真っ白な雲が青空を流れて行く、夏休み。
しばしの休息をもらった寝子高だが、休暇の間でも生徒の姿が絶えることはなかった。
グラウンドには部活に精を出す生徒の姿、図書室には夏休みの宿題に励む生徒の姿も見える。
そして、解放されたプールには楽しく遊ぶ生徒たち。
皆、それぞれの夏休みを学校で過ごしているようだ。
「ふわぁー……。今日もあっついよぉー……」
頬をたらりと伝う汗を拭い、
ののこはプールへの道をとぼとぼ歩いていた。
こんな日にはプールで遊んで、商店街でアイスを食べて、神社のほうへブラブラお散歩。
それはきっと幸せな夏の日の過ごし方。
ところが今日のプールはちょっと様子が違ったのである。
「今日は褌のお祭りなのだ。みんな、この青空にはたはた褌をはためかせるのだ」
褌をばしっと締めて、にゃはははっと笑うのは
後木 真央。
そう、今日は待ちに待った
“褌水泳大会”なのだ!!
いや、どれだけの人が待っていたのか定かではないが……。
どうやら古き良き日本の伝統文化に触れようという大会らしい。
既に、プールの周りには、なんだなんだと校内の野次馬が集まっている。
「ふんどしの大会かぁ。おもしろそうかも……」
ののこの瞳はきらきらと好奇心に彩られていた。
ひと夏の思い出に、皆さんも褌水泳大会に参加してみては如何だろうか。
マスターの梅村です。
シナリオ『ドキッ校長だらけのうんたらかんたら』で提案された、褌水泳大会が開催される運びとなりました。
ののこも参加する気まんまんのようです。
【褌水泳大会】
学生なら誰でも参加は自由です。
参加の際には褌を着用すること(柄、素材は自由。どんなものでも可)。
女子の参加も可。ただし、女子の場合、褌のみでは許されない世知辛い世の中なので、晒の着用を義務づけます。
【競技のルール】
褌水泳大会では3つの種目が行われます。
*褌プールサイドウォーキング*
自慢の褌姿を見せ付けて、美しさを競う競技です。
持ち時間はひとり3分。プールサイドをぐるりと一周する間に、審査員やギャラリーにアピールしましょう。
褌の着こなし、どんなパフォーマンスを見せるか、ギャラリーの反応等が採点基準となります。
*褌50m自由形*
従来の50m自由形を褌で行う種目です。
ただ、褌で泳ぐのはなかなか大変なことです。なにせ締めるのに慣れないと脱げやすいので。
速く泳げば泳ぐほど、脱げやすくなるので十分な注意が必要となるでしょう。
着順、泳ぎの技術、芸術性、ギャラリーの反応等が採点基準となります。
寝子高のプールは25m×8コースですので、参加者が15人の場合は2回に分けて行われます。
1回目参加者8人。2回目参加者7人+ののこ、と言った形ですね。
組み合わせはランダムに選出します。
*褌スイカ割りバトルロワイヤル*
こちらは、プール中央に浮かべられたスイカを確保し、持ち帰る競技です。
ただし、必ず無事な状態で持って帰ること。多少の傷はOKですが、割られていたらアウトです。
相手のスイカを割るのはアリ(道具の使用可)。割られても何度でもスイカを取りに行くのはOK。
スイカは大量に浮かんでいますし、必要に応じて補充されるのでなくなることはありません。
ゴールした着順、泳ぎの技術や、芸術性、ギャラリーの反応が採点基準となります。
スタート地点は、プール両端の飛び込み台(8コースあるので16個あります)です。
無事な状態のスイカを持ってプールサイドに上がれば、ゴールと見なされます(全身が水から出ること)。
順位は上位5名まで発表される予定です。
各種目の得点を総合して、最終的な順位が決定されます。
採点基準を見てもおわかりだと思いますが、必ずしも速くゴールすることだけが加点の方法ではありません。
なので、着順は毎度ビリでもギャラリーの人気者だから、1位なんてことも有ったりなかったり……。
審査は、先生方(以下の3名です)にしてもらうことになっています。
雨宮 草太郎校長先生
浅井 幸太先生
相原 まゆ先生
【大会の賞品】
そして、賞品はありません。あるのは、ただ“名誉”のみです!
名誉をかけた戦い。それこそが、古き良き大和の国の水泳大会なのです!!
あ、でも優勝者は写真とともにしばらく校内掲示板に貼り出されれます。
このことは先生たち以外知らないですが(笑
……以上が、大会の概要です。
夏休みのヒトコマとして、思い出に残るシナリオになったら嬉しく思います。
皆さんのご参加お待ちしております。