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8月某日の太陽
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●
雨崎 荒太郎
&
雪見 大福
の場合 ~言葉はなくとも~
雨崎 荒太郎
と
雪見 大福
。幼馴染の二人も、先の美咲紀と修と同じく、図書館で宿題をして帰る途中だった。
「兄弟みたい」と荒太郎の母が例えるのも頷ける程、二人は仲が良く、こうして肩を並べて歩いた回数など、二人共もう覚えてない。
テストの話、寮の話、学校や先生の話。
他愛のない会話をして、笑いあう。
だが表向きは同世代の少年達と変わらず、明るくとっつきやすい印象を与える大福だったが、その実、自分の本音は語らないシャイな性格をしていた。
そんな彼を知り、腹を割って話せる数少ない存在が荒太郎だった。
親友同士の何でもない日常の、1ページ。
そんな一日になるはずだった。
ところが夏休みの話題が切欠で、荒太郎の話が実家や家族に及んだ時、それは一転した。
「あの人は単なる赤の他人だよ」
硬い表情で、大福はぼそりと言い捨てた。
暗い瞳で見据えるのは、自身の辿ってきた過去。
大福は幾度も両親の離婚を経験しており、そのたびに姓が変わっていた。
だが母はある日、大福を再婚相手に押し付けて蒸発した。
以来、義父は血の繋がりのない大福を、息子として養育している。
進学で離れるまでは、大福は義父と二人暮らしだった。
大福が「あの人」といったのは、その義父だ。
「あの人は単なる赤の他人だよ」
「待てよ」
何気ない大福の言葉に、荒太郎は蝉の鳴く夏の音が止まったように感じた。
衝動的に大福の襟首を、両手で掴み寄せて声を荒らげる。
「仮にも自分の、お義父さんだろ! 二度とそんなこと言うなっ!」
熱を帯びた眼差しは、真剣に怒っていた。
「……っ、何怒ってんだよ」
大福は中学二年生の時を思い出した。
周囲に打ち解けられずグレていたあの時も、今のように荒太郎に叱られ、本気で殴られた。
荒太郎も、いつか見た風景の再現に戦慄した。
彼にも父を失いかけた過去があり、家族を軽んじる発言は、逆鱗となっていたのだ。
だからあの日、大福の行動が引き金になって、気がついたら友を殴っていたのである。
大福は図らずも、同じ轍を踏んでいた。
時を越えて、違う環境の中で、あの日の光景が鮮やかに蘇る。
拳を震わせる荒太郎に、大福は凄んだ。
いつもなら流していた所。だが、どうにも我慢がならなかったのだ。
「お前には関係ないだろ! ほっとけよ!」
負けじと声を張り上げる。
荒太郎もいけないと分かっていながら、激情を抑えることが出来なかった。
友を殴って、傷つけてしまったあの日、荒太郎は激しく後悔したのに。
以後、大福に腹を立てたことはなかったのに。
「おまえはいつもそうだ! そういう甘い考え方ばかりして、心配してる人間が一人も地球上にいないとでも言うように!」
「……っ!」
荒太郎の言葉は的を得ていたから、その分、大福の心に深く突き立った。
繰り返される離婚と再婚に振り回され、今度こそと言う希望と、またダメだったという失望の間で心を掻き乱され、誰も信じられなくなっていって。
唯一の寄る辺だった母にも捨てられ、捨てられた自分があまりにも無力で、無価値な人間に思えて、何もかもどうでも良くなって。
焦りと苛立ちが、大福の感情を支配した。
そして荒太郎へのその想いが、義父への感情と同じものである事に気付いた。
俺じゃなくてもいいくせに、なんで俺に構うんだって、ずっと思ってた。
俺みたいな赤の他人、早く見限ってくれればいいのにだなんて、今でもどこかで思っている。
コータローの言う通り、甘ったれている……。
感傷に浸って、逃げたほうが楽だから。
「皆がいて、今のお前があるのに! 人の心の声が聞こえるようになっても……なんで、なんでそれがわからないんだよ!」
涙目の荒太郎から、顔を背ける。
「心の声が聞こえたって……お前や義父さんの考えてることなんて、これっぽっちもわかんねぇよ!」
思わず叫んだ。
なぁ、コータロー。お前はなんで俺なんかのために、そんなに怒ってくれるんだ?
「大福! いつもそうやって独り善がって、自分だけで不幸を背負い込もうとするな!!」
荒太郎が腕を振り上げて、大福は衝撃に備えて目を強く閉じた。
ガツン!! 耳の横で、鈍い音がして……。
声を聞いた。
荒太郎の心の声を。
――ごめん、おれ暑さでどうかしてた
「え……」
目を開けば、大福の真後ろの壁に、荒太郎の拳が打ち付けられていた。
彼が直前で目標を逸らしたのは、幼馴染の大福だからこそ瞬時に理解出来た。
堪えるように、そのままのポーズで固まっている荒太郎の拳を、慌てて離させて傷を確認をする。
「バカ、……大丈夫か?」
心配そうな大福の顔には、傷ひとつない。
その事に安堵し、荒太郎は泣き笑いした。
いつの間にか。
聞こえなかった蝉の声も、復活していた。
「痛っ」
手の甲に、ふーふー息を吹き掛ける荒太郎と、大福はまた並んで歩き始めた。
しばらく互いに無言で、時々、チラと隣の様子を伺った。
大福は喉元まで来ている、「俺も悪かった、ごめん」の一言が、言い出せないで居た。
自分の体ですら、意のままにならない もどかしさに自己嫌悪する大福に、荒太郎は事も無げに笑った。
「この暑さじゃ熱中症になりそーだ、アイス買って帰ろ、大福ー!」
「……おう、そうするか」
友のいつもの笑顔につられて、苦笑する。
悩んでいたのが、本当にちっぽけに思えて。
大福は夕陽の眩しさに、目を細めた。
――なぁ、お前がさっき言ったこと、一つだけ間違ってる
俺はお前に救われてるよ、親友。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月04日
参加申し込みの期限
2014年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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