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8月某日の太陽
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●
佐々 寿美礼
&
佐々 藤寿
の場合 ~兄と妹~
佐々 寿美礼
と
佐々 藤寿
、高校生と大学生。
4つ年の差のある兄妹はシーサイドタウンの
2DKのアパート
で一緒に暮らしている。
今日も肌を焼く8月の太陽の下、二人揃って買い物へ。
「藤兄と、お買いものーっ♪」
水泳
で鍛えた、しなやかな肢体とざっくり編んだ三つ編みを揺らして、寿美礼は軽やかな足取りで先を歩いていた。
「今日は人参とジャガイモと、牛肉とカレールーとぉ……」
大きな瞳を輝かせる寿美礼とは対照的に、藤寿は額に滲んでくる汗に、苛立ちを隠せなかった。
暑いからもう少し後にしようという言葉は、妹にあっさり受け流された。
お小言もいつもの事と、気にかけられなかった。
心の奥底では、兄が優しく自分を受け止めてくれていると信じて疑わない寿美礼は、公園に差し掛かった辺りで、無邪気に振り返った。
「藤兄! 今日も暑いし、アイス買ってもいいよね?」
ところが黙ってついて来ていた兄の顔を目の当たりにした、寿美礼の表情から明るさが消えた。
藤寿は強面だが、どんなに振り回されても、妹にはどこか甘かった。
それが今、強張って暗く沈んでいる。
「藤兄、どうしたの?」
驚いて問い掛ければ、兄は吐き捨てる。
「……どうしたじゃねえよ、暑い中、買い物に付き合わされてんだ。こっちはクーラーの効いた部屋から、出たくなかったのによ」
常より低い声色に、寿美礼の鼓動がトクンと跳ねる。
「え? だって」
「料理するのはお前なんだから、俺来なくて良かっただろ」
突き放した言葉に、戸惑いを見せる妹に藤寿は更に畳み掛ける。
「何かある度に、俺を巻き込んで……いつもそうだ!」
藤寿の言葉に、寿美礼は唇を尖らせた。
「荷物持ちとか意見聞いたりとか、来てもらう理由はあるよ。巻き込むなんて言い方、ひどくない?」
「ひどいのはお前だ。毎回毎回、迷惑してるんだよ!」
「何それ……?」
腕を組み、突然怒り出した兄に、妹は拗ねて横を向く。
「あたしがいなかったら、料理どころか洗濯も掃除も出来ないでしょ。お・に・い・ちゃ・ん?」
「恥ずかしいから、お兄ちゃん呼びはやめろって言ってるだろ!」
「お兄ちゃんは、お兄ちゃんでしょ?」
「お前、わざとやってるな!?」
寿美礼の態度に、カチンときた藤寿は衝動的に妹の胸倉を掴んでいた。
思わず振り上げた手が、止まる。
見開かれた大きな目と視線が交わり、震える睫に動揺したのは、むしろ藤寿の方で。
「うぐぐっ……そうやって怒ったらすぐ手が出るのも、変わってないよね。ちょっとは改善出来たと思ったんだけど?」
続く責める言葉。
精一杯の強がりを見せる妹に、藤寿は歯を食いしばり、理性を総動員して寿美礼を掴んでいた手を離した。
「もういい……俺が買いにいくから、お前は帰っとけ」
くるりと背中を向ける。
「勝手にどうぞ、あたし行かないから」
兄は無言で、その場から去った。
「もう、お兄ちゃんの馬鹿……」
藤寿の後姿が見えなくなった途端、寿美礼は力が抜けて、傍のベンチにへたり込んだ。
「一緒に買い物が、したかったのに……」
早足で店に向かった藤寿は、目に付いた街路樹を思い切り蹴飛ばした。
幹が揺れて、葉がざわめく。それでも気持ちは晴れない。
兄の豹変に傷つき、ショックを隠せない大きな瞳と、咎める声が追いかけてくるようで。
「知るか、あんな妹」
店の入り口で買い物カゴを乱暴に引き抜くと、藤寿は商品を物色し始めた。
「……えと、カレーだったよな」
ぐるりと一巡した藤寿のカゴには、何一つ入っていなかった。
いや、二巡、三巡しても結果は変わらず、時間だけが流れていく。
(夕飯だけの買い物に、こんなに時間かかるか、普通?)
自分でも呆れてしまう。
――考えてみれば家事をほぼ寿美礼に任せきりで、俺はなんであんなに怒ったんだろうか?
猛暑でかいた汗がすっかり引き、体は冷えきった。
BGMが他人事のように、意識の外を流れていく。
藤寿は焦りと自責の念に苛まされたまま、呆然と立ち尽くしていた。
「お客様、何かお探し物ですか?」
おっとりと声を掛けられて、藤寿はハッと顔を上げた。
何時間も空のカゴを持ってウロウロする藤寿に、年配の店員が手伝いを申し出てくれたのだった。
「……いえ、大丈夫」
「そうですか。今日は妹さんは、ご一緒じゃないんですね。具合でも悪いんですか?」
何気ない一言が、電流のように思考を走る。
藤寿は、とうとう折れた。
――何で、あんなこと言っちゃったのかな?
放心したまま、寿美礼は兄と喧嘩別れした公園のベンチに座っていた。
ぐすんと、鼻をすすり上げれば、後悔ばかりが溢れてくる。
藤寿が近頃
バンドに入ったり
色々な人と関わって、頑張ってるのは妹の寿美礼が、一番知っていた。
それなのに。どんなに我儘を言っても、重い荷物を持ってくれる大きな手に甘えていたのは、自分だ。
「ごめんね藤兄、ごめん……」
蟠りが氷のように解けて、後から後から零れた。
涙は止まる事無く、寿美礼の頬を伝って落ちる。
そして人目も憚らず、しゃくりあげて泣き続ける寿美礼の頬に、突然ひんやりしたものが押し当てられた。
「ひゃあっ!」
素っ頓狂な声を上げて、ぱちくりと瞬きすれば、目の前にはニャーゲンダッツのカップ。
「藤兄!? これ、買って来てくれたの……?」
いつもは高いからって、買ってくれないのに。
「さ……さっきは怒鳴ったりして、悪かった。俺の奢りだ」
ずっとここに居たのか……妹の濡れた瞳に、居心地悪そうに藤寿は体を揺らす。
「結局何がいるか分からなくて、そのアイスしか買えなかったんだ……」
寿美礼の大好物の、イチゴ味。
「一緒に来てくれ、買い物し直すぞ」
ぶっきらぼうな兄の言葉に、妹の顔がくしゃりと歪んだ。
濡れた頬を手の甲で拭うと、寿美礼は白い歯を見せた。
「やっぱり買い物出来なかったかー、いいよ一緒に行こう!」
そして兄の腕に、体を寄せる。
「藤兄、大好きっ!」
「わ、わかったから抱きついてくるな!」
「いいじゃん、こんな時くらい」
ぎゅー!
纏わりついてくる妹に、兄はいかにも所在なさげで。
「ほら、アイス食えよ。溶けちまうぞ?」
「あ、うん。……ふふっ、美味しい♪」
程よく柔らかくなったアイスを掬うと、寿美礼は甘酸っぱさに顔をほころばせ、隣に腰を下ろしてそれを見つめる藤寿の頬も、いつしか緩んでいた。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月04日
参加申し込みの期限
2014年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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