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8月某日の太陽
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●
エレノア・エインズワース
&
森 蓮
の場合 ~二つの心~
森 蓮
は猫鳴館の自室で、静養中だった。
先日のセブン事件で
芽森 菜々緒
を
庇って腹部を負傷
した蓮は、回復能力を持つ もれいび達の助けで大事にこそ至らなかったものの、休養を余儀なくされていた。
蓮は ひとで、命を落とさなかっただけでも幸運だったが、彼には菜々緒――正確には解離性同一性障害(一般的には多重人格として知られる)のある彼女の内なる存在、そして世間を騒がせた「セブン」と呼ぶに相応しい別人格「七男」との理解と、救済という目的があった。
だが……。
思い出すと、溜息ばかりが口に上る。
そんな蓮の元へ訪れたのが、
エレノア・エインズワース
だった。
「エレノアさん。こんなところまで、よく来てくださいました」
「こんにちは森さん、色々大変だったそうですね」
そう労って見せる彼女は、手にした ほおずきの束を、見舞いだと手渡した。
「ほおずきですか、赤く色づいて綺麗ですね。お心遣い、ありがとうございます。怪我をしたせいで、皆さんに本当に手間とご心配をお掛けしてしまいました……。ああ、どうぞ座ってください。狭い部屋ですが、お茶くらいはお出し出来ますから」
エレノアに座布団を示すと、蓮は腰を浮かせた。
「いいえ森さんは休養中なんですから、どうぞ楽にしてください。そんな事より聞かせて下さいよ、その怪我の事とかね?」
僅かに首を傾けて、エレノアはニッと笑う。
あでやかな唇が三日月のように歪み、蓮は彼女もかつてセブンの事件に関わっていた事に思い当たった。
「これは、気づきませんで……失礼致しました。そうですね、長くなりますが」
蓮は事の顛末を語って聞かせた。
エレノアは時折、相槌と質問を挟みながら、蓮が話し終わるまで静かに耳を傾けた。
「いずれにせよ、森さんが病んでないようで良かったです」
蓮が一通り話し終えた後、エレノアはそう断言した。
「と、申しますと?」
きょとんとする蓮に、彼女はここぞと力を入れる。
「だってそうでしょ? セブンの事件は闇に葬られて、関係ない人間が濡れ衣着せられて」
エレノアの言うように、菜々緒は ろっこんで前科のある もれいびの
記憶を改竄
し、自身の身代わりとして差し出していた。
指摘された冤罪は蓮も懸念しており、どう手を打つべきか思案中だった。
「
滝川少年
も救えず……まあ元々引き籠りのクズだったみたいですが」
「!」
蓮の肩がピクリと震えるのを、エレノアはしっかり確認していたが、それでも言葉の雨はやむことはない。
「挙句、七男にも死なれたんじゃあね? フツウは平静を保つなんて無理ですから。まあ本当に、気に病むことはないですよ!」
「待ってください!」
眩暈がした。
エレノアの言葉に滝川 龍平少年の名誉を傷つける、意図があるように感じて。
「いじめられっ子の側にも落ち度があるかもしれませんが、いじめてもいいということにはならないと思います。龍平さんが受けたような虐待なら尚更です」
蓮は滝川少年の痛みを、ろっこんで追体験していた。
彼が得た希望と絶望も、一部とは言え共有したつもりだ。
罪人となった滝川少年に、今でも救いの手を差し伸べようと奮闘する蓮を、エレノアはあざ笑う。
「フフフ。誰一人として守れなくても、綺麗事しか言えなくても、それが森さんの個性なんです。個性は大切にしなきゃね?」
煽る彼女に、蓮は膝の上の手を握り締めた。
奥歯を噛み締める彼を目にして、エレノアは尚も挑発した。
「おや、怒りますか森さん? 我慢することはありません、私を殴って下さいよ! どうせここには、私と森さん以外誰もいません」
たっぷりと時間が経過した。
「……龍平さんは罪を犯しましたが、更生できると私は信じています」
蓮は漸く、それだけを搾り出した。
その心の葛藤を、暫くは愉しんでいたエレノアだが、これ以上の揺さぶりに意味がないと悟ると、立ち上がった。
「つまらないですね」
それだけを言い捨てると、エレノアは去った。
蓮は一気に肩の力を抜いた。
呼吸すら、これまで忘れていたんじゃないかと思う。
求めた空気には、彼女の残り香があった。
置いていった ほおずきは、毒々しく赤い。
花言葉は『偽り』。
夕刻。ひぐらしの鳴き始める頃、蓮は掌で溶ける淡雪のように、激情が引いていくのを感じた。
ふと見舞いの、ほおずきに目を留める。
オレンジの萼(がく)を手にとって、上下を返せば中は赤い実。
小さな観音様を彷彿とさせる姿が、そこにあった。
同じもでも見方を変えるだけで、受ける印象が全く違う事に蓮は驚きつつ、急ぎ立ち上がった。
「今日は、珍しい物が見れました」
長く伸びる影を踏みながら、わざとゆっくりエレノアは歩く。
ほくそ笑む彼女を急ぎ足で追いかけて……ほうら、来た。
「エレノアさん、すみません。いただいた言葉の意図を、取り違えておりました!」
流れる汗を手ぬぐいで拭いつつ、坊主頭を下げる少年を、彼女はゆっくりと振り返った。
「不徳の致すところです。エレノアさんは倫理的省察や再考を促すために、あえて偽悪的な表現をすることがあります。私が龍平さんやセブンさんに肩入れしすぎて、自分を蔑ろにしていないか心配くださったのかもしれない事に、思い至りませんでした……。エレノアさんの発言の表面だけを捉えて誤解し、わざわざお見舞いに来てくださったのに、不快な思いをさせて帰してしまいました。本当に申し訳ありません」
「どうも、森さん」
エレノアは真摯に謝罪する、蓮の面を上げさせる。
「別に気にしてませんよ、むしろ私が謝らなくちゃいけません。貴方が芽森さんの誕生会で仰った
友情の黄金律
のことが思い返されます。貴方の言葉で目が覚めました! 貴方の様な人と知り合えて、なんて幸せなんでしょう!」
「……恐れ入ります」
投げられたエレノアの言葉は唐突だったが、賛辞と受け止めた。
「というわけで、この苛立ちは森さんとは全然関係ない、そこら辺の猫をぶちのめして晴らすことにします」
「は……! ちょっとお待ちください」
身を翻したエレノアに、蓮は慌てて追いすがる。
展開に心休まる暇もない。
だが彼は穏やかに微笑んだ。
「その前に、良かったらお話しながら、冷たいお茶でもいかがでしょうか?」
「……あはっ」
エレノアの瞳が面白そうに瞬く。
「堅物の森さんがナンパとは、意外ですね!」
「!! なるほど言われて見れば、この誘い方はナンパですね」
蓮はまた一つ発見する。
自分とは全く違う不思議な個性を、時には身をもって教えてくれるエレノア。
「ナンパなんて生まれて初めてで、いささか緊張しますが。エレノアさん、宜しければ先ほどは何もお構い出来ませんでしたので、埋め合わせをさせてくださいませんか?」
蓮はそれを、素直に在り難いと思うのだった。
雨降って、地固まる
これは熱くて暖かい8月の、とある一日の物語。
終
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あとがき
担当マスター:
メシータ
ファンレターはマスターページから!
ケンカ出来るお友達がいるって、素晴らしいですね。
恐らくはそれぞれお相手の方と、打ち合わせが大変だっただろうなと思いますが、ステキなアクションをありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。
このシナリオが楽しい思い出の1ページとなれば、幸いです。
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担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月04日
参加申し込みの期限
2014年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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