「おい、ついてくるな!」
大またで歩きながら、
海原 茂は振り返って、後輩の
鷹取 洋二を睨みつけた。
対する洋二もまた、ワカメヘアーの隙間から、鋭い眼光を覗かせた。
「いちいち上から目線、うざいんですけど……。そもそも今日、一緒に出かけようって誘ったの、先輩じゃないですか!」
最初はただ、ムッとしていたに過ぎない洋二の口調も、次第に荒々しいものに変わる。
キザで物腰穏やかな彼にしては、珍しい事だった。
「ちょっと待て、聞き捨てならないな。誰がいつ、お前なんか誘った!?」
「何言ってるんですか。先輩が昨日、誘ったんじゃないですか!」
「嘘をつくな、嘘を! お前がついて来たいって、言ったんだろう!?」
「そんな事、言ってませんね! うぬぼれるのも、いい加減にしてくださいよ」
「――っ!!?」
かわいい、というとちょっと語弊があるが。
洋二は茂にとって気の置けない間柄で、仲が良いと言えば、ああきっとそうだ。
なのに。
――どうしてこんなに、腹が立つんだろう?
勢いよく立ち止まった二人の視線の交わるところで、激しい火花が散った。
互いに余裕なんて、全然なかった。
「ふん、じゃあ満場一致で解散だな」
「ああ、それがいいですね」
「「…………」」
互いに背を向けて、歩き出した。
一人で入る、喫茶店。
一人で飲むアイスコーヒーは、なぜか全然美味しくない。
体がクールダウンしていくにつれ、茂は平常心を取り戻していた。
――どうして俺は、あんなにカッカしていたんだろう……?
不思議で仕方ない。
からんと氷がグラスの中を滑る音が響いて、茂は立ち上がった。
――俺が悪かったな、謝らなければ。
洋二は許してくれるだろうか?
ああ、多分。
何だかんだで、あいつは俺より大人だ……。
腹を割って話そう。
こんなつまらない事で、大切な友人を失うなんて。
「考えられないよな」
メシータです。
今回も神魂の影響です(キリッ)!
*こちらのシナリオはペアでの参加がお勧めです
シナリオに参加していないPCの描写は出来ませんので、ご注意ください。
■概要■
神魂の影響で、PC達は衝動的に仲の良い誰かとケンカしてしまいます。
とても些細な事でも、ケンカせずには居られないでしょう。
日没が近くなり、気温が下がってくると神魂の影響が消えます。
その後は、きちんと仲直りしてくださいね。
ご一緒のPCさんとはGA推奨です。
キャラクターの行動・手段の欄に
GA【(ここにGA名を記入)】を、よろしくお願いします。
■NPC■
海原 茂&鷹取 洋二
ガイドに出ていた二人ですが、リアクションには登場しません。
その他NPC
通行人など、モブです。
特定のNPCと絡むことは出来ません。
それでは、お気に召しましたら。