ミッドナイト・フリーキー・ショウ！　～MOCONUと暮らそう｜リアクション

ミッドナイト・フリーキー・ショウ！　～MOCONUと暮らそう

「もこぬーちゃんかわいーの！　もふもふなの！」
　きゅーっと。橘明里は、黄色いMOCONUを柔らかく抱き締めながら、にっこり。幸せそうな笑みを浮かべます。
「ああ。この、あほ毛みたいなのも……かわいいよ、な……」
　傍らの志波拓郎もまた、オレンジ色のMOCONUをなでなで、そのえもいわれぬ良い触り心地に、うっとりと目を細めました。
「うんうんっ。ねえ、見てみて！　私のモコヌは、プリン色なんだよ～！」
　普堂しおりが両手で抱えているMOCONUは、確かに、彼女の大好物であるプリンのような色。クリームイエローの毛並みの上に、ぴんと飛び出した一本の毛の周りが、まるでカラメルみたいに茶色く染まっています。
　唐突に。ある日突然彼らの元へ、とある企業から届いた、新商品のモニター依頼。
　送られてきた箱を開けると、飛び出してきたのは……もこもこ、ふさふさ。サッカーボールくらいの大きさの、毛玉のような、生き物のような、不思議なナニカ。
　それが、MOCONUなのでした。
「それにしても、興味深いわね。ねえ、あなた、話はできる？」
　神野美野梨は、爽やかなブルーのMOCONUに興味津々。話しかけてみたりしてみますが、MOCONUはくりっ、と身体を傾けてみせるのみです。
　どうやらその愛らしさより、一体どういう仕組みの物なのだろう、といったところが気になっているらしい美野梨に、
「ま、子犬のようなものかな。説明書にあった、例の『機能』について触れなければ、だけれどね」
　そっけなく言った旅鴉月詠の足元には、彼女の華奢な足に擦り寄っている、白いMOCONUの姿がありました。
　そう。箱に同梱されていた説明書には、この画期的な新商品について、その『機能』の内容や使い方が記されていました。
「……それで、みんな」
　恵御納夏朝が、控えめに口を開くと。集まった面々の顔を、それぞれ色とりどりのMOCONUたちを、ひとつ、ぐるりと見回してから。
　ちょっぴり眉を寄せながら、彼女は皆へ、尋ねました。
「あの機能。もう使ってみた……？」

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