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ポランスキー先生、ききいっぱつ!
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chapter.1 あらしのまえに
太陽が長く居座るこの季節の潮風は、心地良い。
市街地の喧噪から離れたエノコロ岬に吹いていたのは、そんな風だった。
「能美子ちゃん、今日はありがとう」
「いや、その……夏休みにひとりぼっちっていうのもちょっとアレだし」
桜庭 円
の言葉に、
弘明寺 能美子
は小さくそう返した。風の音でそれは、曖昧にしか円に聞こえなかった。
「え? ごめん、今なんて?」
「……ううん、何でもない。それより桜庭さん、日焼け止めは塗ってきたの?」
「あ、忘れちゃった」
うっかり、といった表情を浮かべる円に、能美子はすっと日焼け止めを差し出した。
「これ、良かったら使って」
円は笑顔でそれを受け取ると、早速体の露出している部分に塗った。もちろん、能美子本人は既に日焼け止めもばっちり、日傘とタオルも持参しており日焼け対策はばっちりだ。
「いやー、これを持ってくるのですっかり頭がいっぱいになっちゃってたなー。ありがとう」
二度目をお礼を能美子に言う。そんな円の両手にあったのは、何やら地図のようなものとスコップだった。
「それにしても、お宝って何かしらね」
能美子がぽつりと疑問を口にした。そう、彼女たちは今日、宝探しという目的でこの岬を訪れていた。
なんでも、円が数日前に古本屋でそれらしき地図を見つけたのがきっかけらしい。もちろんあくまで「らしき」であって、信憑性は定かではないが。
「いかにも! って感じのだったらいいなー。能美子ちゃんは何だと思う?」
「そうね……世界の崩壊を防ぐ武器が入ってる宝箱の鍵とか」
「あはは、すごくそれっぽいね」
他愛のない雑談をしながら、ふたりは岬の灯台まで辿り着いた。円が地図に視線を落とす。
「この地図だと、もうちょっと先かな……あっ、にゃーくん?」
主が前屈みになったことでバランスが崩れたのか、肩に乗っていたペットの子猫がぴょんと飛び降りた。そのまま子猫は、とてとてと先へと進む。
「にゃーくん、あんまり先行っちゃうと危ないよー」
小走りで追いかける円。すると彼女は走る子猫のさらに先に、人が立っていることに気づいた。しかもそれは、彼女のクラスメイトだった。
「あれっ、握くん?」
名前を呼ばれた
握 利平
はしかし、後ろを振り向かない。聞こえなかったのだろうか。円が首を傾げる。もう一度呼ぼうとして、円は違和感を覚えた。
「なんだか、雰囲気が違う……?」
いつもの明るく面白い級友の姿ではなく、真剣な面持ちで岬から海を見据えている利平の姿がそこにあった。耳を澄ませば、何やらぶつぶつと呟いているようだ。
「夏……来やがったぜ、この季節が」
改めて口に出さなくても、夏真っ盛りである。利平は空へと視線を移した。
「天候は? 晴れだな」
見上げるまでもなく、快晴である。一体彼はどうしてしまったのだろうか。
「風は南……潮は?」
今度は、岬の先端から崖下を見下ろす。
「ハハッ、いい感じに渦巻いてやがる」
本当に、どうしてしまったのだろうか。夏のせいなのだろうか。
「条件は揃ってるぜ。アイツが……アイツが現れるなら、こんな日だ。そう、去年もギラギラと、今日みたいな太陽が照りつけてやがった……」
利平はゆっくりと目を閉じた。
「ねえ、あの人はさっきから何をぶつぶつ言っているの」
円の横にやってきた能美子が、ひそひそ声で尋ねると、円は眉尻を下げて答えた。
「なんだろうね、クラスメイトだけど僕もたまに握くんのことが分からない」
女子ふたりの悲しい会話をよそに、利平は完全に回想モードへと突入していた。
そう、あれは中学3年の夏。
海パン一丁で銛を構えて、崖下の海中で彼は巨大な魚と対峙していた。
直感が告げる。間違いない、ヤツがここのヌシだと。
彼は騎兵のごとく、脇に銛を固定し巨大な魚に迫った。しかし海中ではやはり魚に分があったのか、利平は魚の尾ビレの逆襲にあい吹き飛ばされた。
「分かってる、分かってるぜ……海中で魚には勝てないってことはな。去年の俺は、まだ甘ちゃんだった」
回想を終えた利平が、頬を撫でながら言う。
たぶん、そこが魚にビンタされた箇所なのだろう。別にアザはとっくに消えていたけど。
次に利平は、その手を己の股間へと持っていった。持っていったというか、もうパンツの中に手を入れていた。
「言うなれば、去年はまだ生え揃ってねえガキだったのさ」
そう言った彼が右手で触っていたのが何かはさておき、利平は自信に満ちた顔を浮かべた。
「だが、今の俺には揃ってる。ヤツを仕留めるための策も、それを可能にする経験も……毛も!」
せっかくぼかしたのに、言ってしまった。全部、夏のせいだ。
岬の先端で彼が逃した魚に思いを馳せている一方、利平から少し離れたところ——灯台の上では、
八十八旗 信彦
がこれまたひとりでぶつぶつと何かを呟いていた。
「君は輝いてるよ! そして、もちろん俺も輝いている!」
懐から一輪のバラを取り出して、かっこいい……たぶんかっこいいセリフを口にする信彦。一体彼は彼で、ひとり何をやっているのだろうか。
信彦はなおも、空に向かって口説き文句を並べ始めた。
「俺とお前で世界を半分こ! いや、これはバラじゃなくて地球儀を手に言うべきかな……?」
バラをしまって、今度は鏡を取り出しながら信彦は顔の角度を色々変えてみせた。
おそらく、おそらくだが彼は今、シミュレートをしているのだろう。女性を口説く時の言葉や表情の見せ方なんかの。
「ねえ、あの人も何かぶつぶつ言っているみたいだけれど」
灯台のふもとで、能美子が見上げながら言う。円は何とも言えない表情でそれに言葉を返した。
「あー、信彦くんだね。同じクラスのがっきゅーいいん仲間だよ」
「……桜庭さんのクラス、大丈夫?」
「たぶん、今のところは」
彼女たちがそんな会話をしていることにも気づかず、利平と信彦は海や空に自分の思いを吐き出し続けていた。
もうじきこの場所に喧噪が訪れることなど、彼らは知る由もなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月02日
参加申し込みの期限
2014年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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