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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
おいでませ！ おひとりさま
「何年前の花火だよ、これ？！」
佐々 藤寿は、浜辺で素っ頓狂な声を上げる。
妹と一緒にやるはずだった花火は、日焼けして製造年月日がもう読めない。
（一人でやってていいと言われたが、もし湿気ってたら使い物にならねーぞ……）
やりたがっていた妹は合宿でこれない。
思わず、知ってて藤寿に押し付けたのではないかと疑いたくなってしまう。
友人といえばむさい男共ばかりで、女っ気なんて少しもない藤寿。
だが手元の花火を捨てるのも忍びないわけで。
「やりゃぁいいんだろ、一人で！」
半ば、やけくそ。
「おーい、そこのにーちゃん！ バケツよこしやがれや、です」
近場の海の家の店員に、藤寿は無茶苦茶な言葉遣いでバケツを頼む。
子供用のしかありませんがという店員に、かまわねぇかまわねぇと頷く藤寿。
彼の身体に不釣合いな小さなバケツを受け取って、藤寿は海辺に屈みこむ。
バケツごと海に腕を突っ込むと、ひんやりとした海水に藤寿は口の端をにやりと引き上げる。
「おうおう、結構冷えてるな」
バケツにたっぷりと汲んだ海水は、月を写しこんで揺らめいた。
月の光りを頼りに、藤寿はライターをポケットから取り出して付ける。
適当に片手で花火の袋をこじ開けると、おもむろに一本つけてみる。
「……よし、火がついた。意外と湿気てないみたいだな」
日当たりの良い場所に置いてあったのかもしれない。
花火の先端から黄色と赤の二色の火花が飛び散り、藤寿の子供心を刺激した。
（人もいないし、ちょっとぐらい振り回してもいいか）
藤寿は二本目の花火に火をつけ、杖を掲げるようにビシッとポ－ズを決める。
「出でよ！ 大人しくてしっかり者な、俺の理想の彼女！」
魔法使いの杖のようにきらきらと輝く花火に、藤寿はそんなことを叫ぶ。
と、その瞬間。
「真央ちゃんなのだ、一緒にＵＭＡを探すのだ！」
「うおおおおおおお？！」
ババーーーーーンっ！
河童コスプレ姿の真央が、藤寿の前に飛び出した。
思いっきり仰け反る藤寿。
「さぁ、そこの兄貴！ 真央ちゃんと一緒にレッツ河童！」
「いやいやいやいや？ お前、誰だよ？！」
「ＵＭＡ捜索隊の真央ちゃんなのだ！」
もはや会話が成立していないレベル。
いや、成立はしているのだが問題はそこじゃない。
真央は問答無用に藤寿に褌を手渡してくる。
とりあえず帰れといいかけて、藤寿は気づく。
（いやいやいや、落ち着け、俺。こんな時間に女の子をほうっとくわけには行かないだろ）
昼間ならともかく、いまは夜。
深夜とまでは言わないが、周囲に自分と真央以外、人気がない。
こんな場所から女の子、しかもかなりある意味やばい子を帰らせるのは危険だ。いろいろな意味で。
「なぁ、真央だっけか？ お前も一緒に花火やらねぇか？」
「おおっ、真央ちゃんは花火もすきなのだ、やるのだやるのだ」
「だよな。とりあえずその、のぼり？ ＵＭＡ探検隊の旗はその辺の砂浜にぶっさして、荷物はこっちに置けや。そうそう、花火の火が飛んで燃えたらヤバイからな。準備できたか？」
「完璧なのだ！」
「よし、ほら、一本もってみな」
「おおっ、激しく火花が散るのだ、格好いいのだ！」
はしゃぐ真央に、妹を見るような目つきになる藤寿。
「こっちの打ち上げ花火もどうよ」
「どんどんあげるのだ、河童にも見てもらうのだ」
「おう、どんどん見てもらえや」
浜辺に次々とセットして、藤寿は一本ずつ火をつけていく。
「たーまやーーーーー！」
「かーぎやーなのだっ！」
はしゃぐ二人。
藤寿は残ってる打ち上げ花火を一本手にとって、そのまま火をつける。
「喰らえ！ ファイアフラワバズーカ！」
「おおおおっ、敵が見事に吹っ飛んで言ったのだ、流石なのだ！」
（こんなとこ妹に見られたら爆笑されるな。むしろ可愛い彼女ができてよかったわねとでも言われかねねぇか？）
そんな事がふと脳裏を過ぎったが、それはもう、後の祭り。
楽しい時間は一瞬で過ぎ去り、心地よい疲労感が二人を包む。
「うっし、全部使い切ったな。真央、そのゴミはこっちのバケツに突っ込みな。浜辺は汚しちゃなんねぇぜ」
「もちろんなのだ、汚すと河童が住めなくなるのだ」
「住処っていやぁ、お前の家はどこだよ」
「真央ちゃんは猫鳴館に住んでいるのだ」
「送ってってやるぜ」
「真央ちゃん感激なのだ、お猫様のように嬉しいのだ」
何の疑いもなくついてくる真央にやっぱり心配になる藤寿だったが、きっちり、真央を猫鳴館まで送り届けた。
佐々 藤寿は、浜辺で素っ頓狂な声を上げる。
妹と一緒にやるはずだった花火は、日焼けして製造年月日がもう読めない。
（一人でやってていいと言われたが、もし湿気ってたら使い物にならねーぞ……）
やりたがっていた妹は合宿でこれない。
思わず、知ってて藤寿に押し付けたのではないかと疑いたくなってしまう。
友人といえばむさい男共ばかりで、女っ気なんて少しもない藤寿。
だが手元の花火を捨てるのも忍びないわけで。
「やりゃぁいいんだろ、一人で！」
半ば、やけくそ。
「おーい、そこのにーちゃん！ バケツよこしやがれや、です」
近場の海の家の店員に、藤寿は無茶苦茶な言葉遣いでバケツを頼む。
子供用のしかありませんがという店員に、かまわねぇかまわねぇと頷く藤寿。
彼の身体に不釣合いな小さなバケツを受け取って、藤寿は海辺に屈みこむ。
バケツごと海に腕を突っ込むと、ひんやりとした海水に藤寿は口の端をにやりと引き上げる。
「おうおう、結構冷えてるな」
バケツにたっぷりと汲んだ海水は、月を写しこんで揺らめいた。
月の光りを頼りに、藤寿はライターをポケットから取り出して付ける。
適当に片手で花火の袋をこじ開けると、おもむろに一本つけてみる。
「……よし、火がついた。意外と湿気てないみたいだな」
日当たりの良い場所に置いてあったのかもしれない。
花火の先端から黄色と赤の二色の火花が飛び散り、藤寿の子供心を刺激した。
（人もいないし、ちょっとぐらい振り回してもいいか）
藤寿は二本目の花火に火をつけ、杖を掲げるようにビシッとポ－ズを決める。
「出でよ！ 大人しくてしっかり者な、俺の理想の彼女！」
魔法使いの杖のようにきらきらと輝く花火に、藤寿はそんなことを叫ぶ。
と、その瞬間。
「真央ちゃんなのだ、一緒にＵＭＡを探すのだ！」
「うおおおおおおお？！」
ババーーーーーンっ！
河童コスプレ姿の真央が、藤寿の前に飛び出した。
思いっきり仰け反る藤寿。
「さぁ、そこの兄貴！ 真央ちゃんと一緒にレッツ河童！」
「いやいやいやいや？ お前、誰だよ？！」
「ＵＭＡ捜索隊の真央ちゃんなのだ！」
もはや会話が成立していないレベル。
いや、成立はしているのだが問題はそこじゃない。
真央は問答無用に藤寿に褌を手渡してくる。
とりあえず帰れといいかけて、藤寿は気づく。
（いやいやいや、落ち着け、俺。こんな時間に女の子をほうっとくわけには行かないだろ）
昼間ならともかく、いまは夜。
深夜とまでは言わないが、周囲に自分と真央以外、人気がない。
こんな場所から女の子、しかもかなりある意味やばい子を帰らせるのは危険だ。いろいろな意味で。
「なぁ、真央だっけか？ お前も一緒に花火やらねぇか？」
「おおっ、真央ちゃんは花火もすきなのだ、やるのだやるのだ」
「だよな。とりあえずその、のぼり？ ＵＭＡ探検隊の旗はその辺の砂浜にぶっさして、荷物はこっちに置けや。そうそう、花火の火が飛んで燃えたらヤバイからな。準備できたか？」
「完璧なのだ！」
「よし、ほら、一本もってみな」
「おおっ、激しく火花が散るのだ、格好いいのだ！」
はしゃぐ真央に、妹を見るような目つきになる藤寿。
「こっちの打ち上げ花火もどうよ」
「どんどんあげるのだ、河童にも見てもらうのだ」
「おう、どんどん見てもらえや」
浜辺に次々とセットして、藤寿は一本ずつ火をつけていく。
「たーまやーーーーー！」
「かーぎやーなのだっ！」
はしゃぐ二人。
藤寿は残ってる打ち上げ花火を一本手にとって、そのまま火をつける。
「喰らえ！ ファイアフラワバズーカ！」
「おおおおっ、敵が見事に吹っ飛んで言ったのだ、流石なのだ！」
（こんなとこ妹に見られたら爆笑されるな。むしろ可愛い彼女ができてよかったわねとでも言われかねねぇか？）
そんな事がふと脳裏を過ぎったが、それはもう、後の祭り。
楽しい時間は一瞬で過ぎ去り、心地よい疲労感が二人を包む。
「うっし、全部使い切ったな。真央、そのゴミはこっちのバケツに突っ込みな。浜辺は汚しちゃなんねぇぜ」
「もちろんなのだ、汚すと河童が住めなくなるのだ」
「住処っていやぁ、お前の家はどこだよ」
「真央ちゃんは猫鳴館に住んでいるのだ」
「送ってってやるぜ」
「真央ちゃん感激なのだ、お猫様のように嬉しいのだ」
何の疑いもなくついてくる真央にやっぱり心配になる藤寿だったが、きっちり、真央を猫鳴館まで送り届けた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年05月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年05月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年05月25日 11時00分
