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ポランスキー先生、ききいっぱつ!
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chapter.9 録音アリ
海へと落ちた3人は、その後無事引き上げられ濡れた体を拭いていた。
「先生、音が聞こえるようになって、本当に良かったです……!」
みゆきが安堵で涙をこぼしながらジャンに言うと、ジャンは嬉しそうに、申し訳なさそうに頭を撫でた。
「お騒がせシテ、すいまセン」
そんなジャンに歩み寄ったのは、修だった。
「先生が気に病むことはないですよ。原因が先生にあったわけでもないですし」
言って気落ちしている彼へと修が差し出したのは、カップラーメンだった。横には、しっかりとポットがある。
もちろん、ジャンを止める時に使ったあのポットとは別のもので、中身はしっかりとお湯である。
どうやら彼が背負っていた巨大な荷物は、この2本のポットとカップラーメンが正体だったらしい。
修はカップラーメンのふたを開け、お湯を注ぐと優しくジャンに手渡した。
「どうです、波の音でも聞きながら、食事にしませんか?」
それは、聴力が戻った彼にかけてあげられる、一番の言葉だったかもしれない。
「そうデスね、そこまで昔でもナイのに、懐かしい音と匂いがシマス」
ジャンはそれを受け取って、感謝の言葉を述べた。
◇
カップ麺をずるずるとすするジャンの元へ、能美子がやってきた。
彼女は、何やら聞きたいことがありそうな表情を浮かべている。
「どうしたデスカ?」
食事を中断し、彼女を見上げて訪ねるジャン。そんな彼に、能美子は疑問をぶつけた。
「あのサングラス、どこで買ったんですか? そもそも、どういう経緯で?」
そう、初めからここにいた彼女にとっては、ここに至るまでの過程が分からないままだったのだ。
能美子の疑問に答えるべく口を開こうとしたジャンだったが、それよりも先に答えたのは寝太郎だった。
「自分が、一応一部始終を見ていたから話せるよ」
食事中のジャンを労ってか、代わりに話し始めた寝太郎。それを、能美子は黙って聞いていた。
「あれは、家でゴロゴロしてたら掃除機で吸われてしまって自転車に乗って散歩してる時だったなぁ」
「え、ちょっと待ってどこから話してるの」
「あぁそっか、サングラスを買ったところからでいいんだったね」
あははと苦笑いしながら、寝太郎は再度語り出す。
「録音機材を持って自然の音を集めていたジャン先生と会って、一緒に夏の音を聞いていたんだ。そうしたら、『日差しが眩しい』って先生が言い出して」
そこから、ジャンがサングラスを買った時のことを寝太郎は話した。
サイフを出すため、自分が録音機材を預かったこと、サングラスをかけた先生がいきなり「音が……」と言いだし慌てだしたこと、そして突然走り出したこと。
それらの話を聞いていて、能美子はやっぱり、と思った。
露店の商人は、何らかのろっこんを持っているのではないかと。
悪意があってのことかどうかは分からない。ただ、今後また似たようなトラブルが起きることを考えると、放ってはおけない気がした。
「……かといって、商売するなとも言えないし」
どうしたものかと考えた能美子は、何かを思いついた様子で「あ」と声をあげた。
「私が、売っている商品を全部買い占めればいいんじゃない」
サイフをちらりと見て、諭吉の顔がいくつも入っているのを確認しながら彼女は言った。星ヶ丘寮住まいのセレブ思考、恐るべしである。
能美子が今回の事件の原因を頭で整理していた時、月詠もまた、岬から崖を見下ろしながらひとり考えを巡らせていた。
「……まあ、今回のは音を遮断する神魂、といったところだろうね」
確かに普通の人がそれを使い、急に耳が聞こえなくなれば驚きもするだろう。しかし月詠は、その道具の有効な活用法を思いついていた。
「誰にも邪魔されずに考えごとをしたい時なんかに良いかと思ったのだが……」
月詠はちらりと後ろを見た。そこには、未だに今回の騒動が何だったのか分かっていないののこを口説いている信彦がいた。
「やあやあ、せにょりーた! 今日もアホ毛がキュートだね!」
「あー、アホって言ったー! アホって言った方がアホなんだよー!」
「誤解だよせにょりーた! いや、でも俺はたしかにアホかもしれないね。恋した男なんて、みんなバカでアホになっちゃうのさ!」
「んーっと、ごめんよくわかんないや」
首を傾げるののこに、信彦は「この近くにおいしいアイスのお店があるんだ」などとどうにか食らいつこうとしていた。
「……主に、こういう時に、だな」
月詠は海の方に向き直って、小さく呟いた。出来ればあのサングラスを預かりたかったが、海に沈んでしまったのではどうしようもない。
「まあいいさ。もし縁があるなら、また目の前に現れるだろう。売っていた露店が見つかったり、とかな」
はたして、能美子や月詠が露店の商人と会うことができたのか、それはまた別のお話である。
ちなみに今のところ、続編情報は未定である。
「そうだ」
雰囲気が落ち着きだし、帰り始める者もいる中でジャンに声をかけたのは、寝太郎だった。
「オウ、何デショウ?」
尋ねるジャンに、寝太郎は荷物から録音機材を取りだし返却する。
「大事なものを、返し忘れるところでした」
「オー、ありがとうデス!」
「この荷物と一緒に追いかけるの大変だったんですから、曲ができたら皆に聴かせてくださいね?」
冗談めいた口調で言った寝太郎に、ジャンは笑顔で答えた。
「もちろんデス。アレ……これ、録音スイッチが入ったままデスネ」
「え?」
確かに、ジャンの言う通り赤いランプが点灯したままだった。慌ててスイッチをオフにする。
「先生、これって、先生が走り出してから今までの音が、ずっと録音されていたってこと、ですか……?」
寝太郎が心配そうに聞くとジャンは顔を真っ赤にしながら頷いた。
自分が錯乱している時の音声がばっちり録られているのだ、無理もない。ジャンは有無を言わさず、録音データを削除した。
「せ、先生っ!?」
「録音データは、ありまセェン!」
ジャンの悲痛な叫び声をあげながら、岬から走り去っていった。
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あとがき
担当マスター:
萩栄一
ファンレターはマスターページから!
萩栄一です。
今回のシナリオに参加していただき、ありがとうございました。
どのくらいコメディに傾けるか、オチをどうするかなどを全く決めないでやってみましたが、
最初に思っていたよりは多少まじめ成分も入ったかなあ、という印象でした。
……ありますよね、まじめ成分。きっと。
今回、僕が想定していたより大幅にアクションが偏っていたことに驚かされました。
どういうリアクションのつくりにしようかなあと考えた結果、
いっそここまでやっちゃえ、と思いこのような形にしてみました。
たまにはこういうのもいいかなと思いまして。
なお、アクションに対する意見などを、
個別コメントで何人かの方に送らせていただきました。
それでは、また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしています。
長文に付き合っていただき、ありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月02日
参加申し込みの期限
2014年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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