【ネコミケ】修羅場を超えろ！寝子島大爆発！（芸術的な意味で）｜リアクション

【ネコミケ】修羅場を超えろ！寝子島大爆発！（芸術的な意味で）

【爆発レベル７：みんなで爆発！】

「ただいまー、やっと帰れたー！」
　響タルトが桜花寮の自室に戻ると、北原みゆきと本条小萩が「おかえり！」と出迎えてくれた。
　響と北原は、午前中から高校の美術室で漫画を書き上げたり、コスプレ衣装を作ったりと協力し合っていた。
　だが夕方４時を回ってからの神魂タイムで創作意欲に火が付いた２人は、響の寮室で作業を継続することに。
　寮友はちょうど今日は寮を空けているため、迷惑は掛からない。
　そして北原が友人の本条が桜花寮住まいだったことを思い出し、連絡を付けて合流を果たしたのだ。
「遅かったねーって、タルトちゃんが全裸！？　なんで外から？　シャワー浴びてたんじゃないの！？」
　北原が慌ててタオルを響に投げ付けた。
「あははは……、人に見付からないようにコソコソ帰ってきたよー」
　気分転換に服を脱いでシャワーを浴びたら、彼女のろっこんが働いて猫化してしまったのだ。
　ついでに夜の散歩を行い、志波たちを助けた直後に人間に戻って大慌て！
　苦笑する響に、本条はよく育った胸を弾ませる。
「ぬー、マジックですか！？　いつの間にかシャワー室からテレポートですね！　小萩もこれには驚きを隠せません！」
　本条はもれいびではないので、響の脱出マジックだと思い込んでいる。
　北原はなんとなく察したようで、小声で「大変だったね」と気遣いを見せてくれた。
「ところで、２人の進捗はどんな感じ？」
　下着と部屋着を身に付けながら、北原と小萩に尋ねた。
　北原は目を輝かせながらコスプレ衣装を見せ付ける。
「午前中のモヤモヤが嘘みたい！　選択科目の宿題、ネコミケに出すファンタジー漫画とシュールギャグ漫画の２本、それに美術部の先輩（霧切翠子）に釘を刺された文化祭の出し物、もう終わりそう！　これなら何着も作れそう」
「小萩も信じられません！　漫画を描くのが気持ちいいです！　夕方に買い込んだノート５冊があっという間に埋まりそうです！」
　２人とも神魂の影響をモロに受けているようだ。
「そういうタルトちゃんだって、寮に来てからはバリバリ進めてたよね？」
　北原の言葉に力強く響は頷いた。
「クーラーの効いた美術室でもはかどったけど、ここに来たらなんだかやる気が湧いてきたぞ～って感じで！　あ、今描いてるのは、こないだ夢で見たゾンビのゲームネタで主人公はもちろん美少年で、自分を庇って噛まれてしまったイケメンの優しい精悍な肉体の青年のために必死で特効薬を探すんだー。でね？　別のグループの鬼畜眼鏡な攻め系美青年が特効薬を持っていると聞いて、真夜中に１人で彼に会いに行き、譲ってもらうために身を差しだして……ああこれ、１巻で終わるの惜しいよ！　やっぱりＢＬは最高だよね♪」
　響のマシンガントークに、腐の趣が薄い２人はポカーンとしていた。
「よく分かりませんが、小萩の漫画に匹敵するくらいの面白さですね！」
　本条は書き上げたノート５冊をテーブルの上に置いた。
「才能にあふれる小萩ですが、今日はいつもにもましてアートを創りました！　良かったら是非読んでみて下さい、超大作『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』を！　本編３冊・外伝１冊・設定資料１冊の大ボリュームです！」
　恐る恐る響と北原はノートを開いた。
「こ、これは……！」
　響が唸る！
「止まらないよ、面白すぎる！」
　北原も興奮！
　超大作『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』とは、本条小萩という美少女が魔法少女ko-ha-gyに変身して困っている人を助けたり悪と戦ったりする話である。
　運命の恋人と街角で偶然出会ったのをきっかけにko-ha-gyが失われた古代文明の姫君だったことが判明。
　そこでいままで放置されていたのだが、今夜、新たに世界境界線を突破後に失われた古代文明の未来を救うべくタイムリープに挑むko-ha-gyが追加されたのだ。
　神魂効果でプロ顔負けの出来栄えになっているのもポイントだ。
「流石は小萩なのです、大絶賛されるのは当然ですね！」
　彼女は『自分はすごい』と無根拠で思い込んでる超ポジティブ少女なのだ。