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Summer night pleasur
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「蔵人さんってよくこういうところに来るんですか?」
「流石にこんないい所、ちょくちょくは来れないよ。出版社の人に連れて行って貰う事はよくあるけどね。これでも物書きでね」
「兄ちゃん、小説とか童話書いてるんだ。最近有名なのはエッセイで……」
「へえ~!」
三人の声を聞きながら、渚砂は何処か落ち着かない様子でシャツの襟を直した。
(こういうキチッとした格好、こういう場所は何度来ても慣れないな……)
以前の記憶がなく、弟同然の家主と一緒に星ヶ丘寮で暮らす渚砂も、意識の底に庶民的な習慣が根付いているのかも知れない。
注文された品を届けるボーイの所作ひとつとっても洗練されていて、別世界のようだ。
蔵人が食前酒風に頼んだ軽いカクテルを飲んだ後、譲の目はカクテルのメニューの上で迷っていた。
「酒もつまみも気にするな。これでもそこそこ稼いでるんだ。それ位は年長者として持たせて貰うさ」
「ゴチです!」
「太っ腹だな……!」
どっしり構えた蔵人に、祐と渚砂が目を輝かせる。
でも三人はちょっと多いかな……と内心思いつつ。
「だが、奢りだからってはしゃいで飲むんじゃないぞ。楽しい酒はいい酒だが、ここは落ち着いて飲む場所だ。雰囲気も味わおうぜ?」
「「大人だ……」」
「兄ちゃんカッコいい」
洒落た席に似合う言い回しに、三人とも感心したようだ。
「でもカクテルって沢山あるんだね。どれがいいかわからないや……」
しばし悩んだ後、譲はそうだと顔を上げた。
「バーテンさんに俺のイメージで作って貰おうかな! なんかこういうの大人って感じするし!」
「わたくしがお作りしてよろしいでしょうか?」
譲が頷くと、若いボーイは心なしか足取り軽く戻って行った。
ほどなくして出来てきたのは、淡い菫色のグラデーションが印象的な、落ち着いた雰囲気のカクテル。
「綺麗だなぁ……」
「こちらはバイオレットフィズになります。今夜のお席がお客様の素敵な思い出になりますようにと、作らせて頂きました」
説明するボーイに礼を言って口にしたカクテルは、本当に菫の花のような風味が漂う、甘めながらすっきりした飲み口だった。
譲がグラスを手に笑みを浮かべていると、なにやら丁度渚砂のスイッチが入ったらしい。
「今日は大人たちの飲み会としてアドバイス貰ったりカクテルの名前でしりとりしたりしよう! TAS!」
「はい!?」
「お兄さんから行くぞ! スクリュードライバー!」
「……ば、ばっ馬刺しソーダ!」
ジントニックのグラスを落としそうになりながら、祐がお約束を言うと、渚砂は目を丸くした。
「馬刺しソーダなんてあるのか!?」
「あります、カッコ多分カッコとじ」
ノリで答えてしまう祐だったが……
流石になかった。
「面白いな、君たち」
馬刺しのカルパッチョ風おつまみを前に、蔵人は色々と話を聞きたいなと目を細めた。
「話かぁ……」
「譲もここ数年、海外で色んな出来事を体験してきただろう?」
一体どんなものを見てきて、どんな事を感じたか……そういったものを知りたいと、蔵人は近しい者としてのものと興味深さが入り混じった視線を送る。
「そうだなぁ……現地の子供が可愛かったかな」
譲は少し懐かしむように、手許のグラスに視線を落とした。
「『ジョー! 遊んでー!』って駆けて来るんだよね。言葉通じないこともあったけど、なんていうかそこら辺はフィーリングでカバー出来るっていうか」
「子供は何処でも、国境の壁が低いのかも知れないな。それに、ボディランゲージは世界共通だ」
と笑む蔵人も、気分が高まって伝えたい想いに満ちている時には、老若男女問わず抱きついたりするのだ。
職業柄、旅の途中紛争地域などに滞在する事もあったが、譲は湿っぽい話は出さなかった。
ここで口にするには、悲しくてやるせない出来事も少なくはなかったから。
そんな彼の様子を、蔵人は何を言うでもなく見守っていた。
「じゃあTAS! こういう時だ、恋の相談とか言っちゃってみよう!」
満面の笑みでグラスを掲げる渚砂を、祐はしげしげ見た。
「渚砂さん……もう酔っ払ってるだろ」
「なにー! お兄さんはまだ全然酔ってないぞ」
(酔ってる人って、本当にこういう事言うんだ)
譲は思わずクスリと笑った。
「まあ、恋について話そうとは思ってたけど……」
そう言って、祐は姿勢を正した。
「守ってあげたい人がいるんだ。少しドジだけど、勉強熱心で優しくて頑張り屋な人。あの人のためならなんでも出来そうだ……俺がいつか幸せにする!」
「ほう、彼女がいるのかい?」
「まだ付き合ってません!」
興味を示した蔵人に、ドきっぱり返す祐。
「TASの方が酔ってるだろう……」
「もうなにがなんだか」
渚砂と譲は顔を見合わせた。
「幸せな家庭を築く事が、ずっと前から夢だったんだ……」
磨き上げられたガラス越しに見える星空を眺め、祐は呟く。
「なるほどね、うちの挿絵の夜目倉さんが言ってたよ。女性との交流は男をより魅力的にするってね」
同じ景色を眺めながら、蔵人は目を細めた。
「夜目倉さん?」
「ああ、よく俺の本の挿絵を描いてくれるイラストレーターさんだよ」
祐が目を瞬かせると、蔵人が教える。
「年齢も性別も分からないって聞いたけど、兄ちゃんは知ってるの?」
「さあ……」
従兄弟に問われ、彼は肩を竦めて見せた。
「お、お兄さんの話も聞いてくれないか」
ゴト、とテーブルにグラスを置いて、渚砂はなんだか真剣な顔。
祐は片眉を上げた。
「何、渚砂さんもコイバナか?」
「ちょ、違う違う、家族の事だ」
渚砂は居候先の弟のような相手が、最近色々あったようで疲れ気味に見える事を気に掛けていた。
「自分はどうすればいいんだろうか? やっぱりマ、マッサージとか?」
「疲れには暖かい思いと風呂と酒かな」
「だからあいつはまだ酒が飲める年じゃないって」
選択肢の最後に酒を入れる祐に、渚砂が突っ込みを入れる。
「ふむ……酒が飲める年なら飲みに誘うのも良いけど、そういう訳にもいかないよな」
蔵人は顎に手を当てた。
「こうして気に掛けてくれる人がいると知っているだけでも、随分気持ちが楽になると思うんだけどね」
そう言って彼は微笑む。
「フッ、なんだかLOVE&PEACEじゃねぇの。応援したくなるぜ」
祐もニッと笑う。
「譲相手もそうだけど、そういう相手と一緒に酒飲むのって結構憧れなんだよね」
いつか一緒に飲めるといいねと蔵人が締め括って、その後はちょっとした悩みや苦労話などを交わす時間が、ゆっくりと過ぎていった。
(やっぱり小さなことでも頑張ってみるのが大事だな……)
なんて心中で頷いていた筈の渚砂は、いつの間にかくてっとソファにしなだれ掛かっていた。
「渚砂さん……大丈夫か?」
祐はそっと彼の肩に手を置いた。
ストレートのウィスキーや、試してみたかった日本酒のカクテルに付き合ったせいだろうか。
「うーん……絶対、あのランドに連れてってやるからな……」
気持ちよさそうな寝息の合間に返ってきたのは、どう考えても寝言だ。
「酒が強かったか? もういい時間だし、お開きにしよう」
蔵人がチェックを頼んでいる間に、渚砂を運ぶのを手伝おうと数人のスタッフが寄ってきた。
(4人分……確かに多いけど、思ったほどいかなくてよかったな)
支払いを済ませてほっとひと息、立ち上がった蔵人に倣って腰を上げた譲が、ちょっとフラつく。
「大丈夫か?」
「うーん、結構酔ったかも……調子乗っていっぱい飲んじゃったけど俺酒弱いんだった……」
カクテルの中には意外とアルコール度数が高いものもあるし。
「蔵人さんにお支払いして貰った恩もあるし、ちょっと部屋で休んでいかないか?」
「いいの?」
天使のような蔵人を心で拝みつつ、祐は二人に声を掛けた。
部屋に宿泊外の者を泊めるのは問題だが、招いた客人をもてなすくらいは大丈夫だろう。
祐はスタッフに手伝って貰って渚砂を部屋に運び、冷蔵庫からミネラルウォーターを3本出した。
ひんやりした水が、火照った身体には清々しい。
洒落た洋館のような設えの窓辺に立つと、部屋からの景色もなかなかのものだ。
(いつか、彼女もここへ連れてきたいな……)
見上げた雲ひとつない夜空には、瞼の裏に思い浮かんた笑顔のような、美しい星が瞬いていた。
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担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月21日
参加申し込みの期限
2014年05月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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