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ネコミュージックフェスティバル in SUMMER!
【ネコフェス】軽音楽部ライブステージ
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緊張は最初、くるぶしのあたりに寒気となって訪れた。
それがあっという間に駆け上がっていく。膝をぶるっとふるわせ、胃を重くし、心臓をばくばく走らせて、唇をこわばらせ眼を潤ませ、額には冷たい汗をにじませる。よくセットした髪型すら、重力を無視し逆立っているのではないか。
緊張。
一杯に張ったギターの弦を、さらにぎゅううっと巻いているような、炸裂寸前のギリギリズム。
雨寺 凛
は現在、そんな状態にあった。
でも、これは記しておきたい。絶対に。
とっても楽しい! と。
「くーっ、緊張するけどボルテージ上がってきたよ!」
凛の声はうわずっている。アンプのボリュームをめいっぱい、一気に回したときのような感覚だ。怖いけど、わくわくする。
凛はメインステージの袖にいた。ギターを肩からかけ、あとは出ていくだけの状態。
すでにステージには陽気なメキシカンバンドが上がっていて、マリアッチ独特の踊りたくなるような節回しで愉快な小曲を演奏していた。早い時間帯だがすでにかなりの客入りがあり、なかなか沸いている。
たん、たん、と凛のすぐ横でリズムをとっているのは
黒依 アリーセ
だ。アリーセはシンセサイザーに指を置いたまま目を閉じ、ほとんど音を立てず正確なテンポを刻んでいる。つややかなストレートの黒髪が、リズムにあわせて小さな光の軌跡を描いていた。
アリーセの顔は真剣そのもの。すでに小型シンセには、リズムやストリングスをあらかじめ打ち込んである。基本、スタートすれば自動演奏となる設定であり、演奏の展開に応じ音追加やエフェクターのアレンジを施す予定だ。
アリーセの脳内では演奏予定曲が流れ続けている。
あれだけ練習したのだから間違うはずはない、そう信じているのだけれど、それでも、これほどの大舞台に上がるとなれば緊張してしまうのはいたしかたない。
今できるのはその瞬間を待つことだけ。
慎重に、アリーセはシミュレーションを繰り返す。
「そろそろだな……」
ふたりのバンドメイト、
吾妻 優
がボランティアスタッフにうなずいてみせた。
メキシカンバンドの出番がもうじき終わるのだという。
「メインステージでの演奏か……」
確認するかのように、優は視線を客席に向ける。
ずいぶんと賑わっている。その熱気に、正直圧倒されそうになる。
「すっごいよね! あんな大観衆の前でライブできるなんて!」
ああでもやっぱり緊張するぅ、と身をくねらせる凛に、苦笑するように優はこたえた。
「顧問の泉センセーも見てるみてぇだし、ま、ここはひとつ、練習の成果をみせる……っつーことでな」
言いつつ彼は、肩から下げたベースギターのネックを軽く握った。
「成果を『みせる』っつーのが、『魅了する』の『魅せる』になりゃいーんだが……」
優がベースを弾くようになったのは最近のことだ。本日、寝子島高校軽音学部としてステージに上がることになった(優に言わせると『……ってか、なっちまった』)のも言わばなりゆきで、彼が強く希望して実現したことではない。
「吾妻さん、頼りにしているわ」
アリーセが目を開け、顔を上げていた。
そう正面から言われると面映ゆいのか、優は後頭部を軽くかいて、
「……あー、わかってるって。やるってーの。ま、テキトーに……やれるだけ、な」
などと投げやり気味に言う。
けれどアリーセは知っている。本当は優が、誰よりも努力家だということを。
練習のたび、彼のベースの腕は上達していた。目に見えて、はっきりと。
軽音部の練習が終わっても優が、懸命に自主練してきたのは明白だった。それでも照れくさいのか、優はいつだって「テキトーにやってるだけ」と言う。練習のしすぎで指先が傷ついていても、そのことを決して口には出さずそっと隠す。
なのでアリーセは、優が全力を尽くしてくれることは信じて疑っていない。
そしてアリーセは凜に視線を移す。
凜、大切な友達。
二人なら羽ばたける、そう断言できる最高のパートナー。
凛と一緒なら、どんな大舞台だって怖くはない。
「いよいよ出番だねっ!」
凜は声を上げた。すでにメキシンカンバンドは退場し、ステージでは司会の
中沢 リッカルド
が、両手を挙げ情熱的に声援に応えていた。
「グラーツィエ! 次は寝子島高校が誇る軽音学部の登場です! 張り切ってどうぞ!」
まばゆいステージに向かって、凛、アリーセ、優は駆け出していった。
大観衆! それが最初の印象。さすがはメインステージ、すごい数の顔がこちらを見つめていた。
マイクスタンドを握って、凛は目の前の光景に呑まれそうになる。それでも小さく深呼吸すると、凜の恐怖感はすっと消えていった。
「みんな、盛り上がってますかーっ!」
力の限りそう呼びかけるとなんと、力の限り客席も応えてくるではないか。空気がびりびりと震える。会場が揺れる。これで盛り上がるなというほうが無理!
「私たちの情熱をこのフェスに全力でぶつけます! 最後まで楽しんでいってくださいねーっ!」
ここまで元気よく告げると、凜は優を手招きした。
「じゃあ、続きは優くん、お願いねっ♪ 今回もかっこいいMC期待してるよー♪」
「……そう、だな……」
優も手慣れたもの、凜が場所を空けたのでフロントに立つも、その口調は普段と変わらない。
「よぉー、お集まりの皆さん。ネコフェスはどーよ?」
どっと高波のようなレスポンスが会場から返ってくる。結構、気持ちいい。
だが昂ぶる感情はおさえて優は続けた。
「……俺ぁもう、暑いしダリィしでもうよぉ……。あ? 俺のことなんかどうでもいいって? あー…そりゃたしかに」
ここでやや声を大きくして、
「ならよお前ら、テンションたっけーのと、しっとり落ち着いたの、どっちが好みだ? ……ああ、この場合は、雨寺と黒依のどっちが好みだっつー話だがな?」
耳に手を当てて回答を待つポーズ。
大観衆からは色々と声が返ってくるが、正直、渾然としてよくわからない。だがそれは予想のうちだ。優は両手を前に伸ばして続ける。
「……あー、オーケーオーケー。わかったから落ち着けって。まー行き成り言われても困るわな。色んな意味でよ? ……だから、二人の歌声を聴いてから判断しな!」
ダダン! ここでアリーセがアドリブで、ドラムのような音をシンセから飛ばした。
「惚れて告って玉砕しても、俺ぁ知らねぇぜ!」
もうひとつダダン!
「覚悟がある奴だけ聴いて行きなァ!」
ダン!
「軽音部だ!!」
優のコールが終わると同時に、ステージバックに軽音部の大きなフラッグがひろがった。
力強い、そのシンボル。
凜もアリーセもこの演出は知らなかったので、振り返って目を丸くしている。
「虚勢もロックだ! ってな」
ニヤっと笑うと優は客席を指さした。
「さて、やろうか。お二人さん?」
このときすでに、一曲目のギターリフが凜の右手からかき鳴らされている。
センターには凜、左右にアリーセと優。最強のトリオ編成。
オープニングナンバーはこの日のためのオリジナル曲、その名も『フェス』だ!
溶ける様な暑さ 凌いでく熱さ
最初の音から 全開で走り出す
想い込めた声に 強く弾く弦に
応える手 挙がってく 波の様に広がる
この場所で一つになる 押し合って跳び上がれ
この曲で一つになる 駆け出して回転しろ
跳べっ! 跳べっ! 跳べっ! 跳べっ!
ぶつかるついでにハイタッチ
回れっ! 回れっ! 回れっ! 回れっ!
感じるまま肩寄せ合って
この場所で一つになる 熱い音の 洪水に呑まれる
この曲で一つになる 想い繋ぐ うねりが生まれる
凜の力強いヴォーカルを、支えるのはアリーセのコーラスだ。
一度聴いてしまえば誰でも覚えてしまえるほどにメロディはキャッチー、あっと言う間に観衆はコーラスに参加した。
テンポは早め、疾走感があるのだが、優の力強いベース音があるから、軽薄にはならず豪快な印象がある。
「ハイ! ハイ!」
決めフレーズを弾きながら凜が右手を大きく振り上げて煽ると、客席からもたくさんの腕が上がった。一発で聴衆の心をつかんだのだ。
その聴衆のなかには
千鳥 雅人
の姿もあった。
「凛ちゃん! 最高だよー!」
雅人はあまり音楽には詳しくない。アイドルやミュージシャンもよく知らない。
けれど楽しい音楽、格好いい音楽、夢中になれる音楽はわかる。頭ではなく、心と体でわかる!
もう後ろのほうで観ている場合じゃない、雅人は人混みを縫うようにして、どんどんステージ前方へ向けて突き進んでいった。
長めにとった間奏部分で、凜はリズムに乗りながら告げる。
「じゃあメンバー紹介をしようかなっ!」
怒濤の声援に負けじと声を張り上げた。
「シンセ、黒依アリーセ!」
アリーセが美しい姿勢でお辞儀した。
「ベース、吾妻優!」
優は不敵な表情で手を振る。
「そして私が軽音楽部副部長、ギターの雨寺凛です!」
言うなり凜は鬼気迫る指使いで、雷鳴のように凄まじいギターソロを開始した。
目にもとまらぬフィンガリング。名のあるギタリストでも手元に集中しなければ奏でられないような超技巧フレーズを、凜は笑顔で、しかも観客を見回しながら巧みに弾きこなしている。
無数の観衆の中に凜は、見覚えのある白髪頭を見つけていた。
軽音楽部顧問の
泉 竜次
だ。
熱いロック魂を持つ竜次である。天をつく彼の拳の勢いは、周囲の若者の誰にも負けていない。
泉先生、カッコイイ! 凜のテクにさらに磨きがかかった。
もう一度印象的なサビメロディを繰り返して、曲は最高の状態で終わった。
「さぁ、フェスはまだまだこれからだよ!」
ギターを大型トラックのエンジンのようにバルバルバルッと鳴かせて、センター位置を凜はアリーセと交替した。
とたん、透き通るように煌びやかなイントロが流れはじめる。金の音叉が鳴っているような。
しっとりとしたバラード調。凜は誇りを持って紹介した。
「私の大切な友達、アリーセちゃんが歌います。曲は、『夏の夜空』!」
アリーセは微笑すると、水晶のような歌声を披露するのである。
夏の夜空見上げる 別々の窓辺から
届かないと 知って呟く 言えなかった ゴメンネ
夏の夜空見つける 同じ星偶然
気付かないで そっと囁く 今すぐに逢いたい
余計なひと言 止まる会話 遠ざかるアナタ 振り向かずに
止められぬ私 伸ばした指 痺れた様に 弾けて曲がる
心刺す後悔 溢れ出す感情 零れぬ様見上げる
夏の夜空見つめる 星で想い重なる
逢える予感 心沸き立つ 走り出すあの場所
夏の夜空見守る 二人だけの場所で
声にならず 涙零れる 本当に逢えるなんて
星が夜空流れる 慌てて立つ二人
見合わす顔 想い同じで 浮かぶ照れた笑い
願い事は目の前に
まだ昼の時間帯だ。しかし頭上に満天の星空が輝いたように、錯覚した観衆も多かったのではないか。
アリーセの美声は天鵞絨のような夜の闇を、あるいはそこに浮かぶ宝石のような星々を、見事に表現しつくすものだった。
おりよく涼やかな風が吹き込んだが、これとて、アリーセの声が招いたもののようだった。
凜のギターも優のベースもここでは控え目、しかしこの両者の助けがなければ、ここまで幻想的な完成度になったかどうかはわからない。
人々の心を幻想の世界に奪い去り、溶けゆくようにしてアリーセの歌は終わった。
「ありがとうございましたー!」
大歓声に送られ、ピックをばら撒いて舞台袖に戻った凜を、
夢宮 瑠奈
が待ち構えていた。
「お疲れさま!」
「あ、瑠奈ちゃん! アイドルとして参加するんだね!」
瑠奈はヘッドセットマイクを装着し、印象的な真っ赤なリボンで髪を留めている。貝殻のようなフリルをあしらった水色の衣装も、夏らしくて目に愉しい。
「ステージ、三人ともすっごく良かった! あたしもみんなくらい自信満々になりたいなぁ」
「夢宮さんなら大丈夫。可愛い歌声とダンス、楽しみにしてるわ」
アリーセは額の汗を拭いながら、みずからの言葉に自信をもってうなずいた。
「ま……頑張ってこいよ。俺もこっから、観客として楽しませてもらうとするかな」
優の口調はぶっきらぼうだが、そこに込められた感情は優しい。
「じゃあ楽しんできてね! 楽しむのが一番、ネコフェス最高!」
凜は両手をあげた。瑠奈は応じてハイタッチする。
「うん! ネコフェス最高! 今回は一緒の舞台じゃないけれど、みんなが熱くしてくれたステージを受け継いで頑張ってくるね!」
そこに息せき切って、雅人も駆けつけていた。
「凛ちゃ……凜ちゃん! 瑠奈ちゃんも!」
文字通り全身、滝のように汗をかいている。だが笑顔だ。
「雅人くん!」
「千鳥くん!」
思わず凜、瑠奈の順で彼とハイタッチしていた。
「凜ちゃん、ステージ、とってもカッコよかったよー! この前のゲリラライブを越えたかも! 瑠奈ちゃんは次が出番なんだね! 頑張って!」
応援してるから、と言い残すと、雅人は戦いに臨む猫の尾のようにアホ毛をピンと勇ましく立てて客席に駆け戻っていった。もちろん瑠奈の晴れ舞台を鑑賞するためだ。忙しい! でも充実している!
ここでリッカルド校長の紹介が聞こえてきた。
「さあ、次はアイドルグループ『CitrusCat's』から『末明せれね』の登場です! 拍手でお迎えください!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
91人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月09日
参加申し込みの期限
2014年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月16日 11時00分
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