大北海道物産展 in ｍｉａｏ｜リアクション

大北海道物産展 in ｍｉａｏ

（私の担当は巡回ルートなのデース）
　露草は刀や璃亜と違い、固定の場所で呼び込みをするのではなく、時間毎に出展先を移動していく遊撃隊だった。
　だがしかし。
（せ、せめて経口補水液か、保冷材のどちらかを持ってくるのデシタァァ……！）
　着ぐるみの中はすでにかなりの温度に達しているようで、露草の額は大粒の汗をこぼしていた。
　ピピピッ。
　ごく小さな呼び出し音が支給されたインカムから響いた。
　そして流れてくる一郎太の声。
『着ぐるみバイトの方々は、１０分の休憩を取り、必ず水分を補給してください』
　聞いた瞬間、露草は一気に生き返った。
　即、ジュースを買いに自販機へ。

「やっぱり会えましたね！」
　美咲紀はおもわず、着ぐるみを着た一郎太に飛びついた。
　いきなり飛びつかれた一郎太は一瞬驚いたものの、そこはプロ。
　声色には一切驚きを見せず、小首をかしげて「にゃにかな～？」と尋ねる。
（ああ、やっぱりかわいいです！）
　小首をかしげるしぐさに萌えながら、美咲紀はそっとカメラを差し出した。
「一緒に撮らせてもらいたいんです」
「にゃるほど～。もちろんいいのにゃ」
　写真を撮られる事には慣れている一郎太は、手近にいたスタッフを手招きして、カメラを渡す。
「はい、にゃーず♪」
　美咲紀と手をつなぎ、ポーズ、きめっ☆
「ありがとうございました！」
「海産物コーナーにもたくさんの仲間がいるにゃ。ぜひぜひ寄っていってにゃ！」
「はいっ、いってきますね」
　美咲紀はうれしさでちょっぴり頬を赤らめて、意気揚々と海産物コーナーへ。