【ネコミケ】修羅場を超えろ！寝子島大爆発！（芸術的な意味で）｜リアクション

【ネコミケ】修羅場を超えろ！寝子島大爆発！（芸術的な意味で）

　そこへ八十八旗と志波がここでもお邪魔してきた。
　事情を聴いていた３人は、早速撮影してもらいながら作業をし始める。
「小萩は存在そのものがすでに芸術ですからね！　まんがを描いてるところで良ければどんどん撮ってください！」
　八十八旗からの注文に、
「シャツの襟元から谷間チラですか？　え、えっちなのはだめです！」
　と顔を赤らめた。
「白き光は六花の輝き！　白雪の騎士、ノーラ・ブランネージュ！　さぁ、ポーズの要望はあるかしら？」
　コスプレ衣装のキャラに入り込んだ北原は性格が一変するようだ。
（あ、そうだ！　漫画のキャラ設定を練り直すというか、いっそノーラの衣装もリニューアルして、それから出来上がった衣装を実際に着た姿を写真集にしてそれを課題として提出すればいいじゃない！　さらに文化祭で実際に着た衣装を展示するの、これで一石四鳥！）
　ということで、この女騎士、ノリノリである。
「あと、こっちもおねがい……だにゃー」
　恥ずかしがりながらも、謎のキモさと可愛さが融合した猫着ぐるみを着込む北原。
　こちらも写真集に掲載希望のようだ。
「サ、サービスカットがほしい？　えっと、今、ちょうど虎柄ビキニの水着が……って、駄目ー！」
　深夜テンションなのか、八十八旗の注文がエスカレートしていっている。
　志波は流石に脱ぐのに疲れたのか、普通に撮影していたのだが？
「ブ、ブドー先輩！　あ、あの！」
　響が顔を赤く染めて志波に近付く。
　手には、人物のポージングが乗っている写真集が。
「き、筋肉の質感がうまく出せないんです……、ぬ、脱いでもらえませんか？」
　女子がこのセリフを言うのは勇気がいる。
　志波はこの勇気に応えるべく、すぐに生神速脱衣を披露。
（猫の姿でまじまじ見たばかりだけど、やっぱり目の前で見たいよね♪）
　響はドキドキしながら、笑顔でポージングをする志波をデッサンし続けた。
「次、こ、これお願いします！」
「タルトちゃん、ヨロコンデー☆」
「デラっち先輩、写り込もうとしないでよ！　シッシ！」

　本条はいつの間にか仮眠をとっていた。
　その寝顔は幸せに満ちていた。
「むにゃむにゃ……、流石は小萩なのです……一段と……面白い漫画……描けたのです……すやぁ……」
　おやすみなさい、ko-ha-gy！

　ふと北原は考えた。
（これって、もしかして神魂の暴走？　だとしたらクローネの悪事？　だったら見つけないと！）
　ようやく異常を認識した北原、だが、撮影の快感にどっぷりハマった彼女は、次第にクローネのことなど気に留めなくなっていく。
「さぁ、今度はどんなポーズがお好みかしら！？」
　ノーラさんの撮影は快調だ！

　そして、朝。
　撮影の腕が素人並に戻ってしまった２人だが、その表情は穏やかだった。
「美女の写真がこんなに集まったよ！　これで課題はバッチリだ！」
　八十八旗が満足そうに言えば、志波も会心の笑みを見せた。
「あちゃー、やっぱ神魂のチカラは長続きしないかー。でも、みんなの笑顔の写真が集まったからいっか……」
　２人のデジカメのデータには、少女の笑顔ばかりが写っていた。
　不思議な充実感が、胸の中で満ち溢れているのを感じた。

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