夏空にたなびけ、大和の旗！｜リアクション

夏空にたなびけ、大和の旗！

「皆の活躍のおかげで、とてもいい大会になったよ」
　プールサイドに立つ、校長先生はニコニコとそう語り始めた。
「褌がこんなに注目されて私も嬉しいんだ。そもそも褌というのは古来より……かのシトラス・ガムダンも言っているように……」
　先生の話は長くなりそうなので、結果発表に移ろう。

総合第３位！！　財前華蓮！！！

「……へっ？　わ、わたくし……？」
　じんじん痛む、おでこを押さえながら、華蓮は目をぱちくりさせた。
　それでは各審査員のコメントを見てみよう。
「オーディエンスを味方につけたのはポイント高いわよね。……まぁスタイルなら私も負けてないけどっ」とまゆ先生。
「勝負にかけるその意気込みが素晴らしかった。勝負にはそういう熱意が必要だよな、うん」と浅井先生。
「ほっほっほ。大会をとっても盛り上げてくれたからね」と校長先生。

総合第２位！！　七峯亨！！！

「うっしゃあああああーーーーーっ！！！」
　亨は拳を天に突き上げ、勝利のガッツポーズ。
「どの競技でも目立ってたものねぇ。スイカ割りでは一番注目されてたんじゃないかしら」とまゆ先生。
「50m自由形で見せたあの気迫。すごかったぞ、七峯。水泳部はいい選手を持ったなっ」と浅井先生。
「うん。夏の空にたくましい男子の褌はよく似合うね」と校長先生。

総合第１位！！　旅鴉月詠！！！

「……おや、意外な結果となったな。優勝できるとは思わなかった」
　月詠は表情を変えることなく、降り注ぐ拍手の中、肩をすくめた。
「ただ目立つだけじゃなくて、文化的でよかったわ。祭囃子の演技は目を見張っちゃった」とまゆ先生。
「まゆ先生も感心していたが、水泳のフォームがとても美しかった。順位は伸びなかったが、俺は評価するぞ」と浅井先生。
「みんな、君の褌姿には目を惹かれていたよ。女の子なのに綺麗に褌を着こなしてるね」と校長先生。

　それから、優しい眼差しで校長先生は生徒を見回した。
「他の皆もそれぞれ褌の良さを見せてくれて感謝しているよ。きっと君達の褌もとても喜んでる」
　オーディエンスから起こる拍手に、どの選手もはにかんだ様子。
　もくもくと広がる白い雲の下、こうして褌水泳大会は幕を下ろしたのだった。

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