大北海道物産展 in ｍｉａｏ｜リアクション

大北海道物産展 in ｍｉａｏ

　椿美咲紀の目的は、かわいいかわいいmiaoのマスコットにゃんこだった。
　miaoでなにか催しものがあると、ほぼ必ず会えるのだ。
　大北海道物産展などという大きな催し物ならきっといるはず。
（かわいいんですよね、声といい仕草といい、ほんとに）
　会えるのをわくわくしながら、美咲紀はmiaoへ。

　夏といえばリゾート。
　青い海、青い空、一面の白い砂浜。
　それを常に故郷の沖縄で体験していた仲村渠鳴にとって、大北海道物産展なるものは未知との遭遇だった。
（北海道って、故郷の沖縄と一番離れてる場所だから、ほとんど異世界のような感覚だったな）
　初めて寝子島に来た頃を思い出す。
　異世界が日常に、身近に感じられるようになったのは、寝子島で北海道出身の子たちと知り合うようになってからだ。
（北海道の名物って、甘くて優しい味ってイメージだわ）
　寝子島の友達がスィーツ好きだからかもしれないけれど。
（甘くて優しい味なんて、きっとあたしにはわからないんだろうな）
　昔から、刺激の強い食べ物しか味を感じれないのだ。
　ただ最近、寝子島に来てからだろうか？
　春頃から、誰かと一緒に食べていると、何でも美味しく感じられる気がするのだけれど。
（とりあえず、いろいろ回ってみますか）
　鳴は沖縄との違いも見てみたくて、大北海道物産展に足を運んでみる。