夏空にたなびけ、大和の旗！｜リアクション

夏空にたなびけ、大和の旗！

　ここまで男子男子、男子と野郎の肉体の続く男子男子レボリューション。
　皆様、お待たせしました、ここからいよいよ女子の登場だぁー！　フッフー！
　……のはずなのだが、にゃはーっとプールサイドに飛び出した、後木真央は何故かＴのシャツに学校ジャージ……。
　煽っておいてすみません。なんか、その……本当にすみませんでした。
「１人でも多くフンドシ愛好者を増やすのだブラジリアン水着に負けないカッコよさを見せつけるのだ」
　そう言うと、真央は衣服をパージ。青空にＴシャツとジャージが舞う。
　金ラメの晒（フリンジ付き）と褌の彼女の健康的な身体が露になった！
　男子の裸ばかりで女体欠乏症に陥っていた青春男子から、野太い、おおおおーーーっ！！　の声が上がった。
　おおおおーーーっ！！　と歓声を送るにしては、真央はちょっと見所少なめボディ過ぎやしないか、というご意見もあると思う。
　しかし、空腹は最高のスパイスなんやでぇ……！（何故か関西弁でお送りしております
　駆け出した真央は、オーディエンスの前の乾いた床を目がけて、走り込み側転数回から前転の大技を披露！
「おおおーーっ！　す、すげぇ！　後木の運動神経どーなってんだ！？」
「わぁ。真央ちゃん、かわいい……。がんばれー。女子も応援してるよーっ！」
　それから、創作ダンスのように回ったりスキップしたり、逆立ち歩行したりして、褌の派手さ堅牢さをアピール。
「昔の人は褌教練普通なのだやればできるのだ」
　これは褌が主役の大会。だから、肉体の誇示もいいけれど、褌の優れた点を知らしめることも大事なのである。
　これには校長先生も思わず立ち上がり、拍手を送った。
「ほっほっほ。褌のことをよくわかってる子だね。感心感心」
「校長先生に褒められたのだうれしいのだー」

「真央ちゃん、盛り上がってるのにゃー」
　続いての登場は、同じ陸上部の青物といき。
　しかし、彼女のアピールにはちょっとした協力が必要……なので、きょろきょろと力を貸してくれそうな人を探していた。
　そんな彼女の猫のような大きな瞳に止まったのは、控え室を落ち着きなく歩いていた朝陽。
「……なっ、なんだよ。そんな格好でうろつきやがって……」
「ちょっとお願いがあるのにゃー」
　ごにょごにょと耳打ち。
「はぁ！？　な、なんで俺がそんなこと……！？」
「……あ、もう時間なのにゃ。お願いするのにゃー」
　ちょっと待てよ、と背中にかかる声を置いて、彼女はプールサイドに。
　白スクと同じ素材でできた褌の上にさらりとした綿素材の伝統的な褌を重ね履き。
　晒も同じスク水素材の上に綿素材の晒。上の褌には、彼女のエクステと同じカラフルな線模様を入れて合わせいる。
　古風な褌をお洒落に見せるといきに、かわいい……、と女子からため息のような声が上がった。
「褌だって、頑張ればかわいく着こなせるのにゃ♪」
　といきは微笑みながら、審査員席の浅井先生を見た。
　担任であり、陸上部の顧問である浅井先生。最近、ちょっとしたことがあって、彼女は先生のことが気になり始めている。
「先生もかわいいって思ってくれてるかにゃ……」
　こんなかわいい想いを秘めた視線を向けられても、そこは体育バカ一代の浅井先生クオリティ。
「……ん。青物のやつ…………頑張ってるなっ！！」
　ビシィと親指を立てる先生の姿に、……たぶん伝わってないにゃ、と肩を落とすといき。
　しかし、まだ彼女のアピールは終わっていない。
　頃合いを見て、ポーズを決めたその時、タイミングを見計らっていた朝陽がプールサイドの水道の蛇口を全開にした。
　勢いよく上がる水柱を手で押さえると、ビューッと水は飛沫を上げて、といきを直撃ッ！
　白い晒と褌が水でびちゃびちゃ……これ即ち、濡れスケ……！！
「にゃー！！　といきがすけすけといきになっちゃうにゃー！」
　うおおおおおおーーーーっ！！　とオーディエンスからひと際は大きな歓声がっ！！！
「……と思った？　残念。下にスク水を……ってこれも白だし！」
　にゃーっ！　と慌てて身体を隠して、といきは控え室に走っていった。
　ぺちゃぱいの彼女なりに頑張った、わざとらしいお色作戦だったが、それなりに盛り上がったようである。
　これは高得点が期待出来そうだ。

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