大北海道物産展 in ｍｉａｏ｜リアクション

大北海道物産展 in ｍｉａｏ

「こうゆうのって、見ているだけでも楽しいのよね」
　栗原瑞穂は、いいながら大北海道物産展を見て回る。
　色とりどりの特産品たちは、本当に見ているだけでも心が浮き足立ってくる。
「小物類とかあるわよね、きっと。食べ物は、あんまりいらないしね」
　寮生の瑞穂は、寮に戻れば寮母さんお手製の美味しい食事が三食待っている。
　菓子類は別だか、北海道特産のジャガイモやタラバガニなどは、買っても使い道がないのだ。
「澄佳ちゃんがいるのは、確か大雪恵って店だったわよね？」
　ミネラルウォーターや米粉製品が主力だとか。
「ちょっと行ってみますか」
　手土産に、かわいい子猫の背に羽の生えたニャリオネのキーホルダーを買って、瑞穂は大雪恵に向かう。

　深縹露草は、汗も滴る美青年だった。
　太陽がさんさんと照りつける中、露草は周囲の女性陣の視線を太陽に負けないほど眩しく集めながら、颯爽とmiaoのなかへ。
（お給料の高い近場のバイト……この機会を逃してはなりまセーン）
　ふふっと笑い、露草は待ち合わせの場所へと向かった。
　そこにはすでに露草のほかにも沢山のバイトたちが集まっていた。
「なるほど……着ぐるみバイトですか」
　露草は渡された着ぐるみを見て、頷く。
　そう、真夏に着ぐるみ。
　それならば高額な時給も頷けるというもの。
「一応確認させていただきますが、勤務中は会話可能ですか？」
　もちろんですと頷くスタッフ。
　むしろ楽しい会話で、呼び込みを頑張ってほしいとの事。
「いいでしょう、この私の力を存分に発揮させていただくデース！」
　はーっはっは、はーっはっは、はーっはっは。
　着ぐるみを握り締めて高笑いする露草。
　スタッフが、ちょっとだけ冷や汗をこぼした。