話をする女性と、ボディーガードが付き従っている。
「あなた、私の若い頃に似ているわ」
唐突に言う。
先にお株を取られて呆然とする私に、彼女はまだ寝子島に越してきて間もなく、友人も居なくて退屈なのと訴えた。
後日。星ヶ丘の超高級リゾートホテル、ステッラ・デッラ・コリーナのレストランの一角を貸し切ってのランチの誘いが、ねこったーで寝子島の住民にもたらされた。
何でもマダム千代子を喜ばせる話をしてくれる人は、レストランでご馳走してもらえるのだとか。
先着順なので、興味がある人は急いで?
メシータです。
今回はステッラ・デッラ・コリーナのレストランで、おしゃべりしながらランチタイムしませんか? というお誘いです。
成人されている方は、アルコールなども楽しまれても良いでしょう(お酒の種類など商標の表記は致しかねますので、ご注意ください)。
喫煙はテラス席のみで可能です。
*尚、ゴールデンウィークに行われた、三人四脚駅伝で優勝した梅チームの参加者様は、お持ちのタダ券を使って、好きな時間に個別にビュッフェを楽しまれても大丈夫です。
<参考>『激走! 寝子島横断三人四脚駅伝!』
第一区間・第二区間・第三区間・最終区間
■場所
高級ホテル、ステッラ・デッラ・コリーナのレストランが中心になります。
ビュッフェ形式で、メニューは色々あります。何を食べたいか、お書きください。
ホテル内は人目があり、また監視カメラが存在するため、目立つ場所では、ろっこんの発動はうまくいきません。
■NPC
拝島 薫(はいじま かおる)
線の細い、中性的な美形の女性です。普段は医師である父の仕事を手伝い、看護をしています。【マダムキラー】という能力を持つ、もれいびです。
頻繁に星ヶ丘マダムなどに声を掛け、話し相手などをしています。
千代子をスポンサーに、食事会を企画しました。
マダム千代子
星ヶ丘にお屋敷を構える、富豪の奥様。
長身でほっそりとした老婆です。彼女の食事会に参加する方は、簡単で結構ですので、彼女を退屈させない話を必ず一つ、ご用意ください。
神魂が絡んだ話でも、多少オブラードで包めば、きちんと聞いてもらえ、それをくわしく追求される事はありません。
難しい話や殺伐とした話は機嫌を損ね、楽しい話や面白い話が推奨です。
千代子の身辺には、護衛が複数います。
以上、よろしければご参加くださいませ。